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INTERVIEW 業界別起業家インタビュー

株式会社LPU CEO 代表取締役 伊藤 優樹

運送業界で独自のビジネスモデルを確立したベンチャー代表の志

異業種からの新規参入を伴走支援し、一人でも多くの経営者を成功に導く

株式会社LPU CEO 代表取締役 伊藤 優樹

近年は、「2024年問題(※)」をはじめ、運送業界のドライバー不足が叫ばれている。そうした状況の改善にもつながる取り組みとして、異業種から運送業への新規参入を支援する顧問事業を開始し、業界内での存在感を高めているのがLPUだ。「軽貨物運送業(※)」に特化したホームページ制作や広告運用を主事業としてきた同社が、顧問事業を手がける狙いはなんなのか。代表を務める伊藤氏に、顧問事業の詳細や狙い、運送業界に対する「想い」を聞いた。


※2024年問題 : 2024年4月1日以降にトラックドライバーの時間外労働時間の上限が年960時間に制限されることにより、運送業界のドライバー不足が加速するのではないかという懸念
※軽貨物運送業 : 「貨物軽自動車運送事業」と呼ばれる、軽ワンボックスカーや軽トラックを用いた運送業

事業開始に必要なものを、パッケージ化して提供

―事業内容を教えてください。

 軽貨物運送業を専門とする経営支援を行っています。具体的には、おもに軽貨物運送事業者のホームページ制作や広告の運用支援などを手がけています。将来的には軽貨物運送業にかかわるあらゆるサービスをワンストップにて提供することを目標としており、現在はサービスの拡充を進めているところです。その一環が、異業種から軽貨物運送業へ新規参入するにあたって必要なものを、パッケージ化して提供する顧問事業です。2022年12月に開始しました。

―顧問事業では、具体的にどういったサービスを提供しているのですか。

 軽貨物運送業に参入して事業の多角化を図りたい事業者を顧問先として、ドライバーの確保から運送依頼をくれる元請け事業者の紹介、事業を行う際に活用できる書類やノウハウをまとめて提供しています。まず行うのは、顧問先に対するドライバー採用のサポートと元請けとなる運送事業者の紹介です。この元請け事業者が顧問先に採用されたドライバーの研修を行い、必要に応じて運送用の車両をレンタルします。その後、当社が初期のトラブル対応から長期のスケール計画までを一貫してサポートするのです。

 すでに顧問先は約40社まで増えており、その3割が既存の顧問先からの紹介であることから、その満足度については手ごたえを感じています。

―なぜ、高い満足度を実現できているのでしょう。

 顧問先はリスクと手間を抑えながら、軽貨物運送業に新規参入できるからだと考えています。ドライバーは業務委託で採用し、車両の購入も不要なため、固定費はほとんどかかりません。初めに契約金として70万円をいただきますが、月々の顧問料は3万5,000円。ドライバーの管理業務については、元請け事業者からの運送依頼を振り分け、運送完了時にドライバーからLINEなどで連絡を受けるくらいです。さらに、稼働報告書兼請求書、事業計画書、収益のシミュレーションシートなど、軽貨物運送業で活用できる各種書類を提供したうえで、当社が徹底したフォローを行います。

 このように、リスクと手間を抑えられるだけのサポートを用意しながら、異業種から軽貨物運送業へ新規参入を促す背景には、2つの「想い」があります。

軽貨物運送のドライバーなら、誰にでも活躍の機会がある

―どういった想いでしょうか。

 1つは事業を通じて軽貨物運送業の裾野を広げることが、私の周りの人たちの幸せ、ひいては社会貢献につながるという想いです。そういった想いを抱くようになったきっかけは、身体に障がいを抱えた友人の存在です。その友人は左半身不随ですが、軽貨物運送のドライバーとして活躍していました。その姿を見て、障がいの有無や学歴、職歴、年齢などに関係なく、多くの人が活躍できる場を与えられる事業として、軽貨物運送業を始めようと考えたのです。当社では、2021年4月に軽貨物運送事業を開始しましたが、ドライバー需要の増大という市場環境もあって、6ヵ月後には120人のドライバーを抱えるまでに成長。その後、1社でできることには限界があると感じ、軽貨物運送業を専門としたホームページ制作や広告運用、顧問事業、メディアPRを通じて、業界の裾野を広げていく方向へ舵を切りました。

―もう1つの「想い」とはなんでしょう。

 経営者を、「資金繰りの悩み」から解放したいという想いです。実は軽貨物運送業を始める前に、私は別の事業で会社を経営していたのですが、資金繰りがうまくいかず、約1,800万円の負債を抱えたことがありました。そのときには、社員を路頭に迷わすわけにはいかないので、事務所に寝袋を置くほど寝る間も惜しんで営業や資金調達に奔走しました。当時の肉体的、精神的な疲労は、ちょっと思い出したくないですかね(笑)。いま私が提供している顧問事業では、初期投資とリスク、手間を抑えた形で軽貨物運送業に参入できる仕組みを構築しています。仮に、以前の私がこの事業に出合っていれば、資金繰りで頭を悩ますことにはならなかったのではないかと思います。現在抱えている約40社の顧問先は、純粋に会社の成長を考え、新たな事業領域への参入という形で軽貨物運送業を手がけていますが、もし資金繰りで困っている経営者がいれば、ぜひ参入してほしいです。一人でも多くの経営者を成功に導ける事業だと考えています。

新規参入企業にとっては「成長エンジン」になりえる

―今後のビジョンを教えてください。

 最終的には、「軽貨物運送業にかかわることは、まずLPUに相談してみる」といったことが業界の常識になるような会社を目指します。より多くの軽貨物運送事業者の事業成長を支援できれば、「業界の裾野拡大」にとどまらず、「業界全体の発展」に貢献できると考えているからです。そのためにも、いま手がけている顧問事業を通じた新規参入企業を促す取り組みは、改めて、重要な位置づけだと捉えています。新規参入の促進は「業界の裾野拡大」に直接つながりますし、参入企業の増加は業界を活性化させるはずです。

 当社の支援があれば手堅く収益をあげられるため、軽貨物運送業は新規参入企業にとっての「成長エンジン」になりえます。経営者のみなさんからのご連絡をお待ちしています。
PROFILE プロフィール
伊藤 優樹(いとう ゆうき)プロフィール
1999年、大阪府生まれ。中学校を卒業後、ITベンチャーから大手営業会社まで10社ほどの企業で活躍。2021年に21歳で起業し、2022年には東京都にて株式会社LPUを設立した。それに伴い、同社のCEO 代表取締役に就任。
企業情報
設立 2022年10月
従業員数 10名
事業内容 軽貨物運送業を専門とする経営支援
URL https://www.lpu.co.jp
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