EVENT REPORT イベントレポート
【ベストベンチャー100カンファレンス 2024 Autumn イベントレポート2】昆虫型経営と恐竜型経営"100人の壁突破の要諦"
株式会社プレシャスパートナーズ 代表取締役社長 CEO 髙﨑 誠司
2024年9月13日、完全招待制のイベント『ベストベンチャー100カンファレンス』が18回目の開催を迎えた。これから成長が期待されるベンチャー企業100社を厳正な審査の下に選出する『ベストベンチャー100』企業など、成長企業の経営陣460名が、東京・明治記念館に集まった。当日は、日本を代表するベンチャーの起業家5名のパネリストによる講演を計3回、実施。今回は、「昆虫型経営と恐竜型経営 "100人の壁突破の要諦"」をテーマにしたプレシャスパートナーズの代表取締役社長・髙﨑誠司氏による、2回目の講演内容をレポートする。
求人広告の代理店事業から開始
皆さん、こんにちは。プレシャスパートナーズ代表の髙﨑誠司と申します。今回は、講演の機会をいただき、誠にありがとうございます。まずは、自己紹介を兼ねて、事業、沿革、起業について簡単にご説明させて下さい。
当社は、採用のコンサルティングをしている企業です。人材が定着・活躍して企業に貢献するまでを見守る「理念共感型採用」を軸に事業を展開しています。もともとは求人広告の代理店事業から始めた会社ですが、さまざまな顧客ニーズに応えられるようにしたいと考え、いまでは企業の採用課題を解決するための採用コンサルティング事業に力を入れています。
プレシャスパートナーズの創業は2008年です。今年4月で17期目を迎えました。東京に本社を構えた後、2015年に名古屋支社、2016年に大阪支社、2018年に福岡支社を開設。拠点を増やしながら採用業務の領域を広げ、2023年には東京本社を増床・移転しました。
私が起業しようと思ったのは、前職の大手人材サービス会社に勤めていた際に様々なツールで採用課題を解決したいと思ったのがきっかけです。代理店事業部を立ち上げ、渉外担当として多くの代理店を成長に導くことができ、その後に独立を決意しました。退職の際には社長から「日本一の代理店を目指してほしい」と言っていただけました。そうした前職からのご縁があり、プレシャスパートナーズは求人広告の代理店事業からスタートしました。
当社は、採用のコンサルティングをしている企業です。人材が定着・活躍して企業に貢献するまでを見守る「理念共感型採用」を軸に事業を展開しています。もともとは求人広告の代理店事業から始めた会社ですが、さまざまな顧客ニーズに応えられるようにしたいと考え、いまでは企業の採用課題を解決するための採用コンサルティング事業に力を入れています。
プレシャスパートナーズの創業は2008年です。今年4月で17期目を迎えました。東京に本社を構えた後、2015年に名古屋支社、2016年に大阪支社、2018年に福岡支社を開設。拠点を増やしながら採用業務の領域を広げ、2023年には東京本社を増床・移転しました。
私が起業しようと思ったのは、前職の大手人材サービス会社に勤めていた際に様々なツールで採用課題を解決したいと思ったのがきっかけです。代理店事業部を立ち上げ、渉外担当として多くの代理店を成長に導くことができ、その後に独立を決意しました。退職の際には社長から「日本一の代理店を目指してほしい」と言っていただけました。そうした前職からのご縁があり、プレシャスパートナーズは求人広告の代理店事業からスタートしました。
外部機関の認定取得に注力
その後、前職の社長の期待に応え、2020年には前職の大手人材サービス会社の求人広告の販売代理店として、「プラチナTOPパートナー」の認定を受けました。「プラチナTOPパートナー」に選ばれたのは、数ある代理店の中でプレシャスパートナーズだけです。
また、求人広告の販売代理店の認定に加え、他の機関の外部認定の取得にも力を入れました。例えば、世界最大級の意識調査機関であるGreat Place To Work®から「働きがい認定企業」「働きがいのある会社」を取得。直近の2024年では、厚生労働省の「えるぼし認定(3つ星)」、公益社団法人・全国求人情報協会の「優良募集情報等提供事業者」、経済産業省・日本健康会議の「健康経営優良法人2024(中小規模法人部門)」を取得しました。
また、求人広告の販売代理店の認定に加え、他の機関の外部認定の取得にも力を入れました。例えば、世界最大級の意識調査機関であるGreat Place To Work®から「働きがい認定企業」「働きがいのある会社」を取得。直近の2024年では、厚生労働省の「えるぼし認定(3つ星)」、公益社団法人・全国求人情報協会の「優良募集情報等提供事業者」、経済産業省・日本健康会議の「健康経営優良法人2024(中小規模法人部門)」を取得しました。
新卒採用と育成で恐竜の脊椎をつくった
こうした外部認定によって社会的な信用性を高め、従業員数が200人ほどの企業に成長しましたが、創業期から拡大期に移行する際の100人の壁の突破が非常に苦労しました。どのように課題を乗り越えたのか、創業期と拡大期に分けて詳しく説明したいと思います。
