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飲食・食品業界の起業家インタビュー

株式会社MJS 代表取締役 六川 正男

飲食・食品自分の店をもちたいなら ❝おひとりさま向けバー❞を開こう

株式会社MJS 代表取締役 六川 正男

サンシャインシティや乙女ロードがあり、若い世代にも人気の街、東京・池袋。いま、この街で『MAO』というショットバーが人気を集めている。“ひとりカラオケ"や“ひとり焼肉"といった「おひとりさま向けビジネス」が脚光を浴びるなか、“ひとりバー"というコンセプトで支持を集めている。この『MAO』をFC化することで、全国制覇をめざしているのがMJSだ。同社ではFC加盟店向けに出店立地の物件紹介や、店舗運営コンサルティングも展開。「自分の店をもちたい」と考えている起業家予備軍に向けて、MJS代表の六川氏に成功の秘けつを語ってもらった。

「悩みを聞いてくれる人がいる」バーをそんな場所にしたい

―東京・池袋を中心として、ショットバーや居酒屋をFC店舗含め10店舗、展開していますね。人気の理由を教えてください。

 お客さまと店員との距離が近いことです。私たちが展開している飲食店のコンセプトは、「ひとりで気軽に立ち寄れる」ということ。たとえば、転勤族のために飲み友だちがいない方や、出張で一時的に都内に来ている方など、ひとりでバーや居酒屋に行きたい人は多い。でも、いままでは、そのニーズに対する受け皿がなかった。「ひとりで、はじめてのバーに入る」ということは、敷居が高かったんです。

―確かに、「ひとりカラオケ」はだいぶ一般的になってきましたが、「ひとりバー」は勇気がいりますね。では、どうやってその敷居を下げているのですか。

 まず、店のスタッフが外へ出て、呼び込みをします。多くの呼び込みは大きな売上を見込めるグループをターゲットにします。でも、私たちの場合はひとりで歩いている方が対象。それも、通勤などでその道をいつも通る方がいちばんいい。軽く世間話をするような感じで、声をかけます。いちどの声がけで来店いただける例はまれ。なんども、その方が通るたびに声をかけます。しだいに会話が成立するようになり、まだ来店いただいていないのに、店のスタッフと顔見知りになっている状態。そうなれば、ほどなく来店いただけます。

―お店に入ってきたあとは、どのように対応しているのですか。

 私自身、ときにバーテンをやることがあるのですが、その場合は、初めてのお客さまであっても、「ひさしぶり!」って声をかけますね。「いやいや、はじめてなんだけど…。おかしな店員さんですね」なんて、それでもう笑顔でのコミュニケーションが成立しているわけです。

 お客さまが席につき、飲みはじめたら、お客さまの話を傾聴すること。お酒のチカラを借りて、日ごろ抱えている悩みを話されるお客さまが多い。20代前半の男性で多いのは、自分の将来のこと。同じ年齢層の女性であれば、恋愛のこと。そういった話をお聞きして、店員自身の経験談を話したりして、参考にしていただく。「悩みを打ち明けられる相手がいてくれる場所」として機能させたいからです。

他店視察で得た学びを活かし、独自のコンセプトで開店

―居心地がよさそうですね! そんな独自のコンセプトを六川さんが思いついたのは、どんないきさつだったのですか。

 もともと私自身、お酒が好きで、人と接するのが好きだったので、「バーをやりたい」と思っていたんです。そこで勉強のために、いろいろな店にお客として出かけてみたんです。そのとき、「若いからバカにされてるのかな」という印象を受けました。はじめての店にひとりで行くと、歓迎されているように思えない。店員は常連客と話していて、私には見向きもしない――。

 店員のリアクションをひとつとっても、「もっとこういうふうにいってくれたら、客である自分はすごくうれしいのにな」とか、課題が山ほど見つかった。そういうものを自分なりに全部まとめた結果、「ひとり客をほうっておかない店」というテーマが浮かんできたんです。

