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大学・書店・証券会社・銀行・経営者向けに約10,000部を発行(2022年6月末時点)している、ベンチャー情報雑誌『ベンチャー通信』。
「ニッポンを創るビジョナリーベンチャーを取材」をコンセプトに編集している、1999年創刊のベンチャー情報雑誌です。
ベンチャー通信Vol.28(2007年11月号)
人材採用・育成に力を入れているベンチャー
連合艦隊司令長官だった山や まもと本五い そろく十六の名言の一つに「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば人は動かじ」がある。人材育成の全てが、この言葉の中に簡潔におさまっている。今回、“人材”をテーマに数多くのベンチャー企業を取材した。そして取材して分かったのが、ベンチャー企業は“若手に任せてみる”のが得意だということだ。つまり、上記の言葉の中でいう“させてみて”の部分である。ここは大手企業と比べると、突出した特徴である。しかし、リソースが限られているベンチャー企業。“やってみせ、言って聞かせて”の部分は、したくてもなかなか手が回らないのが本音かもしれない。ほとんどのベンチャー企業は若手をじっくりと育てる時間も労力もないだろう。だからベンチャーで働く人には、必然的に自主性が求められる。自ら学び取る力だ。ベンチャー企業に新卒で入るなら、「この会社を自分の力で変えてやろう!伸ばしてやろう!」くらいの気概がないと厳しいかもしれない。また先輩の技を盗むくらいのしたたかさも同時に必要だろう。夢ばかり見て就職すれば、大きな痛手を負うかもしれない。イメージばかり追って就職すれば、現実とのギャップに失望するかもしれない。社会人になって一社目に入る会社は非常に大事だ。じっくりと企業を観察して、人の意見もよく聞いて、くれぐれも慎重に就職活動をしてもらいたい。また最後に“ほめてやらねば”の部分だが、これこそベンチャー企業の経営者には苦手な人が多いかもしれない。カリスマと言われるベンチャー経営者の中にも、叱ることは得意でも、ほめることが苦手な人が案外多い。これはベンチャー経営者の年齢の若さが影響しているかもしれない。人は年齢とともに、余裕が生まれ、人の欠点も許容できるようになる。つまり懐が広くなる。経営者も一人の人間である。ベンチャー経営者に聖人君子のような人柄を求めると、かえって入社後の失望が大きくなるかもしれない。ベンチャー企業は未熟である。つまり矛盾の宝庫だ。それを踏まえたうえで就職することも、心構えとして大事かもしれない。巻頭インタビュー
地域活性化のロールモデルをつくる新潟総合学院 理事長 池田 弘
逆風が吹いている今だからこそ、ベンチャーにチャレンジしてほしい株式会社サイバーエージェント 代表取締役社長 藤田 晋