まず、創業期は、従業員5人から始め、求人広告の代理店事業で順調に業績を伸ばしながら、徐々に人員を増やしていきました。最初に課題を感じたのは、従業員が30人を超えたあたりからです。経営側と従業員の間に、意識のギャップが生まれたのです。私としては「従業員一人ひとりを成長させ、管理職を増やすとともに、幹部候補を育てながら会社を拡大していこう」と考えていました。ところが、そうした過度な期待が従業員との溝を深め、コロナによって業績が伸び悩んだこともあり、従業員からは「本当にプレシャスパートナーズは成長するのか」と不安を感じさてしまっていたのです。その結果、退職者が増え、人材が定着しないという事態を招きました。それがきっかけとなり、単に規模を拡大して100人の壁を突破するだけではなく、どのようにして存在意義と経営方針を示していくべきなのか、深く考えるようになりました。同時に、新卒採用にも注力し、幹部候補を育てることにも注力しました。将来的な経営を支える人材の育成は、企業の存続には欠かせません。新卒にこだわったのは、他社を経験した中途よりも、白紙の状態から仕事を始める新卒のほうが経営理念が浸透しやすいですし、共通の価値観を承継できると思ったからです。
こうした点を踏まえ、規模拡大の方針を変えることはなく、前職の大手人材サービス会社の組織論を手本にしながら運営をしました。前職の大手人材サービス会社は、新卒採用を含めて従業員のエンゲージメントを高めることに成功していたからです。私が入社した頃は70人ほどの会社でしたが、退職するころには800人もの規模にまで拡大していました。また、組織論については、リクルートご出身でリンクアンドモチベーションの会長をされている小笹さんが提唱している「恐竜型経営」にも相通じるところがあると思っています。具体的には、規模拡大の方針はもちろんですが、組織づくりを脊椎動物である恐竜の生態に例えているところ。その対極にあるのは、経営者ひとりでマネジメントする「昆虫型経営」です。昆虫は、硬い殻が内臓を圧迫するので、一定規模以上の大きさになれません。プレシャスパートナーズの場合は、優秀な人材の採用と育成に力を入れ、脊椎を育てて殻を破りながら拡大する方針でいましたから、まさに「恐竜型経営」を目指していた訳です。
まず、創業期は、従業員5人から始め、求人広告の代理店事業で順調に業績を伸ばしながら、徐々に人員を増やしていきました。最初に課題を感じたのは、従業員が30人を超えたあたりからです。経営側と従業員の間に、意識のギャップが生まれたのです。私としては「従業員一人ひとりを成長させ、管理職を増やすとともに、幹部候補を育てながら会社を拡大していこう」と考えていました。ところが、そうした過度な期待が従業員との溝を深め、コロナによって業績が伸び悩んだこともあり、従業員からは「本当にプレシャスパートナーズは成長するのか」と不安を感じさてしまっていたのです。その結果、退職者が増え、人材が定着しないという事態を招きました。それがきっかけとなり、単に規模を拡大して100人の壁を突破するだけではなく、どのようにして存在意義と経営方針を示していくべきなのか、深く考えるようになりました。同時に、新卒採用にも注力し、幹部候補を育てることにも注力しました。将来的な経営を支える人材の育成は、企業の存続には欠かせません。新卒にこだわったのは、他社を経験した中途よりも、白紙の状態から仕事を始める新卒のほうが経営理念が浸透しやすいですし、共通の価値観を承継できると思ったからです。
こうした点を踏まえ、規模拡大の方針を変えることはなく、前職の大手人材サービス会社の組織論を手本にしながら運営をしました。前職の大手人材サービス会社は、新卒採用を含めて従業員のエンゲージメントを高めることに成功していたからです。私が入社した頃は70人ほどの会社でしたが、退職するころには800人もの規模にまで拡大していました。また、組織論については、リクルートご出身でリンクアンドモチベーションの会長をされている小笹さんが提唱している「恐竜型経営」にも相通じるところがあると思っています。具体的には、規模拡大の方針はもちろんですが、組織づくりを脊椎動物である恐竜の生態に例えているところ。その対極にあるのは、経営者ひとりでマネジメントする「昆虫型経営」です。昆虫は、硬い殻が内臓を圧迫するので、一定規模以上の大きさになれません。プレシャスパートナーズの場合は、優秀な人材の採用と育成に力を入れ、脊椎を育てて殻を破りながら拡大する方針でいましたから、まさに「恐竜型経営」を目指していた訳です。
MVVの体現で社内外の意識を変えた
次に拡大期の課題は、「ミッション」「ビジョン」「バリュー」のいわゆるMVVの体現でした。特に注視したのは、目標と行動が一致しているかどうか。コロナの影響を受けて厳しい状況の中で、今一度MVVを振り返る機会があったのです。私たちのMVVは「顧客にとって、かけがえのないパートナーであり続けること」を表明していながら、経営が厳しくなったら自分たちの利益ばかり考えるようでは説得力がありません。そこで、私から1つ提案をすることに。主要な取引先であった飲食店は休業する店が多かったため、私たちから「コロナ禍が明けて営業が再開したら飲みに行くので、休業中はボトルをキープさせて下さい」と顧客に声をかけることにしました。その姿勢と行動は社内外から共感が得られ、顧客との良い関係を構築するだけではなく、従業員のエンゲージメントを高めたのです。
