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INTERVIEW 業界別起業家インタビュー

株式会社日本土地建物 代表取締役 神山 重子

独自の取り組みが魅力の不動産ベンチャーが刻んできた歴史とは

日本土地建物の20年を振り返る

株式会社日本土地建物 代表取締役 神山 重子

今年で20周年を迎える日本土地建物。ここまで成長し続けられたのは、屋台骨として会社を支えてきた幹部メンバーの活躍があったからにほかならない。このページからは、4名の幹部を紹介する。
※下記はベンチャー通信88号(2023年4月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

まずは各オーナーに、顔を覚えてもらう

―現在の仕事内容を教えてください。

 2022年4月から、M&Aによって事業承継をした三立エースに出向しています。日本土地建物では、一棟収益不動産を買い取り、リノベーションを施して再販するというのがメイン業務でした。一方、三立エースでは、新橋エリアを中心とした店舗・事務所の管理や賃貸契約の更新業務を担当しています。約40年続く老舗の仲介会社で、各オーナーとの付き合いも長い。私のミッションとしては、いかにこれまで先代社長が培ってきた各オーナーとの関係性を引き継いでいくかということですね。業務を日本土地建物が引き継いだ途端、契約を解除されてしまっては事業を引き継いだ意味がありませんから。いまは、まず、各オーナーに顔を覚えてもらうところから始めています。

―こうしたM&Aは、日本土地建物にどのような効果をもたらすでしょう。

 日本土地建物での事業および、働き方の多様性が広がると考えています。三立エースは日本土地建物と収益構造が異なるため、新たな事業の柱になる可能性を秘めています。また、メンバーにとっては、新たな業務を学ぶ機会の創出につながります。事業承継がもう少し落ち着けば、日本土地建物から若いメンバーを出向として呼び入れることも個人的に考えています。

 いずれにせよ、20周年を迎えようとしているいま、今後も事業を続けていくためには、こうした新たな取り組みは重要になってくると思いますね。私が出向という形で先陣を切って挑戦できることにやりがいを感じています。

手探りながらも、可能性の種をまいていく

―今後の目標を教えてください。

 短期的には、先ほど言ったように、三立エースと長い付き合いがある各オーナーと信頼関係を構築することです。そしてゆくゆくは、店舗や事務所だけにとどまらず、マンションといった住居物件も扱っていければと考えています。新橋は場所がらどうしても店舗や事務所の物件が多いですが、そこで働いている人たちの「近くで住みたい」というニーズは一定数あるでしょうから。マンション物件は日本土地建物本体との親和性も高いですし、その仕入れ業務を本体が請け負ってもいい。まだまだ手探りの状態ですが、可能性の種をまいていきたいですね。

仲介業者に、情報提供することも重要

―下島さんのミッションを教えてください。

 営業推進部のトップとして部署の目標数字の達成を目指すとともに、部下を育成していくことです。営業は、いかに仲介業者からまだ世に出回っていない良い物件情報を得られるかが大きなポイントになります。そのためには、仲介業者と綿密なコミュニケーションを図るのはもちろん、「このエリアにはこうした物件が人気です」といった情報を提供することも重要。そうすれば、「この営業担当者なら信用できる」と仲介業者の対応も変わってきますから。私自身、それを心がけていますし、部下にも必要な知識を学ぶように指導しています。

―日本土地建物ならではのやりがいはなんでしょう。

 やはり、一棟収益不動産の仕入れからリノベーション、販売までひとりで担当できることですね。私が当社に入社したのも、そうした経験ができることに大きな魅力を感じたからです。たとえば私がリノベーションを施す場合、「自分自身が住んでみたいと思えるか」といった観点で色みや装飾などを考えて企画します。結果、無事に販売できたときはうれしいですし、やりがいを感じます。また代表の神山は、若手でも活躍できる場を提供しようという考えから、新卒入社1年目でも一連のプロセスをひとりで任せる方針です。当然、私も含めてフォローはしますが、社歴や年齢に関係なく成長できる環境が当社にはありますね。

言葉よりも、背中で教えていきたい

―幹部として、会社をどのように成長させていきたいですか。

 私が会社の収益を底上げしていくとともに、私と若手の間に立てる中間マネジメント層を育てていきたいですね。そのマネジメント層が若手を育てて、さらに若手がマネジメント層に成長する、といったサイクルがうまく回るようになれば、会社も安定して右肩上がりに成長していくはずですから。

 そのために指導はしますが、自分自身が多くの成功事例を見せていくことが大切だと思っています。そのほうが、あれこれ指示されるよりも部下に「こうすればいいんだ」ということが伝わりやすいと考えているからです。言葉より、背中で教えていきます。

部下が結果を出せば、自分ごとのようにうれしい

―齊田さんはどのような業務を担当しているのでしょう。

 営業推進部のグループマネージャーとして、計4名のマネジメントを担当しています。特に入社1年目の新卒生には、仕事を覚えてもらうため、「わからないことがあればなんでも質問するように」と伝えるように心がけていますね。