―常連客のほうが今後もずっとお金を落としてくれる可能性が高いわけですから、そちらをひいきにするのは合理的だと思います。

 私はそうは思いません。経営的に考えると、新規のお客さまに満足してもらい、また来店してもらうことに注力するべき。常連客だけで満足しているようでは、それ以上の店の発展はあり得ませんから。繁盛店をめざすなら、新規のお客さまを優先するべきなのです。

震災による挫折を乗り越え、一等地への移転で飛躍する

―なるほど。勝算があってスタートした『MAO』。業績は順調に伸びましたか。

 いいえ。2011年2月に、300万円ほどの資金をつぎ込み、池袋の雑居ビルの7階でオープン。でも、その1ヵ月後に東日本大震災が発生。せっかく買いそろえたグラスやお皿をはじめ、すべてが使いモノにならなくなりました。私は当時24歳。グシャグシャになった店内を見わたしながら、「終わったな…」と。でも、被災された方のことを思ったら、自分の挫折なんてなんでもない。店内を片づけて、再び店を開きました。

 しかし、業績は伸びない。当時の客層は、私自身の友人や知人を中心とした常連客がメイン。新規のお客さまは、1週間に1組程度。売上が目標に達しないので、私はやむなく昼間に会社員として働き始めました。そこの給与を店の人件費につぎこむ。完全に、自転車操業でしたね。それでも、店を閉める決断ができなかったんです。

―そこであきらめなかったからこそ、いまがあるわけですね。繁盛店への逆転劇のきっかけは、なんだったのでしょう。

 店の移転です。「売上が増えないのは、立地の悪さによるもの。同じコンセプトで、繁華街の入りやすいところに店をかまえたら、絶対に勝てる」。そう確信していたので、西池袋の目抜き通りにあるビルの地下1階を借りたんです。そこで再チャレンジした結果、新規のお客さまは、1週間に10組にまで増加。売上が飛躍的に伸びました。立地の重要性を、再認識しましたね。成功したいなら、多少賃料が高くても、一等地に店をかまえるべきなんです。

FC店舗を拡大し、47都道府県を制覇する

―そうした教訓を得て、いまでは居酒屋も含めて10店舗を展開するまでになったんですね。今後の出店戦略を教えてください。

 FC展開を加速していきます。最終的な目標は、系列店を全国47都道府県に出すこと。「地元で起業したい」という人や、飲食業界で働いていて「自分の店をもちたい」という夢をもっている方、当社の既存社員で「将来は独立したい」と希望している方、みんなを応援したい。「ひとり客をほうっておかない店」というコンセプトによる店の運営方法を詳しく伝授します。

 また、当社は不動産事業も展開しています。FC店のオーナーに対して、出店するのにふさわしい物件を紹介することもできます。コンセプトの徹底と立地の選定さえおろそかにしなければ、必ず繁盛店になりますよ。

 FC店が増えたら、全国のオーナーさんたちを集めて、情報交換をしたいですね。「〇〇県の郷土料理が食べたい」というお客さんからのリクエストにこたえるために、その県の店に食材を手配してもらう、そんなことができたらいいですね。

「バーを経営してみたいけど、踏み込めないでいる」「人が好きだけど、事業基盤がないから開業できない」という人は、ぜひ参画してほしいです。成功のためのノウハウは、しっかり蓄積してきましたから。

六川 正男(ろくがわ まさお)プロフィール

1986年、長野県生まれ。高校卒業後、上京して池袋の不動産会社で働く。2011年2月、会社を辞めて池袋の雑居ビルにてバーを開店、運営会社として株式会社を設立、代表取締役に就任。その後、池袋の一等地に店をかまえることで業績を伸ばし、経営を安定させた。『MAO』の店号でバーを池袋中心に多店舗展開するとともに、FCによる全国展開をめざす。バーのほか居酒屋も展開する飲食事業にくわえ、不動産事業や飲食店経営者向けのコンサルティング事業も展開し、着々と業容を拡大している。

企業情報

設立 2011年2月
資本金 1,000万円
売上高 2億円(2019年1月期)
従業員数 30名
事業内容 飲食事業、コンサルティング事業、不動産事業、フランチャイズ事業、広告制作事業、リクルート事業
URL http://mjs-group.jp/

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