累計経営者579人に取材、掲載社数317ニッポンを創るビジョナリーベンチャーを紹介

IT業界の起業家インタビュー

株式会社clover 代表取締役社長 角川 祐司

IT人から笑われようが、自分がやりたいこと、おもしろいことをやり通そう

株式会社clover 代表取締役社長 角川 祐司

ITベンチャーといえば、“急成長”をめざす企業が多い。そんななか、「成長よりも社員全員のハッピーを追求する」と、風変わりなことを言うIT起業家がいる。clover代表の角川氏だ。Webに強みをもつ開発会社として、10年の長きにわたり、顧客の信頼をかちとってきた。そんな同氏がいま、自社サービスの立ち上げという新たなチャレンジに乗り出し、「ともに新ビジネスをつくってくれる仲間」を求めている。新事業の構想と求める人財像などについて、同氏に聞いた。

お客さまに寄りそうWeb業界の名医になる

―cloverはWeb制作、SEO・リスティング広告などのWebプロモーション、業務管理や勤怠管理などのシステム開発をメインとして、設立から11年目を迎えたそうですね。短命に終わるITベンチャーも少なくないなか、継続経営を実現できている理由はなんでしょう。

 ありきたりな言葉かもしれませんが、「お客さまのために全力をつくす」を貫いてきたことです。「どうやったらお客さまの課題を解決できるか」「どんなITならお客さまのビジョンを実現できるか」ということだけを考え、ひたすら目の前の仕事に取り組む。「その積み重ねによって、ここまで来た」というのが正直なところです。

 真摯にお客さまに向きあってきた結果、広告代理店、大手メーカー、テレビ局、医療機関、地域に根ざした不動産会社まで、幅広い業種・企業規模のお客さまから信頼していただけた。創業からずっとおつきあいしてくださっているお客さまも少なくありません。「Web業界の名医を目指す」というcloverの創業理念を、少しは実現できているかもしれませんね。

―名医、というと?

 じつは、私は医療ドラマが大好きなんです(笑)。ほら、離島の診療所だったり、タイムスリップした先の江戸時代だったり、困難な状況で最後まであきらめず、患者さんのために全力をつくす医者を主人公としたドラマがありましたよね。そんな姿に自分を重ね、「Web業界における名医のような存在になりたい」と思い、会社を立ち上げたんです。

 大病院ではなく、町のお医者さんかもしれない。でも、それだけにしっかりお客さまと向きあうことができる。たとえば、「お客さまの先にいるお客さま」のことを考えた開発をすること。お客さまが広告代理店ならば広告を見る人、不動産会社ならば物件に入居する人という具合に、エンドユーザーの視点に立つことで、お客さまのビジネスの成功につながる開発をする。それを心がけています。次から次へと患者さんに対応していく大病院だと、処方せんを書くだけ、ということになりがち。そうではなく、患者さんの生活改善のアドバイスをするなど、健康に生きていくことにつながる対応をしたいんです。それが、「Web業界の名医」という言葉の意味です。

企業の成長より社員のハッピーを追求する

―なるほど、よくわかりました。長年、お客さまと真摯に向きあううちに、「こういう症状の場合は、こう対処するのが最善だ」というノウハウが磨かれ、名医になっていったんですね。では、これからも業績は安定して推移しそうですね。

 ええ、おかげさまでこの規模の会社にしてはクライアントの数が多いですし、経営は安定しています。でも、安定しているからこそ、いままでやったことのない分野で、自分たちがワクワクする仕事に挑戦したいと思っています。

―そうなんですね! 具体的な内容を教えてください。

 自社サービスを立ち上げます。複数のメディアサイトを開設することを考えています。ひとつの案として、インタビューサイトの構想があります。「この人すごいなあ。おもしろいなあ」と思う経営者であったり、各分野で活躍する方々などに登場してもらい、その人物像を掘り下げ、読みごたえのあるサイトをつくりたい。

 それ以外にも社員のみんなにどんどんアイデアを出してもらい、カタチにしていくつもりです。みんながやりたいものをつくっていく。社員が楽しいと思えるサービスであれば、どれだけもうかるかはそれほど気にしません。

