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INTERVIEW 業界別起業家インタビュー

株式会社BrandConnect 代表取締役社長 能登原 悠二

「つながり」を重んじ顧客とともに成長を目指す注目のWebマーケティング企業

顧客と同じ目線で課題に向き合う。そこで生まれる満足感こそ当社の「価値」

株式会社BrandConnect 代表取締役社長 能登原 悠二

近年成長著しいインフルエンサーマーケティングの世界で、存在感を高めているBrandConnect。同社代表の能登原氏は、30代後半にして、業界大手で築き上げたキャリアを捨て、起業に踏み出している。業界トップ企業で培った最先端のマーケティングスキルは同社の特徴だが、「ひととのつながり」を重んじる温かい経営理念もまた、同社のユニークさを際立たせている。いかにして、その経営理念で成長を実現してきたのか。起業の経緯などとともに、同氏に聞いた。
※下記はベンチャー通信91号(2024年9月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

「危機感」に突き動かされて、30代後半にして起業を決意

―事業内容を教えてください。

 インフルエンサーマーケティングを主軸としたWebマーケティング事業を展開しています。扱う商材は、Z世代からアラフィフ世代の女性をターゲットにした商材が多いです。2022年4月に創業し、この2年間でお客さまの数は約100社まで伸びました。ただし、我々が大切にしているのはお客さまの数よりも、既存顧客に対する深い入り込みです。既存の大手顧客の広告施策の継続率は90%(※)を超えています。

 インフルエンサーマーケティングの業界では、多くの会社の提案が「インフルエンサーの人選」に偏りがちですが、それはマーケティングの前提が抜け落ちていると私は思います。商品の特徴や課題を理解し、ターゲットの選定や使うべきキーワード、訴求ポイントの設定などをいかに深く研究し、企画提案に落とし込むか。それこそが「マーケティングの本質」であるというのが、サイバーエージェントに15年間勤め、第一線でWebマーケティングを経験してきたなかでつかんだ私なりの結論です。
※継続率90%:6ヵ月を1つの期間とした場合

―その経歴を持ちながら、能登原さんが起業を決めた理由とはなんだったのでしょうか。

 30代後半に差しかかった段階で感じた、人生やキャリアへの危機感からです。「より高みを目指すため、毎日新しいチャレンジをできているか、ワクワクできているか」。自分自身にそう問いかけたとき、答えは「ノー」でした。前職の会社は本当に好きでしたし、私をひとりの社会人として成長させてくれました。振り返れば、貪欲に成長意欲が湧いているときこそ、大きな成果をあげていました。そんなマインドを継続的に持ち続けることが重要です。高みを目指し、自分自身を後戻りできない厳しい環境に置く。それが今の自分にとって必要であり、その答えが「起業」でした。

 またそのとき、同時に深く突き詰めて考えたことがあります。

―それはなんでしょう。

 なんのために挑戦するのかということです。なにも成し遂げない、自分に自信のない人からは、運も逃げていく。そして幸せから遠のいていく気がします。人生の可能性に「キャップ」をせず、まだ見たことのない景色を仲間とともにみんなで見ていきたい。私が母子家庭で育ったこともあり、ひととのつながりへの思い入れは人一倍強いのかもしれません。ですから、社内においては社員同士、事業においてはお客さまとのつながりを、なによりも大切にする会社でありたいと考えたのです。会社がもっとも重要な価値観として掲げるビジョンを、「ひとのつながりを大切に唯一無二の価値を創造する」としているのも、そうした理由があります。

成長市場でしかできない経験。同じやるなら温かい会社で

―そのビジョンは、事業の現場ではどのように実践されているのですか。

 ビジョンを体現するためのポイントは、「当事者意識」「自分事化」だと私は思っており、事業でもそれをつねに意識できる環境づくりを心がけています。たとえば、顧客の課題を理解するうえで、まず我々自身が当事者になる努力をします。実際に顧客の商品を試したり、競合商品を試したりして、我々自身が当事者になることで、顧客の課題を「自分事化」するのです。そうすれば、ソリューションの提案の質が格段に向上します。Webマーケティングの世界では、その1社にしか提供できない「技術」は、正直多くはありません。業界最高水準のソリューションを自負している当社でも例外ではありません。しかし、当社にしか提供できない「価値」ならばあります。それこそがお客さまと同じ方向を向いて併走することであり、顧客の事業や顧客の商品を「自分事化」して考え、企画の振り返りを徹底的に深く重ねることで感じてもらえる満足感だと思っています。

―「自分事化」のために、取り組んでいることはありますか。

 当社では、福利厚生制度として毎月1万円を支給し、施策改善や企画立案につなげるための商材購入に使ってもらっていますが、これも商材を「自分事化」するための1つの試みです。また、具体的なマーケティング施策の内容について、どこよりも深く振り返り、レポートもつくり込みます。実際、「これほど緻密な振り返りは経験したことが無い」という声は顧客から頻繁に聞きます。お客さまとは向き合うのではなく、同じ方向を見ることが重要なのです。あくまで大切にすべきはお客さまとの「つながり」、そしてそこから得られる満足度ですから、社内でも利益ファーストすぎるコミュニケーションは、他社と比較しても非常に少ないと考えています。

―マーケティング業界を志望する若手人材にメッセージをお願いします。

 Webマーケティングの業界は、まぎれもなく成長市場です。そこでしか経験できないやりがいのある仕事も数多くありますが、同じやるなら、家族のような「温かい会社」で長く安心して働くほうが絶対に良いと私は考えます。大手では体験できないやりがいのある仕事も当社ならできます。会社とともに成長していく醍醐味を、我々と一緒に体験してみませんか。
PROFILE プロフィール
能登原 悠二(のとはら ゆうじ)プロフィール
1983年、神奈川県生まれ。中央大学卒業。2007年に株式会社サイバーエージェントに新卒で入社する。2012年に営業MGR、2018年にはシニアMGRに就任。在籍時には、「月間最優秀プレイヤー賞」「月間最優秀マネージャー賞」を複数回受賞したほか、「メディア管轄ベストマネージャー賞」も受賞するなど、実績を残した。2022年に同社を退社し、同年4月に株式会社BrandConnectを設立。代表取締役社長に就任する。
企業情報
設立 2022年4月
事業内容 SNSアカウント支援事業、広告コンサル事業、美容関連メディア事業、インフルエンサーマーケティング事業、プロダクト開発事業
URL https://www.brandconnect.jp/
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