INTERVIEW 業界別起業家インタビュー
27ヵ国で利用される日本発のイベント集客サービス
世界で通用すると自負するから 本拠地にNYを選んだ
Peatix Inc. 共同創業者/最高経営責任者(CEO) 原田 卓
イベント主催者のためのWebサービスを運営するPeatix(ピーティックス)。日本で創業したが、現在はニューヨークに本社を構える。「だれでも気軽に集客できる」強みをもつ同社のサービスは27ヵ国で利用されており、まさに、世界を舞台に活躍するベンチャーと言える。本拠をニューヨークに移したねらいや今後のビジョンなどについて、代表の原田氏に聞いた。
※下記はベンチャー通信72号(2018年7月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
だれでも簡単にイベントで収入をえられる世の中に
―事業内容を教えてください。
だれでも簡単にイベントのチケットを販売・集客できるプラットフォームの運営です。同じ興味・関心をもつ人が集まるグループ機能があり、イベント主催者はイベント内容にあったグループから集客できます。一方、エンドユーザーはWebやモバイルアプリを通じて、発券手数料を負担することなく、好みのイベントのチケットを購入できます。
―大手チケット販売会社のeコーマスサイトなど競合サービスとどう違うのですか。
イベント主催者にとって、手間とコストがかからない点です。既存のプラットフォームでは、「手数料の交渉」「審査」「チケット印刷・郵送」と、多くの手間とコストが発生します。結果として、その負担に耐えられる、商業規模が大きいイベントの主催者しか活用できない。つまり、敷居が非常に高いのです。
これに対し、当社のサイトはメールアドレスの登録だけですぐに利用が可能。そして、決済処理費用を業界最低水準におさえ、コストも低いため、小規模なイベントでも活用できるのです。資本の大きさに関係なく、企画を思いついたらだれでもすぐにイベントを開催でき、収入を得られる。「そんな世の中にしたい」と、このビジネスを始めたのです。
これに対し、当社のサイトはメールアドレスの登録だけですぐに利用が可能。そして、決済処理費用を業界最低水準におさえ、コストも低いため、小規模なイベントでも活用できるのです。資本の大きさに関係なく、企画を思いついたらだれでもすぐにイベントを開催でき、収入を得られる。「そんな世の中にしたい」と、このビジネスを始めたのです。
―どんなイベントで活用されていますか。
参加者が20~100人ほどのイベントが多いですね。いままでイベント管理サービスや事前決済サービスを使えなかった小規模のイベントを中心に新しい市場を開拓しています。
プラットフォームはこれまで、のべ15万件超のイベントで活用され、日本をはじめアメリカ、シンガポール、マレーシアなど27ヵ国、約200万人のユーザーに支持されています。
もっとも、日本でスタートした事業なので、業務の7割はまだ日本がベース。マネタイズの中心も日本です。しかし、私たちのサービスは世界に通用すると思います。だから2020年には国内・国外の収益比率を半々にしたい。そのためグローバル展開を推進しようと、本拠をニューヨークに移しました。
プラットフォームはこれまで、のべ15万件超のイベントで活用され、日本をはじめアメリカ、シンガポール、マレーシアなど27ヵ国、約200万人のユーザーに支持されています。
もっとも、日本でスタートした事業なので、業務の7割はまだ日本がベース。マネタイズの中心も日本です。しかし、私たちのサービスは世界に通用すると思います。だから2020年には国内・国外の収益比率を半々にしたい。そのためグローバル展開を推進しようと、本拠をニューヨークに移しました。
―なぜ、ニューヨークなのでしょう。
共同創業者2人がニューヨーク育ちですから、自然なことでしたね。
ビジネス上のメリットとしては、プロダクトデザインによい影響がありました。ニューヨーク・オフィスがラボのような機能を果たしていて、そこでのデザイントレンドやユーザビリティを取り入れています。結果、「シンプルでわかりやすい」とサイトデザインが好評です。「Peatixが日本発のサービスとは思わなかった」とよくいわれます。
エンジニアやデザイナーの採用面でも大きなメリットがあります。「ニューヨークで働きたい」という人は一定数いますから。