その一方では、創業期に採用した新卒人材が育ち、拡大期には幹部候補として大きな戦力になっていました。幹部候補の存在は、樹木の年輪のように強い幹となり、一緒に働いている周囲の従業員にも良い影響を与え始めたのです。幹部候補がロールモデルとなり、後輩を育てる環境が出来ていきました。その後、徐々に規模を拡大し、50人を超えたあたりから新卒の応募が増えていったのです。そして、当初から目標にしていた100人を突破するには、企業としての将来性はもちろんのこと、社会的信用度のほか、福利厚生などの充実が必要だと実感しました。就活生からしてみると、100人規模の企業は大手企業と同一として見比べる傾向があるからです。ですが、100人を突破して経営が安定してからは、意外にも200人ほどに拡大するのはスムーズでした。実際、100人から200人規模に拡大したのは、2019年から2024年までのわずか5年間で実現しています。
その一方では、創業期に採用した新卒人材が育ち、拡大期には幹部候補として大きな戦力になっていました。幹部候補の存在は、樹木の年輪のように強い幹となり、一緒に働いている周囲の従業員にも良い影響を与え始めたのです。幹部候補がロールモデルとなり、後輩を育てる環境が出来ていきました。その後、徐々に規模を拡大し、50人を超えたあたりから新卒の応募が増えていったのです。そして、当初から目標にしていた100人を突破するには、企業としての将来性はもちろんのこと、社会的信用度のほか、福利厚生などの充実が必要だと実感しました。就活生からしてみると、100人規模の企業は大手企業と同一として見比べる傾向があるからです。ですが、100人を突破して経営が安定してからは、意外にも200人ほどに拡大するのはスムーズでした。実際、100人から200人規模に拡大したのは、2019年から2024年までのわずか5年間で実現しています。
一人3億円の生涯収入を保障する覚悟が必要
とはいえ、規模拡大を根幹で支える幹部候補を育てるまでには、相応の時間が掛かりました。この点を踏まえると、創業期から経営方針に共感する人材を探し、「ベンチャーに興味があり、自分の力を試したい」という意欲的な層を取り組んだことが正解だったと思っています。そして、個人的には、一人の人財を育てるために、生涯収入は最低3億円を保障する覚悟が必要ではないかと思っています。そのくらいの感覚で取り組み、経営者自ら会社の理念や方針に共感してくれる人材を選ぶことが非常に大事だと思います。「恐竜型経営」の脊椎を育てることになりますから。
新卒から幹部候補になった人材の事例を挙げてみると、会社の顔として最前線に立ち、模範となる行動を示して周囲に良い影響を与えた広報担当者がいます。2013年に採用した後、営業をしていたのですが、経営側の仕事に携わる広報を希望したので異動させました。非常に優秀で成長が早い人材だと思っていますが、それでもロールモデルになって活躍するまでに7年ほど掛かっています。
新卒から幹部候補になった人材の事例を挙げてみると、会社の顔として最前線に立ち、模範となる行動を示して周囲に良い影響を与えた広報担当者がいます。2013年に採用した後、営業をしていたのですが、経営側の仕事に携わる広報を希望したので異動させました。非常に優秀で成長が早い人材だと思っていますが、それでもロールモデルになって活躍するまでに7年ほど掛かっています。
幹部候補に事業を承継したい
この先、私が引退を迎える時期が来たら、プレシャスパートナーズの理念を体現している幹部候補者に事業を承継するつもりでいます。事業承継というと、M&Aならともかく、信頼性を重視すると同族経営を考えがちではないでしょうか。ですが、同族経営が必ずしも正解だとは思っていません。大事なのは、同じ環境で一緒に育ち、経営方針を含めてカルチャーを承継する人材を育てることではないかと。そのように考えているので、私はプレシャスパートナーズの経営方針や組織風土を社内の幹部候補に引き継いでもらいたいと考えています。これから手塩にかけて育てた「恐竜」が、プレシャスパートナーズの未来を切り拓き、更なる発展に導いてくれることを大いに期待していますね。
PROFILE
プロフィール
髙﨑 誠司(たかさき せいじ)プロフィール
大学を卒業後、不動産会社に入社し営業を経験。その後、2004年に大手人材サービス会社に入社し、営業を経て代理店事業部の立ち上げに携わる。渉外担当として多くの代理店を拡大・成長させ、現在のトップパートナーまで数社導く。その後、2008年に株式会社プレシャスパートナーズを設立し、人材採用に関するさまざまなサービスを展開。「採用」するだけではなく、その先の"入社した人材が定着・活躍して企業に貢献すること"までを見据えた、「理念共感型採用」を提唱。「仕事を通じて人々の人生を豊かにする」のミッションのもと、日本経済を支える多くの企業に日々貢献している。
企業情報
URL | https://www.p-partners.co.jp/ |
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