INTERVIEW 業界別起業家インタビュー
国内最大級オークション相場検索サイト「オークファン」運営
世界中の人々があらゆるモノを売買できる時代を創る
株式会社オークファン 代表取締役社長 武永 修一
※下記はベンチャー通信43号(2011年3月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
―経営が厳しい時期もあったのですね。成長の転機はどこにあったのでしょうか。
武永:2005年に「オークファン」の前身である「オークション統計ページ(仮)」の創設者の方と出会えたことです。このサイトはある有名なエンジニアの方が一人でつくったもの。複数のオークションサイトの取引価格を一覧することができ、オークションに出品する人はもちろん、リサイクル店の買取担当にとっても必須のサイトでした。実は私自身も、そのサイトを2001年から毎日のように使っていたんです。
私は会社設立で失敗したことを機に、商品の売買をやるよりも、それを支える仕組みのほうに可能性があると感じていました。金融の世界でいうロイターやブルームバーグのような情報端末のイメージです。そこで、ぜひそのサイトを譲って頂けないかとお願いしたんです。以前から複数の大手企業からも引き合いがあったそうですが、最終的に私たちに譲っていただけることになりました。
私は会社設立で失敗したことを機に、商品の売買をやるよりも、それを支える仕組みのほうに可能性があると感じていました。金融の世界でいうロイターやブルームバーグのような情報端末のイメージです。そこで、ぜひそのサイトを譲って頂けないかとお願いしたんです。以前から複数の大手企業からも引き合いがあったそうですが、最終的に私たちに譲っていただけることになりました。
―なぜ大手企業を断ってまで武永さんに譲ってくれたのですか。
武永:一番の理由は、そのサイトに対する思い入れの強さだと思います。私は毎日を使っていたので、「このサイトは、自分が一番知っている」、「ユーザーはこういう機能があれば便利」という自負があったんです。あと、私は技術には詳しくなかったので、上場企業であるカカクコムの創業メンバー(現在はオークファン取締役)に、当社の技術面を手伝ってくれるように頼みました。サイト創設者の方も「そこまで意気込みがあるなら、任せようかな」と感じてくれたのだと思います。そして2007年に、株式会社デファクトスタンダードから「オークファン」の運営事業だけを分割し、当社を設立したわけです。
―ところで、御社ではどのような人材を求めていますか。
武永:当社には、メディア事業、データ事業、開発、経営管理などさまざまな職種があります。ですから、当社の採用基準はかなり柔軟ですね。新卒・中途はもちろん、国籍を問わず、幅広い人材を採用しています。ただ、どの職種にも共通して求めているのは、高い志と、既存の枠にとらわれない発想。当社の仕事は、これまで誰も踏み込んでいない領域を自分たちでつくっていくことです。前例がないだけに苦労も少なくないでしょうし、今後どこかの国で競合が出てくる可能性もあります。でもそれだけの面白さがあるはずです。新しい領域を自ら切り拓く気概のある人を求めていますね。
―今後、ネットオークション・ショッピング市場はどのように変化していくと考えられますか。
武永:インターネットの発達は、消費行動、ビジネスの流れを変えました。当社では「『あらゆる人』が『あらゆる場所』で『あらゆるモノ』を売り買いできる新たな時代を創る」というビジョンを掲げていますが、まさにそのような時代が実際に到来しつつあります。近い将来「この商品はインドが安いから、そこで買って米国で売ろう」といったことが当たり前になると思います。
―そのような変化に対応するために、御社では、どのようなビジョンを描いていますか。
武永:古来から、人が何かを売買するための判断基準となるのが「情報」です。金融の世界ではロイターやブルームバーグといった情報提供会社があり、世界中の金融のプロが、これらのデータを見て売買の判断をしています。 EC市場も同じく、情報によりモノが動き、お金が動きます。実際にクロスボーダー取引は圧倒的なスピードで増加しています。その中で、当社は世界でも例がない商品版のロイターやブルームバーグでありたいと考えています。両社が提供しているような使い勝手のよいツールの開発も進めています。
また、先ほど当社にはネットオークション・ショッピングの取引価格データが約10億件、7兆円規模あるという話をしました。これを活用することにより、商品の将来価格予想が可能になると考えています。企業が持つ在庫の担保価値や、インターネット消費者物価指数(CPI)の算出も実現性が見えてきています。このような予測を行ったり、ネット取引価格から各国の経済情勢を分析したりする研究機関も設立したいと考えています。そして小売業はもちろんのこと、金融機関、大学、官公庁などでも当社のデータを幅広く活用いただけるよう、サービスをさらにブラッシュアップしていきたいと思います。
また、先ほど当社にはネットオークション・ショッピングの取引価格データが約10億件、7兆円規模あるという話をしました。これを活用することにより、商品の将来価格予想が可能になると考えています。企業が持つ在庫の担保価値や、インターネット消費者物価指数(CPI)の算出も実現性が見えてきています。このような予測を行ったり、ネット取引価格から各国の経済情勢を分析したりする研究機関も設立したいと考えています。そして小売業はもちろんのこと、金融機関、大学、官公庁などでも当社のデータを幅広く活用いただけるよう、サービスをさらにブラッシュアップしていきたいと思います。
PROFILE
プロフィール
武永 修一(たけなが しゅういち)プロフィール
1978年、兵庫県生まれ。2000年、京都大学法学部在学中に個人事業としてオークション事業を始める。2004年に株式会社デファクトスタンダードを設立し、代表取締役社長に就任。2007年に同社から「オークファン」を分割して株式会社オークファンを新設し、代表取締役社長に就任。
企業情報
設立 | 2007年6月 |
---|---|
資本金 | 1億3,637万円 |
従業員数 | 45名(アルバイト・インターン含む) |
事業内容 | メディア事業、データ事業 |
URL | http://aucfan.com/ |
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