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INTERVIEW 業界別起業家インタビュー

株式会社ハッピースマイル 代表取締役社長兼CEO 佐藤 堅一

“日本初”のビジネスモデルで新たな市場を開拓

写真のプラットフォーム提供で、たくさんの困りごとを解決したい

株式会社ハッピースマイル 代表取締役社長兼CEO 佐藤 堅一

カメラマンの派遣事業として、創業したハッピースマイル。やがて、保育現場のなにげない困りごとを発見したことから、これまでになかった写真に関する日本初のビジネスモデルを考案。他社の追随を許さず、毎年150%超で売上を拡大している。元自衛隊員という異色の経歴をもち、「たくさんの困りごとを助けることで、ありがとうのシャワーを浴びたい」という想いを抱く代表の佐藤氏に、事業の詳細や今後のビジョンなどを聞いた。
※下記はベンチャー通信81号(2020年9月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

写真の代行販売という、これまでになかったサービス

―どのような事業を行っているのですか。

 写真代行販売サービス、『みんなのおもいで.com』の運営をメインに手がけています。こちらは、全国の保育園や幼稚園、写真館やカメラマンが撮影した写真データを好きなときにアップロードできるサービスです。「展示室コード」を受け取った保護者やイベント参加者は、スマホやパソコンで24時間閲覧でき、気に入った写真を購入できます。我々がいただくのは、プリント代のみ。購入者への配送も、写真代金の回収もすべて我々が担当します。販売価格は保育園や幼稚園などが自由に設定できるので、プリント代金との差額がそのまま、利用者の利益になるというわけです。現在、全国で約5,000の団体に提供しています。

―ハッピースマイルならではの強みはなんでしょう。

 まず、このビジネスモデルを当社が日本で最初に始めたということ。2014年に出願したビジネスモデル特許を、2019年に5年がかりで無事に取得。なので、他社がこのビジネスモデルをマネすることはできません。次に営業力。当社は、創業から保育園や幼稚園をまわり続けてきました。そのため、現場を熟知しているほか、先生とのつながりもあります。保育業界はヨコの結びつきが強いため、紹介によって事業が拡大しています。そして、数千万円する現像機を購入し、写真の現像まで内製化している点。そのため、プリント代金を抑えることができるのです。

先生の声を聞いて、現場の課題に気づいた

―なぜこのようなビジネスモデルを思いついたのですか。

 ある先生のひと言からですね。創業当初は、私自身もカメラマンとして、保育園や幼稚園をかけまわっていました。もともと私の考え方として「たくさんの困りごとを助けることで、ありがとうのシャワーを浴びたい」という想いがあります。自衛隊に入ったのも、起業したのもそのためです。ただ、私が撮影したり、カメラマンを派遣するのには限界がある。そんなとき、保育園の壁に先生が園児の写真を保護者向けに貼り出している作業を見たんです。「大変そうですね」と声をかけると、「大変なんてもんじゃない!」と返ってきたんです。

―予想外の返答だったんですね。

 ええ。先生が好きでやっていると思っていたので。ただ、詳しく聞くと、先生も決してやりたくないわけではない。でも先生にとって、写真を貼り出したり、写真を注文したり、写真を保護者に配布したりする業務自体は保育の本質ではありません。とはいえ、保護者の方は、わが子の写真をたくさん見たいと思うもの。ただ、写真が多くなればなるほど、現場の負担になることがわかったんです。そこで、我々が現場と保護者をつなぐ写真に関するプラットフォームを提供することで、よりたくさんの困りごとを解決できるのでは、と考えたのです。

IPOを視野に入れ、国内シェア30%をめざす

―今後のビジョンを教えてください。

 現在、すべての都道府県で導入されており、国内シェアは10%を超えてきましたが、これを30%にまでもっていきたいですね。そうすることで、『みんなのおもいで.com』を写真業界で当たり前のサービスにしたいです。たとえば、保護者の方が転勤したとしても、次の保育園でもすでに導入されている、みたいなカタチですね。

 また、これ以外の事業も展開していくことで、さらにたくさんの困りごとを解決していきたいと考えています。その手段として、IPOを検討しています。

―ベンチャー企業に興味のある若者にメッセージをお願いします。

 目標よりも、目的をもって働いてほしいですね。たとえば、5キロダイエットするのがゴールではなく、5キロやせてなにをしたいのか。目的のない目標は、つらいだけですから。また、ワクワクできる目的であることも重要。人の原動力は「ワクワク」ですからね。当社では、そういったビジョン教育も積極的に行っています。

 こうした考えや、当社の想いに共感してくれる人と一緒に働き、社会に貢献していきたいですね。
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