INTERVIEW 業界別起業家インタビュー

危機を突破した起業家と可能性に賭けた投資家の対談
「TV局×ベンチャー」のタッグで、新発想の企業成長支援を提供する
株式会社MBSイノベーションドライブ 代表取締役 日笠 賢治 / ヴォガロ株式会社 代表取締役CEO 米田 純也
Sponsored 株式会社MBSイノベーションドライブ 代表取締役 日笠 賢治 / ヴォガロ株式会社 代表取締役CEO 米田 純也
コロナ禍は多くの企業に深刻な打撃を与えたが、マーケティング支援を通じて、ブランディングや事業グロースを担う大阪のベンチャー・ヴォガロは例外だ。2021年初頭の四半期において、過去最高の売上・利益をたたき出している。その裏には、TV局・MBSグループとの資本提携に踏み切るなど、ヴォガロ代表の米田氏による攻めの経営姿勢があった。今回は同氏と、MBSグループでベンチャー投資を手がけるMBSイノベーションドライブ代表の日笠氏との対談を企画。TV業界で革新をめざす日笠氏が、なぜ提携相手としてヴォガロを選んだのか。そして、両者のタッグによって生み出される新たな企業成長支援サービスとは──。存分に語りあってもらった。
コロナ禍で売上半減のピンチを、攻めの経営へ転換して脱出
―コロナ禍による経済後退で、多くのマーケティング支援企業が打撃を受けるなか、ヴォガロは2021年1月~3月期に過去最高の売上・利益をあげているそうですね。好調の要因を教えてください。
米田:攻めの経営姿勢を貫いたことが大きいと思っています。コロナによって打撃を受けたのは、1年前のヴォガロも同じ。最初の緊急事態宣言の最中だった2020年4月~6月期は、前年比で売上が半減してしまい、私自身、精神的に追いつめられた時期もあったんです。
でも、そこでベンチャー企業の創業者、“ファウンダー”としての原点に立ち戻った。社員の安全や雇用を確保するといった守りの施策については、幹部たちがしっかり実行してくれている。であれば、「私の役割は、この状況のなかで売上をあげ、利益を増やすための攻め手を考え出し、実行することだ」と。
でも、そこでベンチャー企業の創業者、“ファウンダー”としての原点に立ち戻った。社員の安全や雇用を確保するといった守りの施策については、幹部たちがしっかり実行してくれている。であれば、「私の役割は、この状況のなかで売上をあげ、利益を増やすための攻め手を考え出し、実行することだ」と。
―ベンチャー・スピリットを危機脱出の原動力にしたんですね。具体的に、どんな手を打ったのでしょう。
米田:主に3つあります。1つ目は事業戦略のピボット。これまでのヴォガロは、実店舗をもつ業種のお客さま向けに、来店促進のデジタルマーケティングを支援することを事業の強みとしてきました。それを、対象業種や提供サービスを限定せず、お客さまのビジネスの成長を支援する事業へとシフトさせたんです。TV・ラジオなどマスメディアの融合や実店舗のブランディングなどリアルな手法も取り入れ、総合的に事業の成長を支援していくスタイルです。
2つ目は、「来年・再来年に実行しよう」と考えていた事業戦略を前倒して、いま実行したことです。そのひとつが、インキュベーション事業の開始。ヴォガロのサービスを提供するお客さまに出資して、僕たち自身がお客さまの事業についてリスクをとり、一緒に成功をめざす事業です。
2つ目は、「来年・再来年に実行しよう」と考えていた事業戦略を前倒して、いま実行したことです。そのひとつが、インキュベーション事業の開始。ヴォガロのサービスを提供するお客さまに出資して、僕たち自身がお客さまの事業についてリスクをとり、一緒に成功をめざす事業です。
―顧客側から見れば、ヴォガロは「サービスの提供者」というより、「事業推進のパートナー」になるイメージですね。では、3つ目の打ち手はなんですか。
米田:地上波準キー局、ラジオ局、衛星放送などからなるMBSのグループにジョインしたことです。グループ内でベンチャーキャピタル事業を手がけるMBSイノベーションドライブからアプローチをいただいて。MBSグループはTV・ラジオといったメディアをもっていて、しかも資本力がある。ヴォガロがはじめた新たな事業戦略を加速させていくパートナーとして、これほどふさわしい相手はいない。そこで資本提携し、グループ入りしたんです。
TV業界に新風を吹き込む相棒と“会って3ヵ月”のスピード提携
―“大企業の傘下に入る”という言葉の印象とは裏腹に、ベンチャー起業家ならではの攻めの一手として、資本提携したわけですね。では、日笠さんにお聞きします。MBSグループが資本提携相手としてヴォガロを選んだ理由を教えてください。
日笠:私たちのグループに新しい風を吹き込んでくれる相手として、「これ以上の会社はない」と感じたことです。私たちMBSイノベーションドライブは2018年9月に設立して以来、ベンチャー企業へのマイノリティ投資や、グループ内のメンバーによる社内起業支援を手がけてきました。ただ、当初から、「MBSグループを変えてくれるようなベンチャー企業にマジョリティ投資をして、グループにジョインしてもらおう」という構想はあって。ずっと、相手先を探していたんです。
これまで、提携相手になりえる会社の経営者と、100名以上、お会いしていました。でも、2020年7月、米田さんと最初にお会いしたとき、とても話がはずんで。8月中には「提携しましょう」となって、9月には基本条件に合意していた。「こんなに早く決めちゃっていいの?」っていうぐらい(笑)。
これまで、提携相手になりえる会社の経営者と、100名以上、お会いしていました。でも、2020年7月、米田さんと最初にお会いしたとき、とても話がはずんで。8月中には「提携しましょう」となって、9月には基本条件に合意していた。「こんなに早く決めちゃっていいの?」っていうぐらい(笑)。
―ものすごいスピードですね。具体的に、ヴォガロのどこに魅力を感じたのですか。