また、Peatixはカルチャービジネスなので、ニューヨークの風土にとてもあっています。仕事終わりにショーや音楽を鑑賞するのが当たり前の土地柄。ミートアップイベントもひんぱんに開催されています。Peatixのビジネスをつくっていくうえで、この街に拠点を構えていることはとても重要だと感じています。
ビジネス上のメリットとしては、プロダクトデザインによい影響がありました。ニューヨーク・オフィスがラボのような機能を果たしていて、そこでのデザイントレンドやユーザビリティを取り入れています。結果、「シンプルでわかりやすい」とサイトデザインが好評です。「Peatixが日本発のサービスとは思わなかった」とよくいわれます。
エンジニアやデザイナーの採用面でも大きなメリットがあります。「ニューヨークで働きたい」という人は一定数いますから。
また、Peatixはカルチャービジネスなので、ニューヨークの風土にとてもあっています。仕事終わりにショーや音楽を鑑賞するのが当たり前の土地柄。ミートアップイベントもひんぱんに開催されています。Peatixのビジネスをつくっていくうえで、この街に拠点を構えていることはとても重要だと感じています。
ビールを飲みながら資金調達の話がまとまる
―デメリットはありますか。
金融やメディアが主役の場所なので、テック系のスタートアップがまだまだ主役ではないことですね。スタートアップが資金調達することも、シリコンバレーに比べると容易ではありません。この点では「西海岸と東海岸の間に深い川が流れている」という印象です。
―資金調達上の工夫を教えてください。
心がけているのは、まず著名な投資家から出資を受けることです。そうすれば、その評判をもとにほかからも資金を集めやすくなります。私たちの場合、「500スタートアップス(※)のデイブ・マクルーア氏が目ききをして出資をした」と評判に。あとは順調でした。
※500スタートアップス:米国シリコンバレーに本社を置く有力ベンチャーファンドの運営会社。デイブ・マクルーア氏はその創立者
―マクルーア氏はどう納得させたのですか。
ビールを飲みながら「事業を始めることにするよ」と伝えたら、「じゃあ投資するよ」と。10秒もかからなかったと思います(笑)。
スタートアップの資金調達は、会議室でプレゼンテーションして決めるという世界だけではありません。もっと人間くさい。投資家も人間ですから。資金調達で悩んでいるなら、もっと酒の席をもうけたほうがいいですよ。
スタートアップの資金調達は、会議室でプレゼンテーションして決めるという世界だけではありません。もっと人間くさい。投資家も人間ですから。資金調達で悩んでいるなら、もっと酒の席をもうけたほうがいいですよ。
―今後のビジョンを聞かせてください。
もともとの想いである「ロングテールコミュニティを育てる」から外れずに、事業を伸ばしていきます。早くユーザーを数千万人の規模にしていきたい。黒字化のメドも立ちましたし、いっそうグローバル展開を進めていきたいですね。
※この記事は『Tech通信』Vol.06からの転載です
PROFILE
プロフィール
原田 卓(はらだ たく)プロフィール
1973年、東京都生まれ。生後間もなくニューヨークに移住。音楽家の家庭で、ミュージシャンやアーティストに囲まれ、世界中を旅行する環境で育つ。米国イェール大学卒業後、株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメントに入社し、海外契約業務に携わる。アマゾンジャパン合同会社、Apple Japan合同会社などを経て、Peatix Inc.の立ち上げに携わり、2011年より現職。
企業情報
設立 | 2011年12月 |
---|---|
資金調達額 | 962万ドル |
事業内容 | 米国、日本、シンガポール、マレーシアなどでのイベントチケットプラットフォームの運営 |
URL | https://peatix.com/ |
※このサイトは取材先の企業から提供されているコンテンツを忠実に掲載しております。ユーザーは提供情報の真実性、合法性、安全性、適切性、有用性について弊社(イシン株式会社)は何ら保証しないことをご了承ください。自己の責任において就職、転職、投資、業務提携、受発注などを行ってください。くれぐれも慎重にご判断ください。