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IT業界の起業家インタビュー
TradFit株式会社 代表取締役 戸田 良樹

IT 「三方よし」の価値観を守り、世の中の不均衡や不平等を解決

TradFit株式会社 代表取締役 戸田 良樹

古き良き伝統(Tradition)を、テクノロジーで現代に融合・フィット(Fit)させる―。そんな理念を社名に込めて、2017年に設立されたTradFit。その名の通り、最先端の音声認識AIを駆使し、観光・宿泊業界のさらなる収益性改善に貢献する独自のサービスを世に送り出し、いま注目を集めている。同社代表の戸田氏に、サービスの概要や成長戦略などを聞いた。

※下記はベンチャー通信82号(2021年4月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

観光・宿泊業界の課題解決が、可能なソフトウェアを開発

―事業内容を教えてください。

 非接触・リモート対応可能なサービスを軸とし、雇用を守りながらの「省人化サービス」や「循環型の地方創生支援」を展開しています。

 具体的には、音声・クラウドAI・生体認証・IoT技術などを活用し、宿泊施設の収益性改善や、旅行者の体験を向上させるサービス開発・展開を行っています。観光・宿泊業界はサービス産業の中でも飲食業界と並び離職率が高く、365日稼働する非常にハードな業界です。くわえて、現状は新型ウイルスの感染拡大を受け、小売・飲食などを含む各種業界が厳しい経営環境に立たされています。そうしたなか、雇用を守りながら、AIに任せられる部分は当社サービスに任せてもらうことで、いかに雇用を守りながらコスト削減を果たすかに焦点をあてています。

 その課題解決策として、多言語対応の画像付きAIスピーカーで使用できるコンシェルジュアプリケーションや、多言語対応チャットシステムなどを開発し、宿泊施設の収益性向上や、さらなる業務改善、マーケティングへの活用、従業員のワークライフバランス改善などに貢献しています。

―AIスピーカーやチャットシステムを通して、どのようなことが実現できますか。

 客室からの問い合わせに追われることなく、宿泊ゲストからのリクエストに対して「おもてなし」を重視したサービスが提供できるようになります。たとえば、宿泊施設内外の設備、各種テナント、サービスなどのリコメンドやルームサービス、貸出備品などの受け付けが可能になります。地域に根付いたローカル情報をもとに、旅行体験の満足度向上につなげることもできます。非接触での音声操作のほか、AIと有人を組み合わせたチャットシステムにより、旅行者による特殊な要望への対応も含めて一元管理することが可能です。

 また、蓄積されたビッグデータを分析することで、閑散期や繁忙期の各宿泊施設で求められる宿泊ゲストの要望を可視化でき、さらなる業務・サービス・マーケティング改善にもつなげられます。足元で進めているPMS(Property Management System:宿泊施設の基幹システム)とのシステム連携完了により、個人情報を特定せず、各種属性に応じたさらなる業務・サービス・グループアセットへのマーケティング改善が可能になるなど、よりきめ細かな顧客サービスも提供できるようになります。

設備投資の削減だけでなく「新型ウイルス対策」にも寄与

―導入施設においては、具体的にどういったメリットを実感できるのでしょう。

 宿泊施設によっては、不要な客室設備経費を削減することが可能です。本システムの導入により、PBX(電話交換機)や電話設置などに関連する設備投資コストが削減でき、導入初年度からコスト削減効果が得られるとの実績が出ています。具体的には、200室規模の宿泊施設を想定すると、各種メーカーの違いはありますが、VOD(Video On Demand)システム使用料として導入費および利用料約440万円が不要となり、さらに時計や高級スピーカーといった客室内機器類や電話などを代替することで約470万円の費用も不要になります。それらの結果、導入1年目で1520万円、5年目には5040万円のコスト削減効果が得られるとの試算が出ています。

―導入実績はありますか。

 すでに実際の導入実績が多数あり、今後のインバウンドの戻りを見据え、国内の各都道府県の事業者、さらに足元は海外からも問い合わせが増えています。非接触・リモートかつ少人数での運営を可能とし、雇用を守りながら安心・安全を確保。同時に、宿泊施設運営に携わる方々のワークライフバランスを改善しながら、人ではなく、不要な設備投資の大幅なコスト削減が可能となる点が、当社提供サービスの特徴です。とくに現在は、多くの宿泊施設がわずかでも支出を抑えたいと試行錯誤しているなか、不必要な経費を見直すことができます。

 くわえて、声で客室家電などの操作ができるため、宿泊ゲストが各種ハードウェアに触れずに、各種スタッフや清掃会社にとってもhandsフリー・リモート対応が可能となり、「新型ウイルス対策」も同時に実現できます。宿泊施設および宿泊ゲスト、スタッフの安全・安心にもつながるサービスを提供しています。

