ベンチャー通信Online > 起業家インタビュー > イベントレポート > レバレジーズ株式会社 代表取締役 岩槻 知秀 / 株式会社エフ・コード 代表取締役社長 工藤 勉

EVENT REPORT イベントレポート

レバレジーズ株式会社 代表取締役 岩槻 知秀 / 株式会社エフ・コード 代表取締役社長 工藤 勉

【ベストベンチャー100カンファレンス 2025 Autumn 講演➀】成長ベンチャーのセンターピン 〜爆速成長を実現する事業・組織戦略の要諦とは?〜

レバレジーズ株式会社 代表取締役 岩槻 知秀 / 株式会社エフ・コード 代表取締役社長 工藤 勉

これから成長が期待されるベンチャー企業を厳正な審査の下に100社選出する『ベストベンチャー100』。その選出企業を始め、完全招待制でベンチャー企業の経営陣に参加を呼びかけ、2025年9月20日に『ベストベンチャー100カンファレンス』を明治記念館で開催した。第一部の講演では、日本を代表するベンチャーの経営者4名が登壇。今回は「講演➀」として、「成長ベンチャーのセンターピン〜爆速成長を実現する事業・組織戦略の要諦とは?〜」をテーマに、レバレジーズ株式会社代表取締役の岩槻知秀氏と、株式会社エフ・コード代表取締役社長の工藤勉氏が行った講演の内容をレポートする。

自己紹介と会社概要

岩槻:レバレジーズ株式会社代表取締役の岩槻です。私は大学卒業後、すぐに起業しました。学生時代にエンジニアとしての実務経験があったため、その技術者としての経験が、私のキャリアの核となっています。当社の事業は、IT、医療、介護、HRテックなど、人材を軸に幅広い社会課題の解決を目指しており、メディア運営、人材紹介、M&A仲介、SaaS開発といったリクルートさんに近い多角的な事業構造を展開しています。現在、当社の成長をけん引しているのは人材紹介事業で、その結果、前期は売上高1,428億円を達成しました。私たちは、粗利ベースで年間30%以上の成長を今後数年間維持できると見込んでおり、今期は売上高1,760億円での着地を予想しています。

工藤:エフ・コード代表取締役社長の工藤と申します。私は大学在学中に複数のビジネスにかかわった後、2006年にエフ・コードを創業しました。大学を中退後、事業を成長させ、創業から15年後の2021年に東証マザーズ(現:東証グロース)に上場しました。当社では、顧客企業にデジタルマーケティング、ウェブサイト構築、システム開発といったDX推進支援を提供しています。バンコク、ジャカルタ、香港といったアジア圏での海外事業にも挑戦し、黒字で成長を続けてきましたが、自社の技術力や営業力だけで事業を伸ばすオーガニックグロースには限界があると感じていました。そこで、成長角度を大きく変えるためには、上場による資金調達力の強化とM&Aが不可欠という結論に至り、「M&Aを主目的として上場を果たした」と言っても過言ではありません。現在、グループ全体で15社、役員・従業員は約850名の規模となり、事業ポートフォリオをマーケティング領域からAI・テクノロジー領域へと積極的に拡張しています。

今センターピンに置いている戦略は?

岩槻:私が考える「成長ベンチャーのセンターピン」は、「真面目に人一倍、働く」という、非常にシンプルで、時代に流されない本質的なものです。戦略や戦術といった理詰めの話も重要ですが、まず社長が誰よりも働くことがすべてであり、社長がリーダーシップを持って、とことん働く姿勢を社員に見せることが不可欠だと考えます。もし社長が遊んでいたら、部下は必ずそれに気づき、「自分たちも働かなくていい」という雰囲気が生まれてしまいます。社員が全員定時で帰っているような会社は、ベンチャー企業として「本当にやる気があるのか」と感じてしまいます。成果を出すためには、他社と違う尖ったことをしなければなりません。創業時と同じように、仕事に没頭して会社に泊まり込むような情熱的な働き方を、私自身がどこまで実践し、また組織としてどこまで維持できるかが非常に大事なことです。

工藤:当社のセンターピンは、同業のSaaS企業をはじめ、広告やSNS、AI、スクールなどさまざまな領域で、「幅広くM&Aをすること」です。私たちは、成長角度を上げるためにM&Aが不可欠であると考え、上場という手段をとりました。上場後約3年半で19社のM&Aを実現していますが、この成功の鍵は、とにかく数とスピードを重視したことです。M&Aは成功も失敗も含めて数をこなすことで、多くの学びを得ることができ、次の案件での意思決定の精度を高めていけると思います。この戦略の根底にあるのは、ホールディングスが持つアセット、つまり顧客接点、人材、財務力を活かして、グループインした会社を確実に伸ばすという「成長速度の加速」という明確な目的です。M&Aはあくまで目的を達成するための最も合理的な手段であるという哲学で臨んでいます。

過去センターピンの誤り(失敗)はあったか

岩槻:組織戦略での最大の失敗は、一時期、採用の品質管理を徹底できなかったことです。当時、採用担当者に一任していたところ、筆記テストを勝手に省略するなどしてしまい、当社の「一生懸命働く」という社風に合わない、たとえば「残業はできない」といった人が入社してしまいました。