 営業の仕事は、いかに仲介業者を回って良い物件を仕入れてくるかが重要になってくるのですが、当社の競合会社は何十社、何百社とあります。そのなかで、仲介業者と信頼関係を築いていくのは正直大変です。それこそ、1日で何十件と回るのも珍しくありません。だからこそ、部下が結果を出せたときは喜びもひとしおです。

―具体例があれば教えてください。

 昨年、入社2年目の新卒生が初めて自分で仕入れた物件を販売し、利益を出すことができました。本人もめちゃくちゃ喜んでいましたし、私も細かくフォローはしていましたが、自分ごとのようにうれしかったですね。その部下は、物件を仕入れた業者さんに週に1回は必ずあいさつに行っていて、それをコツコツ1年間続けていました。その努力が実った形です。結果が出ると、仕事に対するモチベーションが上がりますし、入社1年目の新卒生も良い刺激を受けています。私も「負けていられないな」と思いますね(笑)。

働くときは働く、遊ぶときは遊ぶのが社風

―日本土地建物で働く魅力はなんでしょう。

 やる気しだいで生活水準を上げられるところだと思います。結果さえ出せば、インセンティブで大きく自分自身に跳ね返ってきますから。私自身、入社前は独身・賃貸アパート暮らしでした。いまは妻子と犬がいて、マンションと車を購入し、暮らしています。個人的には、生活水準は間違いなく以前より上がっていると感じています。

 ただ、インセンティブをモチベーションにすると、社内がギスギスしがちになると思うのですが、当社のメンバーは仲がいいのも特徴です。社員旅行など、イベントや行事がすごく多くて、働くときは働く、遊ぶときは遊ぶという社風が浸透しているのです。

―今後の目標を教えてください。

 売上目標を達成することで、会社に貢献していきたいですね。それも個人だけではなく、部署として達成したいと考えています。それが結果的に、部下を含めた組織の成長につながっていくと考えているからです。

 当社はもうすぐ20周年を迎えますが、もっと会社を成長させていきたいですし、イベント関連も含めて新しいことにも積極的に取り組んでいきたいですね。そして、20周年以降も会社を盛り上げていきます。

簡易裁判を担当し、オーナーの信頼を獲得

―秋山さんの業務におけるミッションを教えてください。

 4名の部下とともに、オーナーが所有しているマンションを管理して、安定した投資資産の運用ができるようにお手伝いすることです。たとえば、空室ができた際は新たに入居者を募っていち早く埋める。入居者が家賃を滞納した場合は、督促を行うといった具合ですね。特に中古マンションは経年劣化により、水漏れなど不具合が起こりやすくなっています。そのため、入居者からクレームが来る前に、リスクヘッジとして修繕の提案を行うのも重要な業務ですね。

 また、個人的な話になりますが、新しい業務にも取り組んでいます。

―どのような業務ですか。

 一昨年、オーナーに代わって家賃滞納者に対する簡易裁判を担当しました。本来、弁護士に依頼したほうが簡単なのですが、新しい知識を得るために、あえて私がやってみたんです。準備に時間はかかりましたが、無事に問題を解決できました。さらに昨年、同じオーナーの違う物件における同様の裁判も私が担当し、同じく問題の解決に成功。オーナーにもすごく喜んでもらえ、大きな信頼を得ました。私自身も管理物件を預かる立場として新たな成長と自信につながりましたね。

―部下のマネジメントで心がけていることはありますか。

 私自身も含めてですが、もし入居者からクレームがあった際はできるだけスピーディに対応するように伝えています。特に近年はコロナ禍で、入居者が家で過ごす時間が増えたことから、設備の老朽化が進んだり、近隣住民同士の騒音トラブルが増えたりしているんですね。そこで少しでも対応が遅れると、いまの時代「マンションの対応が悪い」とすぐにSNSなどで情報発信されますから。逆に素早く丁寧に対応すれば、マンションの評価が上がり、結果的にオーナーの資産価値向上につながります。入社2年目の新卒生が、スピーディに対応しているのを見ると「成長しているな」と実感しますね。

管理戸数を、1,000戸にまで増やしたい

―今後のビジョンをどのように描いていますか。

 現在、私が所属しているプロパティ・マネジメント部では、約800戸を管理していますが、まずは1,000戸にまで増やすのが目標です。思い返せば、私が2016年に入社したときには管理戸数が200戸くらいだったので、その数字を見ても、少しずつ会社が成長していることを実感しますね。また、今後は物件を管理するだけではなく、オーナーに対して新たな働きかけを行っていこうと考えています。

―詳しく教えてください。

 当社のほうから、物件の売却や、新たな物件の購入提案をしていきたいと考えているのです。そうすれば、オーナーに対してもっと踏み込んだ資産価値向上の貢献ができるほか、プロパティ・マネジメント部としての新たな収益になりますから。そのために現在、マンションの減価償却といった税関係の勉強をしているところです。そういった「攻めの管理」で、日本土地建物の新たなブランディングにつなげていければと考えています。
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