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INTERVIEW 業界別起業家インタビュー

株式会社アドレクス 代表取締役 田代 隼人

「広告業界のけん引役」として、挑戦の舞台は世界へ広がった

株式会社アドレクス 代表取締役 田代 隼人

アフィリエイトやリスティングといった各種Web広告の運用をはじめ、幅広いWebマーケティング支援事業を展開するアドレクス。「業界のけん引役を自負する」と語る、代表の田代氏の言葉を裏づけるように、創業以来、その業容は急速に拡大している。2022年には、米国ニューヨーク市に支店を開設し、世界進出も果たした。同社が力強く成長する要因や、事業に込めた想いについて、同氏に詳しく聞いた。
※下記はベンチャー通信89号(2023年9月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

「業界初」や「新標準」を、次々と打ち出していく

―業務内容を教えてください。

 アフィリエイトやリスティング、DSP、SNSといった運用型のWeb広告支援を手がけています。当社の社名は、「広告」の意味である「アド」と、ラテン語で「王様」を意味する「レクス」を組み合わせたもので、そこには「広告業界の王様になる」という私の強い想いを込めています。その名の通り、すでに国内における広告業界のけん引役を自負できるほど、数多くの実績を重ねています。売上高で言えば、設立以来、前期比約2倍のスピードでつねに成長を続け、直近の第5期は70億円に届く見込みです。事業においては、業界初となるサービスや、新たなデファクト・スタンダードとなるようなサービスを次々と打ち出しています。

―具体的に、どういったサービスを打ち出しているのですか。

 芸能キャスティングサービス『Casting REX(キャスティング レクス)』は、タレント肖像を使った広告運用を支援するものですが、完全成果報酬型の料金体系で提供する点において業界初(※)のサービスとなります。また、広告効果高度分析プラットフォーム『AD-REX(アドレクス)』は、当社に在籍する業界トップレベルのマーケターの知見を集約し、つくりこんだものです。世の中に存在する同様のあらゆる分析ツールにおいて、『AD-REX』は「上位版」に位置づけられるものだと考えています。今、2つの例をあげましたが、我々は新たなサービスを世に出すに当たり、「これってアドレクスが最初に始めたものらしいよ」と誰からも認知されるくらいの、価値あるものをつくろうとつねに意識しています。ただしなによりも、我々が広告業界のけん引役を自負する本質的な理由は、「真のクライアントファースト」を徹底的に実践していることにあります。
※日本国内における「デジタルマーケティング活動にかかわるタレントキャスティングサービスの料金形態」として。2023年1月、自社調べ

業界のブラックボックスを、打破してみせる

―詳しく聞かせてください。

 「クライアントファースト」や「顧客第一主義」を謳う企業は、業界を問わず世の中にいくらでもありますが、そのほとんどは自社の利益をあげるための手段としています。しかし我々が考える「真のクライアントファースト」は、自社の利益よりも、顧客の業績をいかに伸ばせるかを徹底的に追求することが第一義です。2018年設立の新しい会社である当社の場合、顧客に広告の運用委託先を他社から切り替えてもらうケースが少なくありません。その際、我々は必ず、「広告運用効果が従来の代理店を下回った場合、お代は1円たりともいただきません」と伝えています。クライアントファーストを徹底するには、それほどの覚悟が必要だと我々は考えているのです。しかし、国内の、こと広告業界においては、クライアントファーストとはほど遠い商習慣が存在している現状があります。

―それはどういうことでしょう。

 現在の広告業界は、下請け会社に出した見積もりに、代理店が手数料を上乗せして利益を得る方法が主流です。そこにおいて代理店は、広告運用にかかる原価や具体的な運用方法を顧客に開示することがほとんどありません。言わば広告業界は、業界全体を「ブラックボックス化」することで、粗利を稼ぐようなビジネスが横行しているのが現状だと私は感じているのです。そうした状況のなか、代理店は顧客の離脱を防ぐために、「CPA」や「ROAS」といった指標を用いて、広告運用効果をアピールします。本来追求すべき「顧客の業績向上」にどれだけのインパクトがあるかを考えるよりも、細かな指標の変化に注目するようなミクロな視点で運用しがちになるわけです。このような状況は、代理店のサービス品質の向上を阻害しますし、究極的には、業界全体に対する人々の信用すら失いかねません。広告業界に身を置く人間として、そのような状況は許せないと私は考えます。だからこそ我々は、業界のブラックボックスを打破し、真のクライアントファーストを実践すべく他社がこれまで行ってこなかったようなことに挑戦しているのです。

―「ブラックボックス」を打破するため、どのようなことを行っているのですか。

 たとえば、広告運用に使うサービスアカウントの管理画面をつねに顧客と共有しています。これにより顧客は、広告運用上、当社がどのような仕事をしたのかがわかります。一般的な代理店は、顧客から得たお金でアカウントを開設しても、具体的な運用内容を開示することはありません。その結果、顧客は広告運用にかかる適正価格がわからず、代理店から提示された料金を信用したまま、運用を委ねざるをえないのです。それに対して当社では、広告の運用内容をつまびらかにすることで、顧客が納得できるような運用にこだわっているのです。当社では、このようにして業界のブラックボックスを打ち破りつつ、広告運用支援による確かな成果を数多くの顧客に提供してきました。