 この経験から、当時の自分に助言するなら、採用時の品質管理を定量化し、筆記テストやタレントマネジメントを、会社の規模が小さいうちから真剣にやるべきだったということです。社員数が増えると、アセスメントする担当者間で評価がばらつくため、性格検査など統一した指標で基準を設けることで、採用の品質を担保し、組織の腐敗を防ぐことが重要だと痛感しました。幹部登用においても、まずは「よく働く」ことを最重要視し、それに加えて企画力やピープルマネジメント力の組み合わせを見て判断しています。

工藤:私たちは初期のM&Aにおいて、グループインした経営陣のモチベーション維持という点で大きな課題に直面しました。私たちは、ホールディングス側が事業に深く介入しない「連邦経営」を基本としています。そのため、グループイン後の事業の成長は、その会社のファウンダーやマネジメント層の自律的な意欲に強く依存します。しかし、初期の案件ではインセンティブ設計が不十分であったために、経営陣の意欲が低下し、結果として事業のモメンタムを失い、立て直しが難しくなるという経験がありました。

 この反省から、現在はインセンティブ設計を徹底的に見直しています。グループイン後に業績を伸ばした場合、初手の売却益を大きく上回る金額を得られるよう、株式報酬なども含めた分厚いインセンティブ設計を導入し、経営陣が本気でコミットし続けられる仕組みを構築しています。また、失敗を繰り返さないためのグロース支援策として、ホールディングスのアセットを最大限に活用しています。具体的には、クライアントや、強い営業力を持った代理店の紹介といった「顧客接点の提供」や、未上場では実現が難しかった事業投資を可能にする「ファイナンス支援」などを通じて、グループインした会社が持つ課題を解決し、成長を加速させています。

センターピンを決めるうえでの要諦

岩槻:私が考えるセンターピンの要諦は、結局のところ、「競争相手より賢く、また熱心に働くこと」、これに尽きます。どの事業をやっていようが、勝つにはそれしかありません。特に社長が「やることがない」なんて言っているのは、やる気がないか課題に気づけていないだけです。まずは社長が誰よりも一生懸命に働いて課題を見つけ、うまくいっていないところがあれば、迷わず頭を突っ込んでいく。その気概が一番大事だと思っています。

 また、事業を成長させるためには、採用管理と入社後の「タレントマネジメント」を履行することが重要だと思います。組織が大きくなると社員一人ひとりのことが分からなくなっていきます。ですから、採用後、早い段階から「タレントマネジメント」をしっかり導入し、勘ではなく定量的な基準で組織を管理していくことも、同じくらい重要だと考えています。

工藤:私がセンターピンを決めるうえで要諦だと考えているのは、「自社のケイパビリティを活かせる領域か否か」を徹底的に見極めることです。当社の場合、M&Aを成長のセンターピンに据えましたが、それは豊富な顧客接点や、公認会計士出身者をはじめ優秀な人材がコーポレート部門に在籍していることによるスムーズなPMI(グループイン後の統合作業)、そしてM&Aの実行スピードといった、自社の強みを明確に活かせる領域だったからです。

 こういった自社のケイパビリティをグループインしていただく企業さまに提供できるからこそ、「エフ・コードと組んだ方が幸せになれる」と成長企業さまにも選んでいただけるわけです。ですから、もともと自分たちが持っている能力のなかで「ここで戦えそうだ」という領域を見極め、そこにリソースを集中させることが重要だと考えております。

今後の展開とオーディエンスへのメッセージ

岩槻:現在、国内では人口が減少し、市場がおおむね縮小傾向にありますので、私は今後、海外にどんどん投資していこうと考えています。直近の収益は北米企業の買収などに充てており、お金の使い方を海外にシフトしていくでしょう。インドネシアのように外資規制が緩和され、100%出資が可能になった国も増えているため、アジアも視野に入れています。

 現在、当社のタレントマネジメントシステム『NALYSYS』が好評です。会場の皆さまの事業運営に役立つシステムとなっておりますので、ぜひ活用いただければと思います。また、採用に関してお困りのことがありましたら、「レバテック」や「キャリアチケット」をはじめ、さまざまな採用支援サービスを用意しております。皆さまのニーズにお応えできると思いますので、併せてご検討いただけますと幸いです。

工藤:当社の上場後の成長速度は、売上・利益が毎年ほぼ倍増です。今年2月に発表した新しい中期経営計画では、3年後、2027年12月期の営業利益50億円、営業利益成長率年50%以上の継続を目指すことを掲げました。M&Aはこれからも加速させ、マーケティングや開発領域の企業だけでなく、実業や業界特化型ソリューションなどの企業へも広げていく計画です。将来的には、アジアだけでなくグローバル展開を広げていきたいと考えています。

 私たちの強みである顧客接点、人材、ファイナンスのサポートを活かし、IPO以外のエグジットも視野に入れている方がいらっしゃれば、ぜひ私たちのM&Aチームにお気軽にお声がけいただきたいと思います。
※このサイトは取材先の企業から提供されているコンテンツを忠実に掲載しております。ユーザーは提供情報の真実性、合法性、安全性、適切性、有用性について弊社(イシン株式会社)は何ら保証しないことをご了承ください。自己の責任において就職、転職、投資、業務提携、受発注などを行ってください。くれぐれも慎重にご判断ください。