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INTERVIEW 業界別起業家インタビュー

株式会社プラセム 代表取締役 川島 裕司

福岡で急成長を遂げるWEBコンサルティングベンチャーのサービス論

「圧倒的な顧客ファースト」の姿勢こそ、他社には真似できない組織としての強み

株式会社プラセム 代表取締役 川島 裕司

WEBコンサルティング事業を主力に、福岡の地で創業したプラセム。4年目で売上高19億円を達成するなど、いま急成長を遂げている注目のベンチャー企業だ。この成長の要因について、「圧倒的な顧客ファーストの姿勢」と答える同社代表の川島氏は、「福岡の地に、若手人材が活躍し、社会的価値を高められる環境をつくりたい」と将来の目標を語る。この目標実現に向けたビジョンや、事業にかける想いなどについて、同氏に聞いた。

「お客さま自身よりも、お客さまのことを考える」

―事業内容を教えてください。

 当社は、主力事業として「WEBコンサルティング事業」を展開しています。インターネット広告の代理店として、リスティング広告、SNS広告、動画広告などの各種WEB広告の運用、Googleマップを用いた集客施策など、WEB上での集客支援にまつわるサービスを網羅的に提供しています。これに付随して、サイトやバナー、動画といったコンテンツの制作も内製化しています。

 そのほか、当社では「人材コンサルティング事業」と「不動産コンサルティング事業」も展開しています。この両事業は、当社のメンバー2人がそれぞれ前職での経験を活かすかたちで立ち上げたものです。もともとこの2人は当初、独立を考えていたようなのですが、当社の社内ベンチャーとして事業を立ち上げる構想で意気投合し、当社に参画した経緯があります。この3つを事業の柱に、設立以来、毎年150%以上の成長を続けており、4年目となる前期売上高は19億3,000万円に達しています。

―その急成長の要因はなんですか。

 当社が大切にする「圧倒的な顧客ファースト」の姿勢が評価されているのだと考えています。WEBマーケティングは、いまの時代、あらゆる事業を展開するうえで欠かせないものですが、サービス品質次第でお客さまの事業を成功させることも、失敗させることもできてしまうものです。お客さまの広告予算をドブに捨てるような結果にもなり、会社そのものの業績を左右してしまう可能性さえ生じます。もちろん、100%成功する広告などは存在しませんが、だからこそ、少なくとも「お客さま自身よりも、お客さまの事業のことを考えたと思える仕事をしよう」と社内では言い続けています。それが、「プラセムに賭けてみよう」と決断してくれたお客さまに対する、我々が果たすべき義務だと考えています。

「属人性」こそサービスの本質

―そうした理念は、どのようにして生まれたのでしょう。

 前職での経験が大きいですね。そのベンチャー企業には、WEBコンサルティングの経験を積んだ優秀な人材が集まっていましたが、当時新人だった私が、彼らからもっとも刺激を受けたのが、お客さまに対する姿勢でした。「土日に対応してほしい」「急いでキャンペーンをやりたい」といった声に真摯に対応する。私は彼らの運用ノウハウやスキルにばかり注目していたのですが、お客さまの納得感が高まる理由はそこではありませんでした。WEBコンサルティングは、事業の特性上、契約の「継続」こそが、収益の重要な基盤になるのですが、この「継続」を獲得できる人は、ほぼ例外なく「顧客ファースト」の姿勢を貫いていました。ここから学び、私も徐々にお客さまを獲得できるようになり、そして一流のサービスレベルと柔軟な対応を心がけ、お客さまと長期的にお付き合いさせていただき、ともに試行錯誤し、結果を残し成長していく。こうした経験から、サービスの根幹を握るのは「人」であり、この「属人性」こそサービスの本質だと感じるようになりました。ですから、サービスの本質たる従業員こそ、会社の顔。「会社は従業員のもの」だと私は思っています。

―その理念はいま、社内に根づいていると。

 はい。いまやこの理念は「当社の文化」になっています。お客さま対応がもし雑になるようならば、新規受注を止めることもあります。実際、2021年は、通算で6ヵ月ほどは、新規受注を止めていましたね。創業メンバーの数人で、この理念を守るのは簡単でも、従業員が数十人規模になれば、貫くのは決して簡単なことではありません。きわめてシンプルなことですが、この理念こそもっとも真似できない、当社の「組織的な強み」になっていると感じています。

―今後のビジョンを聞かせてください。

 私には、福岡の地で創業した際に抱いた目標があります。それは、東京に数ある成長ベンチャーのように、20代の若手が事業を立ち上げたり、グループ会社の経営を任されたりする会社を福岡につくること。福岡にはまだ、そうしたベンチャーの醍醐味を味わえるような企業は少ないです。ならば、つくればいい。そう思ったのです。現在、当社は「平均年齢27歳、4期目で売上高19億円、事業を担っているのは20代」。少しずつ、目標に近づいている手ごたえはあります。私の頭の中には新たなビジネスアイデアがいくつかありますが、いまはそれを担える人材の育成が優先です。属人性を武器にした「圧倒的な顧客ファースト」の理念こそ、当社の強みですから。

