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IT業界の起業家インタビュー

株式会社Tamaruba 代表取締役 CEO 小黒 優樹

IT誰もが気軽に幹事になってもっとリアルにつながれる社会へ

株式会社Tamaruba 代表取締役 CEO 小黒 優樹

かつてはごく一部の人だけのものだった「映像をつくり、他人に公開する」を大衆化することで、『YouTube』は巨大なサービスに発展した──。『タマルバ』は、このサクセス・ストーリーをなぞるかもしれない。現在は簡単にはできない「有料イベントを企画し、参加者を集める」を、誰もが手軽にできるようにするサービスだ。イベント参加者からの集金について電子決済技術を用いることで、幹事役の負担を大幅に減らしている。国内では数少ない成長市場といえる「イベント」と「電子決済」のふたつに立脚するサービスを開発・運営するTamaruba代表の小黒氏に、勝算を聞いた。

オフラインのつながりをオンラインの決済で支える

―2019年3月、『タマルバ』がローンチされました。有料イベントの企画を『タマルバ』上にUPして参加者を募集。参加人数が目標に達したらイベント代金が電子決済されるアプリです。決済時の手数料や広告でマネタイズする仕組みですね。このサービスで起業した理由を教えてください。

 「イベント」と「電子決済」というふたつの成長市場に立脚するサービスなので、可能性が大きいと考えたからです。

 まず、イベントについていえば、人がネットの世界で簡単につながることができるからこそ、「リアルな世界でもつながりたい」というニーズが高まっています。2017年の国内のイベント市場規模は16兆6,490億円で6年連続の増加です(一般社団法人日本イベント産業振興協会調べ)。実際に音楽業界ではCDはもとよりダウンロード配信、ストリーミング配信の売上が苦戦を続けるなか、ライブだけは右肩上がりで伸びています。婚活など人の出会いを支援するアプリも成長を続け、ゲームやコスプレなどの共通の趣味をもつ方たちのオフ会は盛んにおこなわれています。

―なるほど。では、「電子決済」市場の成長性は、どうみていますか。

 2017年の市場規模は68兆8,433億円で、2025年に113兆円に達し、国内の決済額における電子決済比率が37.9%にまで拡大するという調査結果もあります(『電子決済総覧 2017-2018』電子決済研究所 / 山本国際コンサルタンツ / カード・ウェーブによる)。

 多数の人がつどうイベントの場で、いちばん面倒なのが集金です。『タマルバ』はクラウドファンディング方式で、目標の参加人数に達したら事前決済が行われます。イベント当日に集金する手間も、欠席による集金不足のリスクもない。完全キャッシュレスでイベント運営ができるのです。人が出会うのはオフラインで、その裏にある面倒な決済はオンラインで――。『タマルバ』が目指す、この事業モデルには大きなニーズがあると思います。

―最先端のFinTechを駆使したサービスでもあるわけですね。

 はい。ただ、「技術的に高度である」という打ち出しは控えめにしたいと思っています。最新のテクノロジーはサービスの裏でしっかりと活用しながら、誰でも使える親しみやすいサービスにしていきたい。『タマルバ』のサービスは、「誰もが簡単に幹事になれる」というコンセプトのもと展開しているからです。

幹事が背負うリスクをゼロにするサービス

―「幹事」に着目して、ユーザーとしてターゲットにしているのはめずらしいですね。その発想の源はなんでしょう。

 自分自身の実体験が大きいですね。学生時代から数多くの幹事を引き受けて、さまざまなイベントを企画・開催してきたんです。つながりを強め、新たな出会いもある。そのおかげで、友だちの多さでは負けません(笑)。

 しかし一方で、幹事の大変さも痛感しました。会場手配や参加者募集、出席確認など多くの手間がかかる一方で、急な欠席者が出たとき、その費用負担を幹事が背負ってしまいがち。せっかく盛り上がっているイベントの空気を、「追加で代金を徴収します」ということで、こわしたくないからです。自分自身、これまでに数十万円は負担してきましたよ(笑)。

―確かに、幹事になりたがらない人は多いですね。

 ええ。幹事役がいないので、リアルな出会いへのニーズが高まっているのに、イベントの供給量がまだまだ少ないのが実情です。逆にいえば、幹事のリスクをゼロにするサービスがあれば、幹事を引き受ける人が劇的に増え、新たなイベントがどんどん生み出されるはず。

 私は学生時代から「自分が熱中できて、社会的な課題解決につながり、そしてたくさんの人が使ってくれるWebサービスをつくりたい」と、つねづね考え続けてきました。「幹事役のリスクをなくす」サービスこそ、その想いをかなえるものだと。急速に普及してきたクラウドファンディングの仕組みを取り入れれば実現できると思いつき、起業に踏み切りました。

―イベントの主催者と参加者をマッチングするアプリやサービスは数多く存在しています。どう差別化していきますか。

 身近で開催するイベントを対象としていることです。ほかのアプリ・サービスの大半は、企業などが主催する大規模イベントと参加者をマッチングすることに主眼を置いています。それに対して、『タマルバ』は幹事役が開催する小さなイベントがターゲットです。

―「幹事を支援する」という意味では、イベント会場となる飲食店などと幹事役をマッチングし、手軽に予約できるサービスがあると思います。

 はい。そうしたサービスと競合する領域については、いずれ、会場の手配を代行してくれるところと提携するなどして、ニーズにこたえていきたいと考えています。『タマルバ』上で会場手配の代行業者とイベント幹事役をマッチングさせるのです。将来的には、『タマルバ』を使えば会場手配から決済まですべて完結するようにしたいですね。

「ユーチューバ―」ならぬ「タマルバー」が輩出される!?

―今後のビジョンを聞かせてください。

 「イベントをやるなら『タマルバ』で」というレベルにまで世の中へ普及させたいですね。そのためのプロモーション戦略としてインフルエンサーに注目しています。影響力の高いインフルエンサーが企画するオフ会を『タマルバ』を使って開催してもらうことを考えています。

 そうやって普及したあかつきには、『タマルバ』が新たなイベントを生み出すプラットフォームに成長し、『タマルバ』上でビジネスが生み出されるようになってほしいですね。イベントを『タマルバ』で企画し開催することそれ自体がビジネスとして成り立つ世界。そうやって稼ぐ人たちは「ユーチューバー」ならぬ「タマルバ―」と呼ばれるかもしれません(笑)。「タマルバー」が子どものあこがれの職業になっている。そんな世界が実現できたら、楽しいですよね。

小黒 優樹(おぐろ ゆうき)プロフィール

1994年、神奈川県生まれ。祖父の代から続く、地域に密着した飲食店をいとなむ家で、日常的に人と人とが触れ合う環境で育つ。学生時代から数々のインターンでビジネス経験を積み、2017年に早稲田大学教育学部卒業後、株式会社鎌倉新書に入社。法人営業を担当し、わずか半年で月間営業成績No.1を獲得した。並行して、学生時代からの「社会の課題解決につながるWebサービスをつくりたい」という想いをかなえるため、独学でプログラミングを習得。2018年11月、株式会社Tamarubaを設立。想いの実現に向けて疾走している。

企業情報

設立 2018年11月
資本金 400万円(資本準備金を含む)
従業員数 4名
事業内容 決済アプリ『タマルバ』の企画・開発・運用
URL https://tamaruba.co.jp/

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