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ベンチャー通信編集部注目の起業家インタビュー

株式会社賢者屋 代表取締役社長 佐藤 祐

注目儲けよりも「だれを幸せにするか」を大切にしたい

株式会社賢者屋 代表取締役社長 佐藤 祐

学生限定のフリースペースを運営する賢者屋。ホワイトボードやプロジェクター、Wi-Fiなどを無料で貸し出し、ミーティングや勉強の場として学生団体やサークルなどに所属する学生たちから高い支持をえている。店舗は現在、東京と大阪の2ヵ所のみだが、全国の学生とつながる独自のネットワークを広くもち、全国12ヵ所で採用支援イベントなども開催している。起業の想いや今後のビジョンについて、代表の佐藤氏に聞いた。

※下記はベンチャー通信73号(2018年9月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

意志ある学生が集まってくる

―フリースペース『賢者屋』はどのような学生が利用するのでしょうか。

 東京と大阪の両店舗をあわせ、年間約7万人の学生が利用していますが、このうち約7割は、就職活動に大手媒体を使わない層が占めています。この層の学生が就職活動の際に大手媒体を使わないのは、規模やブランドなど企業の表面的な部分よりも、媒体だけでは伝わらない、理念など企業の内側にある本質的な部分を重視する傾向があるからです。当社は新卒採用の支援など企業向け事業も手がけ、「媒体では出会えない学生」と企業をマッチングする機会を提供しています。

―そうした学生が『賢者屋』に集まるのはなぜでしょう。

 創業から2018年4月までの約5年間はあえてWebサイトをもたず、クチコミのみによる広がりにこだわって広報してきたからだと思います。というのも、学生のなかでも流行に敏感な「アーリーアダプター」と呼ばれる層に知ってもらうことに創業当初から注力していました。その結果、社会への問題意識が強く、理念や本質を重視するような学生に『賢者屋』の魅力が伝わっていったのです。 いまでは、賢者屋のサービスを使う学生のネットワークは全国にめぐらされています。当社主催のイベントを通して就職先と出会った学生やイベントの開催趣旨に賛同してくれた全国の学生が、47都道府県それぞれで情報のハブになってくれているからです。

―起業した経緯を教えてください。

 「起業したい」という想いをもつようになった原体験は、小学校高学年のころまでさかのぼります。当時、父から母へのDVが原因で両親が離婚しました。母はよく泣いていましたが、私はどうすることもできず、無力感をいだいてきました。そして、家族が笑顔に恵まれなかったことが、大きな心のしこりとして残ることに。私の力で家族を笑顔にできなかったぶん、「まわりの人を笑顔にしたい」「だれかを幸せにしたい」という想いを人一倍強くもつようになったのです。その想いを私らしく実現しようとした手段が起業でした。

―学生向けのフリースペース事業を立ち上げようと決めたのはいつだったのですか。

 大学に入ってからです。当時、まわりの学生が講義中にゲームの話で盛り上がっているようすをみて、私は強い危機感を覚えました。「数年後に社会へ出るというのに、こんなに意識が低くていいのか」と。そこで、問題意識の高い学生を集めることで、ほかの学生に「気づき」を与える機会をつくれないかと考え、学生向け事業を始めようと決めました。

 また、当時は人材サービス企業による人材紹介事業の一環として、学生向けフリースペースが増えていた時期でした。私もよく利用していましたが、しばらくすると今度は次々と閉店してしまったのです。固定費がかかり、高い利益を出せなかったことが理由です。私は腹が立ちましたね。せっかくできた学生の居場所が「大人の理由」で奪われ、「学生は商品としてあつかわれているに過ぎない」と感じたからです。そこで、「それならば自分で学生のために居場所をつくってしまおう」と『賢者屋』を立ち上げました。

すべての人に「居場所」を提供したい

―成功するという確信はあったのですか。

 事業が成功するか、儲かるかということはまったく考えていませんでした。むしろ、「そんなことを考えないくらい、がむしゃらに想いだけで突っ走っていた」といったほうがただしいですね。求められる事業であるなら、結果は後からついてくると思っていました。

 創業時は年間1000人程度の利用者数を見込んでいましたが、実際には月間3000人が利用するようになりました。「学生のかけがえのない居場所になっているのだ」と実感しました。そして、ひとりの想いから立ち上がった賢者屋は、かかわる人や組織の輪が広がっていきました。今後は事業規模をさらに拡大し、応援できる学生を増やしたいと思っています。

―今後のビジョンを聞かせてください。

 まずは2020年度中に学生の10人に1人が使ってくれるリアルなプラットフォームとして、『賢者屋』を確立したいと考えています。店舗も増やしていく予定です。

 いまは学生向けの「居場所」を提供していますが、これからは事業領域を広げていきます。ゆりかごから墓場まで、人生のどこかで当社のサービスを使ってもらえる世界を実現したいですね。当社のコンセプトは「関わる全ての人の幸せのために、居場所となるサービスをつくる」こと。当社がめざすのは、「理念型の事業家集団」です。単純に儲かるかどうかではなくて、そのサービスで「だれが幸せになるのか」を意識した事業をどんどんつくっていきたいですね。

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