国内の社会課題の解決を軸に、海外展開やIPOを目指す

―画期的なサービスが開発されたと。

 ビジネス、開発、データ量、各種コアとなる数々の特許取得において先行優位を築いています。大量のデータ蓄積により、サービス改善のスピードは速く、知財戦略を早いタイミングで行ってきたため、高い参入障壁を築いていることが当社の強み、優位性になります。

 少子高齢化が進む日本では、声という自然な音声操作によりサービスを提供できることから、宿泊・観光業界にとどまらず、さまざまな業界からお問い合わせをいただいています。

 また、海外に目を向ければ、識字率が低い国でも声で情報が取得でき、サービスを享受できるため、世の中の不均衡や不平等の解決に寄与することも可能です。新型ウイルス禍で顕在化した社会課題の解決に貢献できるサービスとなっています。

ただし、当社だけで大きなインパクトのある社会課題の解決は難しいとも考えています。その意味では、事業体として「人・縁・運」を大切に考えるようにしています。

―今後のビジョンを教えてください。

 過度に成長ばかりを目的としてしまうと売上至上主義に陥り、「三方よし」という当社が大切にしている価値観がブレてしまうと考えています。国内の社会課題の解決を軸とし、各種パートナー企業や各都道府県といった行政とも力を合わせて、しっかりと事業を進めます。そのうえで、海外展開にも着手し、IPOを目指します。ただし、IPOは成長のひとつの手段であり、決して目的ではありません。浮利を追わず、地に足をつけて事業を推進し、世の中の課題解決を「三方よし」、SDGsの考え方でオープンに各種パートナー企業と共創しながら進めていきたいと考えています。

 当社のビジョンは、「世の中にある不均衡や不平等の解決」です。課題はいつの時代も存在するものですが、パートナーとともに、少しでも新型ウイルス禍で露呈した課題解決に寄与できればと考えています。

 TradFitとの出会いは、戸田代表が新潟出身という縁から、ご紹介をいただいたことがきっかけでした。今シーズンから我らのオフィシャルクラブパートナーとなっていただきました。TradFitは、宿泊施設に特化したAIスピーカーアプリケーション、多言語対応チャットシステムなどの開発で、世の中を変えるサービスを実現しようとしています。そのような企業と力を合わせ、当クラブのコンセプトである、
・ 未来のある子供たちに『夢を与えられる人づくり』に貢献します。
・ 地域の人々と共に『活気あふれるまちづくり』に貢献します。
・ 地域と世界を結ぶ『豊かなスポーツ文化の創造』に貢献します。
を実現するために、ともに成長していきたいと考えています。

 新潟県内にも多数の宿泊施設がありますが、新型ウイルスの影響を受け、インバウンド需要は大きく減少しています。当クラブにも、苦境に立たされている観光業・ホテル業のパートナー企業がいます。そのような地域のみなさんを、TradFitの「多言語対応AIスピーカー」技術が盛り上げ、戸田代表が掲げる新潟発の「循環型地方創生」が実現されることを期待しています。

 TradFitとは、『Amazon Echo』の音声認識を活用した、ソニー法人向け『ブラビア』における、電源・音量・チャンネル切り替え・インターネット動画の起動、といった各種操作技術の開発で連携しています。

 連携のきっかけは、将来的にテレビなど客室装備の操作方法として「音声操作」のニーズが高まると想定したためです。政府の目標である「2030年のインバウンド6,000万人」への対応として、TradFitとの連携を通じて「宿泊業のスマート化」に貢献できると考えました。

 『Amazon Echo』を活用し、多言語で対応できるアプリケーションやチャットシステムは、現在宿泊施設が抱えている課題を解決でき、かつ訪日旅行者の旅行体験の向上を実現できるシステムであり、高く評価しています。

 将来的には、遠隔での会議、授業、診療といったリモートコミュニケーションにおけるシステムの音声操作、さらにはスマートシティにおける社会インフラとしての活用もあるかと思います。

AIスピーカーを使うのは初めてでしたが、想像していた以上に、こちらの話した内容をしっかりと認識してくれました。館内レストランの情報を音声で呼び出せたことに感動しました。新型コロナウイルス感染の危険性があるこのご時世、声だけで操作が完結するのはすばらしいと思います。私のような世代の者でも使いこなせるということが、広く伝わってほしいです。

両親が英語を話せないため、旅行する際はスタッフとの会話は私がすべて一人で行ってきたのですが、AIスピーカーを使えばとてもラクでした。画面に案内が出るのも親切ですね。また、ネイティブではない英語発音もしっかりと拾ってくれることにも驚きました。「天気予報」や「アラーム」といった機能も、支度をしながら声で確認・設定できるので、大変助かりました。

日本語を話せないので、英語で館内情報、周辺情報を聞けるのは、大変便利でした。普段、自宅でもAIスピーカーを使っているのですが、テレビとは連携していないため、声でテレビを操作できる機能は新鮮でした。言葉が通じないと不安なので、事前にAIスピーカーが設置されていることが予約時にわかれば、これからもAIスピーカー付きの部屋に泊まりたいと思います。

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