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INTERVIEW 業界別起業家インタビュー

株式会社bluena 代表取締役社長 青山 裕太

「自己実現への渇望こそ成長の原動力」と説くベンチャートップの人材育成論

激変するIT業界を生き抜ける人材、そのキャリア形成を支えたい

株式会社bluena 代表取締役社長 青山 裕太

エンジニアの人手不足は深刻化する――。そう言われて久しいIT業界の現状について、「売り手市場から買い手市場へのシフトが始まっている」と指摘する人物がいる。SESや受託開発などの事業を展開するbluena(ブルーナ)の代表、青山氏だ。同氏は、業界の環境変化を鋭敏に捉えながら、「将来も活躍し続けられるIT人材」の育成にこだわり、会社を成長させているという。bluenaが目指す人材育成のありかたや、起業の背景にある想いについて、青山氏に詳しく聞いた。

これから求められるのは、目標へ向かい道を切り拓く力

―事業内容を教えてください。

 エンジニアやデザイナー、ディレクター、プランナーといったIT人材を企業に紹介し、技術力を提供する「SES事業」を主軸としています。このほかにも、IT人材の多様な働き方を支援する「ITエンジニアサポート事業」、フリーランスエンジニアとITプロジェクトをつなぐ「フリーランスエージェント事業」、モバイルアプリなどの開発を請け負う「受託開発事業」も手がけています。

 私たちがこれらの事業を展開する背景には、日本が直面する喫緊の課題があります。総人口は2056年に1億人を下回ると予測され(※1)、労働生産性もOECD加盟38ヵ国中29位と低水準にとどまっています(※2)。この「人口減少」と「労働生産性の低迷」は、あらゆる業界に大きな影響をおよぼすものであり、まさにITの力で解決すべき社会課題だと私は認識しています。我々は、ITという無限の可能性を秘めた分野に人材と技術力を提供することで、そうした社会課題の解決に少しでも寄与しようと、強い使命感をもってビジネスを展開しているのです。
※1 国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(令和5年推計)」
※2 日本生産性本部「日本の労働生産性の動向2024」

―そうした事業を展開するなかで、こだわっていることはありますか。

 当社に加わってくれるIT人材に対して、単なるスキルアップの機会や実務経験を提供するだけでなく、これからのIT業界で活躍し続けるために不可欠な「マインド」の形成を支援することです。具体的には、目まぐるしく変化する環境に臆することなく学び続ける姿勢、不確実な状況下でも試行錯誤を重ねて課題の本質を見つけ出す力。目的や目標に向かって周囲を巻き込み、影響を与えられる、すなわち「リーダーシップ」をもった人材を育成することにこだわっています。このようなリーダーシップは、現代社会の多くの職種に求められるものですが、ことIT業界においては今後、多くの人材に必要不可欠な素養となると考えています。

―詳しく聞かせてください。

 生成AIの登場と普及が示すように、ITの分野は非常に変化が速く激しいものです。日本ではこれまで長く、「エンジニア不足」が社会問題として指摘されてきましたが、実際にはその状況も大きく変化しています。プログラミングのソースコードさえ書ける生成AIが登場したいま、プログラミング言語やフレームワークといった知識だけに頼っていては、IT人材が活躍できる場はどんどん限られていくでしょう。採用において長年「売り手市場」と言われていたこの業界は、いまや「買い手市場」への転換が進んでいるのが現状なのです。私がbluenaを立ち上げた約5年前と比べても、その状況は大きく異なり、いまでは「コーディングさえできればいい」「オフィスへの出社は必要ない」という企業は少数派になりました。絶えず変化し続ける現在の環境に求められるのは、もはや「指示通りに動くエンジニア」ではありません。変化に対応し、目標に向かって自ら道を切り拓くリーダーシップこそ、IT人材に求められるのです。

自己実現を果たすための「選択肢」を与えたい

―青山さんが、IT業界で起業した経緯を聞かせてください。

 自らフリーランスとして、ゲーム業界の企画やディレクションにかかわった経験が、起業のきっかけとなりました。フリーランスとは、組織に属して働くよりも、自らのスキルや能力、判断だけに頼る部分が大きい働き方です。ひとつの自己実現の方法でもありますが、自らのパフォーマンスを十分に発揮できず、クライアントが求める成果を出せなければ、仕事はもらえません。課題を改善したいと考えても、誰もそのための方向性は示してくれません。そんな、孤独な働き方でもあります。それゆえ私も、理想の働き方を追求しつつも自分を支えてくれる人が周りにいないという孤独や不安を痛感してきました。しかし、「理想の自分を実現したい」という、自己実現に対する渇望こそ、将来のIT業界を支えるリーダーシップを育んでいくための原動力になると、私は信じています。そこで私自身、そうした自己実現を目指すIT人材を支える立場になりたいと考え、このbluenaを立ち上げたのです。

―今後のビジョンを教えてください。

 既存の枠組みにとらわれることなく、新しい事業を積極的に立ち上げ、IT人材が自己実現を果たすための「選択肢」を増やしていきたいと考えています。当社はSES事業を核としながらも、現在では自社開発事業もスタートし、実際にITフリーランス向けの案件検索システムなど、独自のサービスもローンチしています。こうした新しい事業やサービスを増やしていくには、当社に加わってくれる仲間が必要です。「IT人材としてキャリアを形成したい」、「新しいことにチャレンジしたい」と考えている方々は、ぜひ一度bluenaの扉を叩いてみてください。
PROFILE プロフィール
青山 裕太(あおやま ゆうた)プロフィール
1990年、長崎県五島列島生まれ。2012年に大学を卒業後、ゲーム開発会社に入社。開発ディレクションに従事する。その後、フリーランスに転身し、2020年までゲーム業界の開発業務に従事。2021年、株式会社bluenaを設立し、代表取締役社長に就任。2023年に明治大学大学院グローバル・ビジネス研究科に入学し、2025年に修了(MBA)。現在は自身のYouTubeチャンネルをもつなど、精力的にSNS活動も行っている。
企業情報
設立 2021年4月
資本金 1,000万円
売上高 約3億6,000万円(2025年3月期)
従業員数 40名(業務委託、アルバイト含む)
事業内容 ITソリューション事業(SES)、ITエンジニアサポート事業、フリーランスエージェント事業
URL https://www.bluena.co.jp/
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