「社員が主役の会社にしたい」―。思い描く理想の会社像について熱く語るのは、岡山に本拠を構え、一般消費者向けの営業コンサルティングを展開するウィルウィング代表の文野氏。その想いに応えようと、社員たちは、会社という「舞台」で躍動している。「社員のおかげで、創業直後にコロナショックが直撃した苦しい状況を乗り切れた」と語る同氏。どのようにして、社員を「主役」へと引き立てていくのか。今後の会社の成長ビジョンとともに、同氏に聞いた。
※下記はベンチャー通信82号(2021年4月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
創業直後にコロナショック、それでも想定以上の業績確保
―会社を立ち上げてから、大変な状況だったと聞きます。
そうですね。NHKの受信料契約収納業務がメインの当社は、2019年12月に創業しました。大きな希望を抱いた船出の矢先に、コロナショックが直撃。NHK本部の方針で、対面での営業を自粛せざるをえない時期があったほか、営業を再開できても訪問時間を短縮せざるをえませんでした。営業的には苦しい状況でしたが、社員のがんばりのおかげで、年間を通じれば想定以上の業績を確保できました。2021年は新規事業を立ち上げるなど「成長の年」と位置づけ、会社の基盤づくりに力を入れます。
―これからの成長に向けて、どんな会社にしたいと考えていますか。
「社員が主役」の会社にしたいです。一人ひとりの社員にスポットライトが当たり、全員がイキイキと働く会社です。そのためには、社員の満足度を高めなければいけません。社員の満足度は、「成長実感が得られる仕事」と「切磋琢磨し合える仲間の存在」で決まると思います。NHKの受信料契約収納業務は、営業の基礎が身につき、成長実感を得るのには適しています。業務に法的な根拠があるうえ、「商材研究」「顧客へのプレゼンテーション・交渉」といった、ビジネスを成功させる定石を戦略立てて地道に行えば、必ず結果が生まれます。そのために、いま社員全員が一丸となって業務に取り組み、日々成功体験を積み重ねています。そういったなか、私が社員に口うるさいほど伝えていることがあります。
他人の成功を喜べば、自分の成功につなげられる
―どのようなことを伝えているのですか。
「他人の成功を本気で喜ぶこと」です。仕事をして自分がうまくいかないとき、人はえてして、他人の成功を嫉妬してしまいがちに。私たちの業務は、簡単に結果を残せるほどやさしくありません。その大変さは、社員が一番わかっています。それゆえに、結果を残した社員を本気で祝福し、その努力を認めることは、同時に自分自身の努力の価値を認めることにもなる。それは、「自分のやっていることは間違っていない」という自信となり、エネルギーに変えられます。そういう意味で、他人の成功を喜ぶことは大切です。いま、社員たちはみな、「結果が出れば自分のことのように全員が喜んでくれて、本当にうれしい」と言います。成長実感が得られる仕事のやりがいにくわえ、喜びを共有し合える仲間の存在が、社員の満足度をさらに高めると思います。
―文野さんが「社員の満足度」にこだわる理由はなんですか。
以前働いていた会社での苦い経験があります。同じNHKの受信料契約収納業務で、私は指導する立場でした。みんな2~3年はがんばりますが、それ以上なかなか続かない。あるとき、辞める社員に「この会社には未来が感じられない」と言われたことが。業務にやりがいはあり、給料も普通に出る。「でもそれだけ」だと。それを聞き、上層部に教育制度の構築や新規事業の立ち上げなど、社員が「ここで働きたい」と思える会社にする必要性を訴えましたが、受け入れられず。結局、会社は倒産しました。
20代は、キャリア形成において非常に重要な時期です。その時期を預かるだけの責任を果たせず、本当に申し訳なく思っています。今度こそ、社員が本当に満足して、イキイキと働ける場をつくりたい。創業2年目にして早々に新規事業を立ち上げるのも、成長実感が得られる機会をいろんな業務で社員に提供したいからなのです。
苦楽をともにする仲間と、有意義な社会人生活を
―社会で活躍したいと考えている若者にメッセージをお願いします。
特に20代は、その後の人生を有意義に過ごすためにも、仕事に一生懸命取り組んでください。仕事をしているなかで、トラブルや失敗はつきもの。そういうとき、苦楽をともにできる仲間がいれば、必ず乗り越えられます。私はこれまで多くの会社を見てきましたが、成長する会社には共通点があります。それは、社員が一体となりイキイキと働いていることです。創業間もない当社ですが、その点では他社に負けません。当社を「舞台」に、主役として躍動しませんか。
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