INTERVIEW 業界別起業家インタビュー
MVNO業界の「カタリスト」として注目を集める専門家の想い
「顧客の事業×モバイル通信」の融合で、新たな価値創造を促したい
株式会社モバイルアーツ 代表取締役 萩原 智晴
Sponsored 株式会社モバイルアーツ
企業のモバイル通信事業への新規参入支援を手がけるモバイルアーツ。同社代表の萩原氏は、業界内の強固な人脈と、特定の通信キャリアに偏らない中立的な知見を併せ持ち、参入企業を成功へと導くプロフェッショナルとして厚い信頼を寄せられている。顧客企業が持つ潜在的な価値をモバイル通信事業の成功へとつなげようとする想いや、その先に描くビジョンとはどのようなものか。同氏に詳しく聞いた。
「官製値下げ」などを背景に、MVNO参入事業者が急増
―事業内容を教えてください。
MVNO参入支援事業を手がけています。MVNOとは「仮想移動体通信事業者」のことで、一般的には格安SIMのサービスを提供している事業者を指します。自社で基地局を全国に設置するには莫大な費用がかかるため、ドコモ、au、ソフトバンクといった大手キャリアから基地局などの設備を借り受けて、独自の通信ネットワークを通して通信サービスを提供する仕組みです。ただ、通信事業者ではない一般企業が参入しようとすると、自社で通信ネットワークを構築するのはハードルが高い。そこで、キャリアと接続してMVNOに回線を卸す「MVNE」という事業者が存在します。私たちは、このMVNOとMVNEをつなぎ、新規参入を支援するコンサルティングを行っています。2015年のSIMフリー義務化、そして2020年の「官製値下げ」によって大手キャリアから卸される帯域費用が大幅に下がったことが転換点となり、現在はMVNOに参入しやすい環境が整ってきました。これによって、以前よりも安いプランや多様なサービスをつくりやすくなり、参入事業者は約2,000社にまで急増しています 。
―たとえば、どのような企業が格安SIM事業に参入していますか。
直近では、異業種の著名な企業の参入が続いています 。たとえば日本航空(JAL)はマイルが貯まるサービスを、メルカリは余ったデータ通信量を売買できる仕組みを展開しています。また、ZOZOの創業者である前澤友作氏が立ち上げた「KABU&モバイル」のように、契約によって株引換券がもらえるといったユニークな事例も登場しています。私たちも「ゆるめるモ!」というアイドルグループと協力して『ゆるモ!』というサービスを立ち上げました。これは「推し活×通信」という組み合わせのモデルケースです。アイドル活動を支えるために、動画や画像のアップロード通信量を無制限に設定するなど、ファンが求める機能を持たせています。このように、大手キャリアでは実現しにくい「自社独自の強み」をプラットフォームとしての通信にかけ合わせることで、多様なサービスを生み出せるのが格安SIMのおもしろさです 。
関係者をつなぐ「ハブ」として、ビジネスのきっかけをつくる
―萩原さんが現在のMVNO参入支援事業を始めたのはなぜですか。
私は以前、通信事業者側であるU-NEXTに在籍し、当時から業界の仲間たちとMVNO業界を盛り上げるためのコミュニティをつくっていました 。そのなかで見えてきたのが、新規参入を目指す企業が自社に最適なMVNEを選ぶことの難しさです。現在、回線を卸すMVNEは多数ありますが、各社が自社の回線の優位性を主張するため、検討企業はなにを基準に選べばよいかわからなくなってしまうケースが少なくありません。また、単に卸値が安いという理由だけで選んでしまうと、運用に必要なシステムの連携ができなかったり、希望する独自の制御ができなかったりといったトラブルも発生します。私は特定のMVNEに属さず、中立な立場で複数の回線を比較・分析し、企画から構築、運用後のフォローまで一貫して伴走できる存在が必要だと感じ、このモバイルアーツを立ち上げました。
私たちが持つ業界ネットワークの象徴と言えるのが、私が幹事を務め、毎年開催している通信業界の忘年会です。モバイルアーツ創業前の2016年に始まったこの集まりは、回を重ねるごとに規模が拡大し、2025年は55社100名を超える方々が集まりました。MVNOだけでなく、システム会社やマーケティングリサーチ会社など、通信にかかわる幅広いプレイヤーが一堂に会します。特定の利害関係に縛られないからこそ、企業の垣根を越えて手を取り合い、ビジネスの新たなきっかけを生み出す。こうした「ハブ」としての役割を果たすことも、私たちの大切な使命だと感じています。
私たちが持つ業界ネットワークの象徴と言えるのが、私が幹事を務め、毎年開催している通信業界の忘年会です。モバイルアーツ創業前の2016年に始まったこの集まりは、回を重ねるごとに規模が拡大し、2025年は55社100名を超える方々が集まりました。MVNOだけでなく、システム会社やマーケティングリサーチ会社など、通信にかかわる幅広いプレイヤーが一堂に会します。特定の利害関係に縛られないからこそ、企業の垣根を越えて手を取り合い、ビジネスの新たなきっかけを生み出す。こうした「ハブ」としての役割を果たすことも、私たちの大切な使命だと感じています。
―今後のビジョンを聞かせてください。
現在、モバイル通信市場の約9割を大手キャリアが占めています。残りの1割をMVNO各社で取り合うのではなく、むしろ競合の壁を越えて協力し合い、この1割のなかで生き残る事業者を増やしていきたいと考えています。そのためには、単なる価格競争ではなく、企業の個性を活かした「通信とのかけ算」による価値創造が不可欠です。私たちは『ゆるモ!』のような実験的な事例を自らつくることで、業界に新しい発想の起爆剤を投げ込みたいと思っています。MVNO業界のカタリスト(触媒)として、通信というインフラをコモディティ化された単なる道具から、ビジネスを加速させるプラットフォームへと変えていく。私たちのフィルターを通していただくことで、参入企業が正しい判断を下し、明るい未来を描けるようにすることが、モバイルアーツの本質的な存在意義であると自負しています。
―自社のさらなる成長を目指すベンチャー企業の経営者にメッセージをお願いします。
MVNOへの参入は以前より容易になりましたが、始めたからといって必ずしも継続できるわけではありません。成功するためには「顧客基盤」「販路基盤」「ユニークなサービス」のいずれか、あるいは複数を備えていることが不可欠です。たとえば、すでに多くのファンや利用者を抱えている企業や、リアルな接点を持つ店舗を展開している企業にとって、通信事業は非常に強力な武器になりえます。私たちは数多くの成功事例だけでなく、失敗事例も見てきました。だからこそ、ときには「いまはやめておいたほうがいい」と率直にお伝えすることもあります。興味本位でも構いませんので、自社のサービスと通信をかけ合わせることでなにができるのか、まずはご相談ください。参入後の成果まで見据えて、誠実に、そして全力で伴走します。
PROFILE
プロフィール
萩原 智晴(はぎわら ともはる)プロフィール
1972年、静岡県生まれ。1994年に大学を卒業後、地元の印刷会社に入社。その後、複数の通信会社を経て2018年、株式会社モバイルアーツを設立し、代表取締役に就任。
企業情報
| 設立 | 2018年3月 |
|---|---|
| 資本金 | 700万円 |
| 売上高 | 1億1,000万円 (2026年2月期) |
| 従業員数 | 7名 |
| 事業内容 | MVNO向けネットワーク構築支援、法人向けサービス設計支援、マーケティング支援、Web構築運用支援 |
| URL | https://mobilearts.jp/ |
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