ベンチャー通信Online > 起業家インタビュー > 人材・研修 > 株式会社インテック 代表取締役 波多江 浩幸

INTERVIEW 業界別起業家インタビュー

株式会社インテック 代表取締役 波多江 浩幸

「社員想い」の経営者が目指す「人材育成型企業」とは

のびのびと働き「考える力」をつけ、成長の土台をつくりあげてほしい

株式会社インテック 代表取締役 波多江 浩幸

2019年に創業し、インターネット回線の販売を中心に事業を展開するインテック。代表の波多江氏は、「のびのびと働ける環境のもと、社員が本来の能力を発揮できる会社をつくりたかった」と創業当初の想いを語る。その想いのとおり、「社員は着実に成長している」(同氏)といい、会社の売上も毎年50%増のペースで拡大している。のびのびと働ける環境で、社員はどのように成長できるのか。また、どのような形でそうした職場環境を整えているのか。同氏に詳細を聞いた。

自身の辛い営業経験。「思考停止」のような状況も

―事業内容を教えてください。

 エンドユーザー向けに、インターネット回線の訪問販売をおもに行っています。特定キャリアの回線に限定せずに、顧客のコンサルタントとして、現状や要望をヒアリングしたうえで、最適な回線を提案しています。売上は好調に推移しており、創業から毎年50%増を継続しています。人員体制の強化を進めており、来期は売上の倍増を計画しているところです。

―なにが起業のきっかけだったのでしょうか。

 過去の経験のなかから、「自分で考える力」という、成長のために大切なことを社員が身につけられる会社をつくりたいと思ったことです。そのためには、社員が目先の営業数字だけに追われるのではなく、中長期的視点をもち、のびのびと働ける会社である必要があります。私は過去に、不動産やインターネット回線の営業を行ってきた経験があります。当時は、どの会社でも高い営業目標を与えられ、強いプレッシャーにさらされながら、顧客を獲得するための営業活動に明け暮れる毎日でした。もちろん営業職なので、数字目標があるのは当たり前です。ただ、あまりにも毎日結果を生み出すことだけを求められた末、営業活動で重要な「結果を生み出すためのプロセス」など考えられないようになってしまいました。しまいには、結果が出ないことで精神的に追い詰められ、工夫もなにもなく、やみくもに営業活動を繰り返すといった、思考停止のような状態に陥りかけたこともありました。

―どのようにして、そういった状況を乗り越えたのでしょう。

 なにかを変えなければ、同じ状況を繰り返すばかりだ、ということに気づいたんです。そこで、まずは高い営業成績をあげている先輩社員に頼み込んで、営業提案のロールプレイングに付き合ってもらうことにしたのです。夜中1時を過ぎこともありましたが、繰り返し行うことで、商品の特性や魅力をどのように伝えればいいのか、徐々にではありますが考えられるようになっていきました。そうやってつかんだ「営業のコツ」のようなものを、しっかりと自分のものとするために、日々の営業活動のなかでPDCAサイクルを回し、改善を繰り返していきました。そうすることで営業成績もあがっていき、仕事に楽しさを感じられるようになりましたね。

―仕事の好循環が生まれたようですね。

 ええ。じつは私は、学習塾で働いていた経験もあるのですが、思えば、授業を楽しみ、自分の頭で考える子どもの成績はどんどん伸びていました。言ってみれば、仕事も同じでしょう。私も仕事に楽しさを感じられるようになったことで、営業成績をあげるための工夫をどんどん行い、いつしかトップレベルの数字をあげられるようになりました。ようは、「自分で考える」ことを繰り返してきたからだと思います。私のその体験を多くの社員に味わってもらいたくて、「自分で考える」ことで仕事の楽しさを感じられる会社を立ち上げたのです。

過度なプレッシャーを与えず、自分で考える余裕をもたせる

―社員が自分で考えながら成長していける職場環境は、どのようにつくりあげていますか。

 大きく3つのポイントがあります。1つは本人が押しつぶされるような過度なプレッシャーを与えないことです。たとえば、月間の目標を考える際には、会社として必要な数字を押しつけるのではなく、実績や意欲を踏まえて本人と相談しながら決めていきます。成功体験を経ると仕事が楽しくなり、どんどん自分で考えるようになるので、十分に達成可能な目標を設定することも重要です。

 また、社員が「自分が見捨てられることはない」と信じられるような信頼関係をつくることもポイントの1つです。そのために、かりに社員が成果をあげられなくても、決して本人を責めず、一緒に原因の究明と対策を行うようにしています。そうすることで、業務改善のプロセスを理解し、自分で考えながら仕事をしていくことができるようになるのです。

―3つ目のポイントは、どのようなものでしょう。

 社員がプライベートを充実させられる環境を用意することです。心と身体の健康は、社員のモチベーション維持に直結し、仕事のパフォーマンスに大きく影響すると考えているからです。そこで、たとえば、子どもの学校行事や恋人の誕生日の際には、有給休暇の取得を推奨するなど、ワークライフバランスを取りやすいようにしています。加えて、健康増進のために、スポーツジムの会費の補助も用意しています。

 営業の成績をあげるための「完璧なマニュアル」などは存在しません。自分の頭で考える余裕をもてる環境を用意し、一人ひとりの社員に応じたアドバイスを行うことに徹しています。そうすることで、みなが自然と試行錯誤を繰り返すようになり、自身の特性に合った営業スタイルを確立していけるようになるのです。

―今後の成長ビジョンについて教えてください。

 のびのびとした環境で全社員が自分らしく成長していった結果として、あらゆる面で営業に強い組織ができあがる、そんな会社を目指しています。そのためにも、社員がやりたいことを見つけられた際には、実績と能力に応じてではありますが、それを実現できるポジションを与えるなど、本来の実力を発揮できる環境も用意しています。なにかを成し遂げたいと強く思ってはいるものの、そのなにかを見つけられていないという人にこそ、ぜひ当社に加わってほしいですね。
PROFILE プロフィール
波多江 浩幸(はたえ ひろゆき)プロフィール
1983年、福岡県生まれ。2007年に北九州市立大学を卒業後、大手不動産会社へ入社して不動産営業に従事。その後、インターネット回線の営業や学習塾運営を経て、2019年に株式会社インテック(旧 : 株式会社ネクサスコミュニケーションズ)を立ち上げ、代表取締役に就任する。
企業情報
設立 2019年4月
資本金 300万円
売上高 2,500万円(2022年3月期)
従業員数 4名(2023年1月現在)
事業内容 インターネット回線の販売
URL https://nexus-c.co.jp/
※このサイトは取材先の企業から提供されているコンテンツを忠実に掲載しております。ユーザーは提供情報の真実性、合法性、安全性、適切性、有用性について弊社(イシン株式会社)は何ら保証しないことをご了承ください。自己の責任において就職、転職、投資、業務提携、受発注などを行ってください。くれぐれも慎重にご判断ください。