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INTERVIEW 業界別起業家インタビュー

株式会社アドレクス 代表取締役 田代 隼人

「広告業界で天下を統一する」それが当社の明確な「計画」です

株式会社アドレクス 代表取締役 田代 隼人

アフィリエイトやリスティングといったWeb広告の運用をはじめ、幅広いWebマーケティング支援事業を展開するアドレクス。「数年内にユニコーン企業として上場を果たす」と力強く宣言する代表の田代氏の言葉を裏づけるように、創業4期目でありながらその業容は急速に拡大している。アドレクスの強み、さらには、自社の事業成長に対して強い確信をもつ理由について、同氏に聞いた。
※下記はベンチャー通信85号(2022年7月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

クライアントの業績向上に、こだわり抜く

―事業内容を教えてください。

 創業時からの主力事業としては、アフィリエイトやリスティング、DSP、SNSといった運用型のWeb広告支援を手がけています。このほか、インハウスマーケティング支援や成果報酬型のタレントキャスティングなど多様な施策を用いて、顧客が抱えている課題の解決に取り組んでいます。当社の社名は、「広告」の意味である「アド」と、ラテン語で「王様」を意味する「レクス」を組み合わせており、そこには「広告業界の王様になる」という私の強い想いを込めています。その名の通り、国内において広告運用で当社より高い成果を導ける企業はほかにないと自負しています。

―どういった支援実績がありますか。

 たとえば、アフィリエイト広告事業では、クライアントが委託先を大手代理店から当社に切り替えた後、年間8,000万円の広告費を削減すると同時に、CV(※)を140%伸ばした事例があります。リスティング広告では、約30社のクライアントが代理店を当社に切り替えていますが、過去の代理店が出していた運用成果を下回ったことは一度もありません。こうしてクライアントから得られた信頼は当社の業績にも現れ、2期目の売上は、2019年9月期から2020年6月期への変則決算を実施したうえで前期比約4,000%に成長。3期目は前期比約2倍の約23億円を計上しました。さらに4期目は約41億円に届く見込みです。
CV : コンバージョン率のこと。Webサイトへの訪問者に対し、どのくらいの成果があったのかを表した数値

―広告代理店としてのアドレクスの強みはどこにあるのですか。

 広告やWebの業界で活躍する優秀なマーケターがメンバーとして集い、2018年の創業以来、少数精鋭でクライアントのサポートを行っていることです。役員陣を含む当社のマーケターは、誰もが知るような総合広告代理店や大手Webマーケティング企業の出身者が多く、前職でMVPや社長賞など優秀な実績を残してきた人ばかりです。こうしたトップマーケターがクライアントの業績向上にこだわり抜いて広告運用を支援しているのです。

 もうひとつ、当社が高成長を実現できている要因には、「クライアントファースト」という理念を、私を含めた全社員が徹底して追求していることがあげられます。「顧客第一」と言えば聞き慣れた言葉に感じるかもしれませんが、国内における広告業界の現状は、「クライアントファーストには程遠い」と私は思っています。

業界のブラックボックスを、打ち破ってみせる

―それはどういうことでしょう。

 ネットやテレビといった媒体を問わず、現在の広告業界は、下請け会社に出した見積もりに、代理店が手数料を上乗せして利益を得る方法が主流です。その際に代理店は、広告運用にかかる原価や具体的な運用の中身を、顧客に開示することがほとんどありません。言わば広告業界は、業界全体を「ブラックボックス化」することで、粗利を稼ぐようなビジネスが横行しているのが現状だと私は感じています。顧客に対しては、「CPA」や「ROAS」といった指標を用いて、自社による広告運用効果をアピールします。しかし、原価や広告運用の仕組みを「ブラックボックス化」したうえで示すこれらの指標に、どこまでの意味があるのかは正直疑問もあります。

―田代さんが考える「クライアントファースト」とはどのようなものですか。

 受け取る手数料分以上に、顧客の業績向上を追求していくことです。それこそが、真の広告代理店の責務だと私は考えるのです。ですから私は、そうした「ブラックボックス化」した業界の構造を変革し、クライアントの真のパートナーになりえる会社をつくろうと、このアドレクスを立ち上げました。そして我々は創業以来、業界トップレベルのマーケターが一丸となって業界の「ブラックボックス化」を是正すべく、他社がこれまで行ってこなかったようなことに挑戦し、真のクライアントファーストを実践しているのです。

