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INTERVIEW 業界別起業家インタビュー

株式会社Fabbi Japan 代表取締役社長 VU VAN TU

日本市場を皮切りにグローバル展開を目指すベトナム系ITベンチャー

若くて優秀なベトナム人と一緒に、エンジニアとして成長しませんか

株式会社Fabbi Japan 代表取締役社長 VU VAN TU

業務系システムやWebシステム、スマホアプリなどの受託開発をメインに手がけているFabbi Japan(ファッビ ジャパン)。2019年の創業以来、売上高は毎年前年対比150~200%の成長を遂げており、順調に業容を拡大している。同社代表のトゥー氏はベトナム出身で、メンバーもほとんどがベトナム人だ。「これから日本人のエンジニアを積極的に採用していきたい」と語る同氏に、会社の強みや日本で起業した理由、今後のビジョンなどを聞いた。
※下記はベンチャー通信87号(2023年1月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

エンジニア不足に悩む日本で、優秀な人材を確保

―受託開発を手がける会社は多いですが、Fabbi Japanの強みはなんでしょう。

 若くて優秀なベトナム人のエンジニアが、数多く在籍している点です。日本の開発会社の多くは、エンジニア不足に悩んでいます。正直、日本人のエンジニアだけではまかなえず、外国人エンジニアの力が必要不可欠といっていいでしょう。その点、当社には、日本に35名、ベトナムのグループ会社には約300名のベトナム人エンジニアがおり、案件規模にあわせてオフショア開発(※)を含めた提案が可能。たとえば、クライアントから「2ヵ月後に50名のエンジニアを集めてください」といった案件にも応えられます。その際、日本にいる日本語が堪能なエンジニアがブリッジSE(※)を担当するので、言語の壁を感じることなく安心して開発を任せられるのです。そうした点などが評価され、大手企業を含めて、現在は約90社の日本企業と取引をしています。
※オフショア開発 : 海外の企業やリソースを活用して開発業務を行う委託開発手法のこと
※ブリッジSE : オフショア開発において、日本企業と現地スタッフとのコミュニケーションの懸け橋を担うSEのこと

―なぜ、優秀なベトナム人の若手エンジニアを集めることができるのですか。

 ベトナムにおける理系のトップクラスの大学と提携しており、そこから人材を確保できるからです。彼・彼女らは、もともと技術や英語、日本語に秀でています。加えて当社が、大学での授業やインターンシップなどを通じて教育を行うことで、さらに最先端技術を駆使して開発できるようなエンジニアを育てているのです。

 また日本においては、日本企業でエンジニアとして3~5年ほど働いているベトナム人を採用しています。「母国とかかわる会社で働きたい」という人も多いので、採用も比較的スムーズなのです。

日本でSEを経験するなかで、起業の意識が高まっていった

―どうして、日本で起業しようと考えたのでしょう。

 私は「縁」だと考えています。もともと私は、日本に対して「人々が真面目に働く」「経済や技術は世界トップクラス」というイメージを持っていて、興味があったのです。そこで大学卒業後に来日し、日本企業でSEとして約7年働きました。そうしたなかで、「自分自身で会社を立ち上げて、日本のIT市場を開拓していきたい」という気持ちが徐々に強くなったのです。そこで、まずはベトナムで起業して開発の基盤をつくり、翌年に日本でFabbi Japanを立ち上げたのです。設立時は私しかいなかった社員も、現在は40名規模にまで拡大しました。

―どのような人材を求めているのですか。

 これまでは開発基盤づくりのためにベトナム人エンジニアを採用していましたが、今後は日本人エンジニアを積極採用したいと考えています。ベトナム人がいくら流暢に日本語を話せても、文化や風習といった細かい点まで理解できているとは言えませんから。日本で市場を開拓していくなら、やはり日本人の力が必要なのです。2025年までには、日本で200名体制にしたいと考えています。経験者はもちろん、新卒生も歓迎です。当社の若くて優秀なベトナム人エンジニアと交流することで、切磋琢磨できるでしょうし、ベトナムに出張して海外のビジネスや文化に直接触れる機会もあるので、やりがいが得られると思いますよ。

「社員は会社の英気である」成長への投資は惜しまない

―今後のビジョンを教えてください。

 さらに日本市場を開拓していくため、現在本社がある東京だけでなく、大阪、名古屋、福岡などに拠点を展開していきます。また受託開発だけでなく、一般企業にもITソリューションを提供していくことで、DX支援を行っていく予定です。そして、その先には上場を視野に入れていますが、それはあくまで通過点。私の夢は、数千人、数万人規模の会社をつくること。そのため、日本だけにとどまらないグローバル展開を考えています。

 その夢を実現させるには、人材が大切です。ベトナムに「賢者は国の英気である」ということわざがありますが、当社では「社員は会社の英気である」と考えています。人材が成長していくための投資は惜しみませんので、ぜひ当社で成長してほしいですね。
PROFILE プロフィール
VU VAN TU(ブ・ブァン・トゥー)プロフィール
1989年、ベトナム生まれ。2012年にハノイ工科大学を卒業後、日本のシステム開発会社に入社。来日し、システムエンジニアとして勤務する。2018年、ベトナムにて株式会社Fabbiを立ち上げ、代表取締役社長に就任(現在は代表取締役会長)。2019年、日本で株式会社Fabbi Japanを立ち上げ、代表取締役社長に就任する。
企業情報
設立 2019年2月
資本金 500万円
売上高 4億3,000万円(2021年12月期)
従業員数 約40名(単体)
事業内容 Webシステムなどの受託開発、AI開発、「Salesforce」の提案など
URL https://fabbi-japan.jp/
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