真に顧客を想う理念のもと、優秀なマーケターが集結

―たとえば、どういった支援実績がありますか。

 アフィリエイト広告では、顧客が運用の委託先を大手代理店から当社に切り替えた後、年間8,000万円の広告費を削減したと同時に、CV(※)を140%増加させた事例があります。また、リスティング広告では、約30社の顧客が代理店を当社に切り替えていますが、過去の代理店の運用効果を下回ったことは、一度もありません。こうした実績をあげ続けていられるのは、広告業界やWeb業界でトップレベルのスキルをもつ優秀なマーケターが、数多く当社に在籍しているからです。みんな、「真のクライアントファーストの実践」という、私が掲げる理念に共感して集まってくれたのです。そして今、当社ではこの理念のもと、事業展開の範囲を地域や国といったレベルで拡大しているところです。
※CV : 商品購入や資料ダウンロードなど、最終的に売上拡※『Statista 2021』 大へつながるユーザーの行動。コンバージョン

―どのような地域に事業を広げているのでしょう。

 国内では大阪と福岡に支店を出しており、今後は名古屋や札幌にも進出する計画です。当社が東京以外の地域にも事業範囲を広げている背景には、広告運用を支援する代理店やマーケターといった人材が、東京に一極集中している現状があります。こうした現状のもと、地方では、伸びる素質や独自の強みをもった企業が、知名度が足りないがゆえに伸び悩んでいるケースが少なくありません。そのため当社は、地方への進出によって、魅力ある企業が成長するお手伝いを全国規模で行っていきたいのです。その想いはなにも国内企業だけに向いているわけではありません。クライアントファーストを徹底したサービスモデルや、これまで培ってきた広告運用の知見・ノウハウ、さらにそこから新たに生まれたサービス。それらを世界に展開し、より多くの企業の課題を解決していこうと、昨年11月には米国ニューヨーク市に支店を開設しました。

世界進出の先に見すえるのは、前人未到の「1京円企業」

―米国に進出したのはなぜですか。

 米国は世界最大の広告市場です。そうした大きな市場で戦って得られる知見やノウハウは、必ず当社にとって貴重な成長の糧になると考えるからです。調査会社の統計(※)によると、2020年の米国のインターネット広告費は約17兆4,420億円で、その規模は同年の日本の約9倍に相当します。その市場はまだまだ成長が続く見込みだそうです。そこにおいて当社はまず、現地に進出している日本の広告代理店のなかでNo.1になることを目指しています。当社の米国進出は現地の経済界にも注目されており、世界的な経済誌『Forbes』のUSA版とAsia版(2023年2月発売)に、当社の米国進出の展望に関するインタビュー記事が掲載されました。このほか米国に関して当社では、近くNASDAQ市場へのIPOも計画しています。
※『Statista 2021』

――米国の株式市場に上場する狙いはなんでしょう。

 私がアドレクスの創業当初から掲げる「20年以内に時価総額1京円の企業になる」という計画を、最速で実行できる舞台が米国の市場だと考えるからです。私は支店の立ち上げに際してニューヨークに3ヵ月ほど滞在し、そこで現地のビジネスに関する多くの事例を見聞きしました。そのなかで、米国というのは、明確なビジョンをプレゼンテーションできる人に対し、資金がしっかりと集まる国であることを実感しました。人種や年齢などを問わず、本当に価値あるものを提供できる人物は、正当に評価される国であると、短い滞在期間ながらも肌で感じたのです。私がかねてから真剣に目指し続けている「1京円企業」は前人未到の領域ですが、そんなまだ見ぬ未来を信じ、後押ししてくれる土壌が米国にはあると思っています。

―今後のビジョンを聞かせてください。

 近い将来に描いている計画は数多くありますが、今後も、真のクライアントファーストを徹底し続けていく方針に変わりはありません。「クライアントファーストとはなにか」を突き詰めて考えれば、広告は企業成長を支援するための一つの手段に過ぎません。ですから、当面のビジョンである「広告業界の王様」を実現した後は、事業の軸を別の領域へピボットさせる可能性も大いにあります。我々が向き合う課題が、業界のブラックボックスなのか、都市への一極集中で生じる地域格差なのか、はたまた貧困問題なのか、地球温暖化なのか、その違いだけです。我々は、真のクライアントファーストの理念のもと、「課題を解決できる集団」であり続けるのみだと考えています。
経理を担当しています。会社は急成長中で、上場に向けて規定が増えるなど、多くの変化が社内のいたるところで起こっています。しかしそこにピリピリとした空気感はありません。業務上でわからないことがあれば、誰でも手を止めて親切に教えてくれるなど、温かい雰囲気が当社の最大の魅力です。社員数もどんどん増えていますが、会社の変わらない魅力を大切にしながら、みんなでその成長を支えていきたいですね。
今年に新卒で入社し、新規事業の運営を担当しています。配属されて2週間あまりのころ、ある事業の方針について先輩社員が私の意見を聞いてくれ、採用してくれたことがありました。当社には、業界トップレベルのプロが数多く活躍するなか、私のような若手の意見も聞いてくれるところは、大きな魅力だと感じました。会社からの期待に応え、一つの事業部を任せてもらえる存在となれるよう、自分自身を磨いていきます。
広報と採用を担当しています。「成長企業」を軸に就職活動を進めた結果、昨年アドレクスに新卒入社しました。実際に入社すると、会社の成長スピードは想像以上でした。海外を視野に入れた広報活動など、ミッションの難度も高いですが、そのぶん自身の大きな成長も実感できています。当社は現在、新卒採用も積極的に行っています。会社と共に自身を成長させたい人は、ぜひ私たちの仲間に加わってください。
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