日笠:ひとつは、MBSの課題であるデジタル領域を手がける会社だということです。MBSは創業約70年。ほぼ放送事業だけをやってきました。でも、そのなかに閉じこもっていては、未来を描けない。われわれの世界を変え、新たな成長をめざすには、デジタル領域を取り込まなければいけない。そこに対する「飢え」みたいなものがあります。
ただ、デジタル領域のベンチャー企業の人たちは、数字やロジックを重視するタイプが多い。私たちは視聴者・聴取者の感性にアピールする番組づくりをしているクリエイティブ重視の会社なので、なかなか話が合いにくい面があります。その点、ヴォガロはとてもクリエイティブな会社。機能性・効率性一辺倒ではない。オフィスへ行くと、内装やインテリアがとてもオシャレですし。そんな感性を重視する部分が、私たちMBSグループの既存メンバーとコミュニケーションをはかるうえで、“のりしろ”になる。そんな直感がありました。
ただ、デジタル領域のベンチャー企業の人たちは、数字やロジックを重視するタイプが多い。私たちは視聴者・聴取者の感性にアピールする番組づくりをしているクリエイティブ重視の会社なので、なかなか話が合いにくい面があります。その点、ヴォガロはとてもクリエイティブな会社。機能性・効率性一辺倒ではない。オフィスへ行くと、内装やインテリアがとてもオシャレですし。そんな感性を重視する部分が、私たちMBSグループの既存メンバーとコミュニケーションをはかるうえで、“のりしろ”になる。そんな直感がありました。
―なるほど。ヴォガロがMBSグループへジョインしたことで、どんな変化が起きることを期待していますか。
日笠:いろいろな意味で、風穴を開けてほしい。たとえば、私たちがいま持ち合わせていないSNSやWebのマーケティング領域などの知見を、エキスパートとして持ち込んでもらうこと。それから、既存企業の安定志向のカルチャーに、ベンチャー企業としてサバイバルしてきたハングリー精神をぶつけてもらうこと。さらには、終身雇用制度のもとで社員が高齢化しているなか、米田さんをはじめみなさんの若い感性に入ってきてもらい、いまの世代の人たちの目線に合わせていくこと。それを実行していくことで、これから大きく変わっていくのだろうと、ワクワクしていますよ。
米田:僕たちから見ると、MBSは「大人の会社だなあ」と思うんですけどね(笑)。でも、日笠さんからも、グループのトップの三村さん(MBSメディアホールディングス代表取締役会長・三村景一氏)からも、「グループをかき回してください」といわれているので、「僕たちがMBSを運転してやろう」というぐらいの意気込みでいます(笑)。
米田:僕たちから見ると、MBSは「大人の会社だなあ」と思うんですけどね(笑)。でも、日笠さんからも、グループのトップの三村さん(MBSメディアホールディングス代表取締役会長・三村景一氏)からも、「グループをかき回してください」といわれているので、「僕たちがMBSを運転してやろう」というぐらいの意気込みでいます(笑)。
ITもTVも駆使するPR支援と、金融支援を複合したサービスを展開
―MBSグループというパートナーを得たうえで、ヴォガロは今後、どんな事業戦略を描いていますか。
米田:資本力とTV・ラジオというメディア力をフルに活用させていただいて、僕たちの新しい事業を加速させていきます。たとえば、僕たちと同じく大阪で、アパレル事業を展開するホープインターナショナルワークスの例をお話ししましょう。大阪と首都圏に、古着を最先端のオシャレな服にリメイクしてくれる店舗を出店していて、SDGsの流れをファッション分野で推進するベンチャー企業です。
いままでも、この会社に僕たちから出資させていただき、デジタルマーケティングの支援をしていました。でも、これからは、より大きな出資ができ、TV・ラジオを使ったPRなど、支援の幅も広げられます。こうした「志の高い事業を展開しているけれど、世の中にまだ知られていない」企業さんを世に知らしめ、企業成長を支援するサービスをどんどん展開していきたいですね。
いままでも、この会社に僕たちから出資させていただき、デジタルマーケティングの支援をしていました。でも、これからは、より大きな出資ができ、TV・ラジオを使ったPRなど、支援の幅も広げられます。こうした「志の高い事業を展開しているけれど、世の中にまだ知られていない」企業さんを世に知らしめ、企業成長を支援するサービスをどんどん展開していきたいですね。
―ありがとうございます。では、MBSイノベーションドライブの今後のビジョンを聞かせてください。
日笠:これからも、デジタル領域を手がけるベンチャー企業には投資していきます。アメリカの名門紙ワシントン・ポストがアマゾンの創業者ベゾス氏の出資を受けたあと、デジタル分野に進出したことで大発展を遂げたように、私たちもデジタル領域の知見を取り入れ、変革を遂げていきたいからです。
私たちは“ベンチャー企業の成長に相乗りして、株を売って大もうけしよう”なんてことは、まったく考えていないんです。MBSグループにジョインしてもらい、一緒に発展していきたい。ヴォガロという前例があるので、「距離を感じる」などということはないでしょう(笑)。私たちと一緒に、変革を推進していく志をもったベンチャー企業と、ぜひ出会いたいと思っています。
私たちは“ベンチャー企業の成長に相乗りして、株を売って大もうけしよう”なんてことは、まったく考えていないんです。MBSグループにジョインしてもらい、一緒に発展していきたい。ヴォガロという前例があるので、「距離を感じる」などということはないでしょう(笑)。私たちと一緒に、変革を推進していく志をもったベンチャー企業と、ぜひ出会いたいと思っています。
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