―具体的に、どのように「クライアントファースト」を実践しているのでしょう。

 たとえば当社では、広告運用に使うサービスアカウントの管理画面をすべてクライアントと共有しています。これにより、クライアントは広告運用上で当社がどのような仕事をしたのかが、すべてわかります。一般的な代理店は、クライアントからいただいたお金でアカウントを開設しても、運用で得られたデータや運用ノウハウを顧客に開示することはありません。その結果、顧客は広告運用にかかる適正価格がわからず、代理店から提示された料金を信用するしかないまま、運用を完全に委ねざるをえない構造になっているのです。それに対して当社では、アカウントの管理記録を明らかにすることで、クライアントが納得できる運用にこだわっているのです。

 このような徹底したクライアントファーストの実践により、クライアントだけでなく、ライバルともなりうる企業からの賛同も得られるようになり、そこから新たな事業の創出にもつながっています。

魅力ある企業が成長できる、広告支援を全国に広げたい

―具体的に、どういった事業が立ち上がっているのですか。

 たとえば、今年3月からは、運用型テレビCMサービスを運営するノバセルと提携し、Web広告からテレビCMまでを一気通貫で運用する「オンオフ統合成果報酬型マーケティング」事業を始めました。また、当社のクライアントと共同で行っている取り組みとしては、売上が急拡大中の飲料水「のむシリカ」を販売するQvouとともにセミナーを定期的に開催し、通販市場で販売を伸ばすためのノウハウを参加した企業に提供しています。このほか、日本デジタルマーケティング協会という一般社団法人も、私を代表理事として設立しました。この協会は、オンラインセミナーや検定試験の実施を通じ、日本のデジタルマーケティング業界の底上げを図る目的で、Web広告代理店など約100社が参画しています。

 このように、多くの企業とともに事業を展開する過程では、広告業界にまつわるもうひとつの問題に気づくことができました。

―それはどういった問題ですか。

 Web広告の領域における地域格差です。いま、企業の広告運用を支援するITツールやサービスは日々、多くの企業で開発され、その情報はリアルタイムに発信されています。しかし、そうしたツールやサービスを提供する代理店やマーケターなどの人材は東京に一極集中しています。それにより、地方の企業は最新の広告運用支援を受ける機会が圧倒的に少ないのが現状なのです。地方にも、伸びる素質や独自の強みをもった企業が数多く存在するにもかかわらず、知名度が足りないがゆえに伸び悩んでいるところが少なくありません。

 当社はこうした問題も解決すべく、これまでに大阪と福岡に拠点を開設。2022年はさらに、名古屋と札幌にも進出し、「魅力ある企業が成長する」お手伝いを日本全国で行っていく考えです。そしてまずは、国内におけるWeb広告領域で「天下統一を果たす」ことが、向こう2~3年間で実現させたい明確な「計画」なのです。

「1京円企業」に挑戦し、前人未到の領域へ

―壮大な計画ですね。

 当社はまだ創業4期目のベンチャー企業で、業界最大手とは企業規模では差がありますが、「戦ったならば勝てる」。つまり、クライアントが委託先を競合から当社に切り替えれば、より大きな成果を得られるような支援体制をすでに構築できています。数年先の未来について断言する私の言葉はなかなか信じてもらえないこともありますが、私にとってはいたってクリアな「予測」であり、これまでもそうした予測を実現させてきました。それは、創業からいままでのアドレクスの事業成長についても同じです。人々の過去の行動や人類の歴史を振り返れば、人々が将来取りうる行動は限定的で、一定程度の予測は可能だと私は考えています。そのため、「Web広告業界で天下統一を果たす」ことも、私にとってはきわめてクリアな予測をもとに構築した、実現可能な計画なのです。

―計画を実行するため、経営者としてどのようなことを大切にしていますか。

 ビジョンを描き、それを絶えず周囲に伝えることを大切にしています。なぜならば、そのビジョンが明確かつ壮大で、他者に対してしっかりと説明できるものであれば、それは単なる個人の想像に終わらず、人を惹きつける大きな力をもつことができるからです。これまで、当社が優秀な社員やビジネスパートナーを惹きつけ、事業を成長できたことも、私が「クライアントファースト」を根底にした明確なビジョンを絶えず共有してきたからにほかなりません。

―今後のビジョンを聞かせてください。

 直近の目標は、2024年に上場することです。それも、「ユニコーン企業」として、株式時価総額1,000億以上での上場を目指します。さらに20年以内には世界初の「時価総額1京円」の企業となり、前人未到の領域へ足を踏み入れることが、私が描く明確なビジョンです。こうしたビジョンに近づくための一歩として、今期からは新卒採用も開始しました。クライアントファーストを標榜する当社が規模を拡大すれば、広告業界におけるブラックボックスは必ずや解消されていくでしょう。そうなれば、魅力ある企業がより世の中に知られ、一層の成長を目指せるようになる。そんな世界をきっと実現してみせます。

社員が語るアドレクスの魅力

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