「圧倒的な顧客ファースト」の姿勢を貫き、福岡を舞台に急成長を遂げているプラセム。その成長の裏には、各事業を現場でけん引するリーダーたちの活躍がある。ここでは、そんなふたりの事業責任者を取材。会社の魅力や仕事のやりがい、今後の成長ビジョンなどを聞いた。

要望の背後の本質を見抜く、そこが選ばれる理由

―業務内容を教えてください。

 会社全体の事業を横断的に見ながらも、私自身が立ち上げた人材コンサルティング事業をメインにマネジメントをしています。当社の人材事業は、福岡県に特化した転職支援サービスから始まり、現在は新卒エージェントや人材マッチングイベントなどへ業容を拡大しています。これらの事業はもともと、私が前職から独立して事業展開を目指していたものでした。しかし、フリーランスで人材コンサルティングを手がける中で、代表の川島と出会い、「組織でやれば、より大きなことが成し遂げられる」と私の志向性が変わりました。なによりも川島の「人を信じて、任せてくれる度量」にほれ込み、プラセムへの入社と福岡への移住を決めた経緯があります。

―プラセムはどのような会社ですか。

 メンバーが若く、可能性にあふれた会社ですね。ただし、プロフェッショナル意識は、隅々にまで浸透させています。問題が生じたとき、お客さまから「若いから仕方ないよね」と言われることだけは、会社として許容できません。ですから、人材育成には力を入れています。

 また、川島が言う「圧倒的な顧客ファースト」の姿勢も当社を語るうえで重要なキーワードです。単にお客さまの「御用聞き」になるのではなく、その要望の背後にある本質を見抜き、ベストな解を提案する。そこを追求することが我々の存在価値であり、我々がお客さまに選ばれる理由なのだと思っています。

―今後、会社をどのように成長させていきたいですか。

 私には、プラセムを「福岡県のリーディングカンパニー」に育てたいという目標があります。みんながプラセムを知っていて、内定をもらった学生が保護者に喜んでもらえるような会社を創っていきたいです。福岡はいま、日本のシリコンバレーになるべくさまざまな都市計画が進み、人口増加も続いているダイナミズムにあふれています。そこを舞台に、成長著しいWEBコンサルティング事業のほか、人材、不動産といった地域性の強い事業を展開している当社には、我ながら将来性を感じています。若くて、優秀なメンバーたちの力をもってすれば、私の目標もそう遠からず実現できると信じています。



個人として生き抜けるだけの、社会的価値を高めたい

―勝連さんがプラセムに入社したきっかけはなんですか。

 私は大手化学メーカーに新卒で入社し、半導体研究に従事していたのですが、その傍ら、個人としてWEBマーケティング支援の副業も手がけていました。会社に依存するのではなく、個人としてスキルが問われる時代を意識してのことです。その後、独立して個人事業主になったのですが、経験を重ねるなかで、20代のうちにより規模感の大きな仕事を経験したいと思うようになりました。ただし、大きな組織で分業制の業務に従事するのは、私の求める働き方ではなく、大きな裁量権をもちながら、スキルを伸ばせる仕事に挑戦したいと考えていました。そんな時に紹介されたのが、プラセムでした。九州のベンチャー企業で、これほどの成長スピードと事業規模を誇る企業は多くはなく、少数精鋭の運営体制にも魅力を感じ、入社を決めました。

―現在は、どのような仕事をしているのですか。

 WEBコンサルティング事業部のチームリーダーとして、すべてのサービスの運用や新サービスの開発を手がけています。たとえば、Googleマップを用いた集客施策を最適化するMEO(※)対策ツール『MEO Plus』は、私が開発から事業化までを任せてもらったものです。ローンチ後は、売上やクライアント数が着実に増え、「サービス品質はトップクラス」との評価もいただくなど、事業は順調に立ち上がっています。

そのほかにも、大手企業の広告運用を任せてもらったり、広告を使った新しいマネタイズ施策を考えたりと、これまで経験したことのない事業にも携わることができています。まさに、求めていた理想の環境で、日々成長を実感しています。
※MEO : Map Engine Optimizationの略

―今後の目標を聞かせてください。

 入社の際に、代表の川島とも話していることなのですが、私には将来、独立して会社をもつという目標があります。川島も「独立の際にはリスクは会社が全部背負うので、ぜひ、そういう人材になってほしい」と応援してくれているので、今後の社内のモデルケースになるつもりで挑戦したいです。そのためにも、いまはこの恵まれた環境を利用して、個人で生き抜いていけるだけの社会的価値を高めていきたいと思っています。
PROFILE プロフィール
川島 裕司(かわしま ゆうじ)プロフィール
1990年、福岡県生まれ。2013年に東京理科大学を卒業後、ITベンチャー企業に入社。WEBコンサルティング事業を経験した後、2018年に実家が経営する株式会社川島製作所に入社。2018年に株式会社プラセムを設立。
企業情報
設立 2018年4月
資本金 1,000万円
売上高 19億3,000万円(2022年3月期)
従業員数 28名(2022年8月現在)
事業内容 WEBコンサルティング事業、クリエイティブ制作事業、人材コンサルティング事業、不動産コンサルティング事業
URL https://plusem.co.jp/
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