―えっ。利益の出る事業を増やすために始めるのではないのですか。

 いいえ。企業成長のためというよりも、社員の幸せのために新事業を始めるのです。お客さまのご要望にこたえていく開発の仕事もおおいにやりがいがありますが、自分のアイデアをゼロからカタチにしていくのは、また別のおもしろさがありますよね。社員たちに、そういう楽しさを味わってもらいたいんです。なにしろ、ウチの社員たちはとことん楽しむメンバーが多いですから。

仕事も遊びもとことんやり抜く

―どんなメンバーが在籍しているのでしょう。

 たとえば、あるエンジニアの男性。お客さまから頼まれたWebデザインのことを朝からずっと考えていて。深夜になってから、「いいデザインを思いつきました!」と、うれしそうに私にメール報告してきたんです。「アイツ、朝からこんな時間まで、デザインのことばかり考えていたのか。バカだなあ」と思いつつも、そんな社員がかわいくて仕方ないですね。

 仕事に限りません。筋トレにハマってしまって、短期間にボディビルダーのように筋肉隆々になってしまったメンバーがいます(笑)。仕事にしろ、プライベートにしろ、やるなら、とことんやってしまう。そんな社員が多いですね。

―すごい…(笑)。そんな個性派が集まっているわけですから、職場の雰囲気はきっと楽しいんでしょうね。

 そうかもしれませんね。昨年、みんなでホノルルマラソンに出場し、おおいに盛り上がりました。費用は会社もち。みんなそれぞれ納期の決まった仕事を抱えているわけですが、なんとかやりくりして、無事、全員でハワイに行けました。来月はみんなでタイに社員旅行に行きますが、さて、時間調整ができるか心配です(笑)。

失敗は笑い話にしてしまえばいい

―新規事業を始めるのであれば、エンジニアや営業など、新たな人財が必要になりそうですね。

 必要ですが、職種としては「事業開発」が近いですね。私と一緒に新サービスの企画を立案し、立ち上げから運営までを担当してもらいたい。会社として初めてのチャレンジになるので、私が正解をもっているわけではない。ですから、私の指示を待って動くのではなく、自分で考えて動けるタイプの人がいいですね。私自身、起業する前の会社員時代から「最後には結果を出すから、プロセスは自由にやらせてくれ」というタイプ。ラッキーなことに会社員時代の上司がとてもいい人で、私をほうっておいてくれた。それでノビノビと仕事ができた。そういう経験を、これからジョインしてもらう新事業担当者にもさせてあげたいですね。

 実際、当社は社員に時間の使い方を任せています。納期や品質についてのゴールさえ明確に共有できていれば、どの道を走るかは本人が決めればいい。日報など、プロセスを報告する仕組みはありません。完全に任せきっています。社員は僕より優秀な人たちばかり。彼ら・彼女らが「これはできません」というのなら、そうなんですから、認めていますよ。

―新たに募集するのは、Webサイトの立ち上げ経験のある人財でしょうか。

 いいえ。スキルや経験はあるにこしたことはありませんが、それよりも「新たなことにチャレンジしたい!」という意欲と、人間性を重視して採用します。人間的な魅力といいますか、「この人と話していると心地いいな」とか「言葉がひびくな」という人。それってビジネスではけっこう大事なことだと思います。

―最後に、新たにジョインする未来のメンバーも含めて、仲間へのメッセージをお願いします。

 私は、社員全員に経営者・事業家になってほしいと思っています。言われたことだけをやっていては経営者・事業家にはなれない。自分から発信して、まわりを巻きこみながら新しい事業を動かしていってほしい。

 失敗したっていいんです。「全然ダメだったなあ」と笑い話にしてしまえばいい。そして、情熱をもってやり続けることができれば、最後には成功するはず。Webメディアを立ち上げても、すぐに結果は出ないでしょう。でも、5年、10年続けたら必ずなにかは残せると信じています。大事なことは、社員が楽しいと感じる事業をやることなんです。

 常識はずれでもいい。他人から見たら、「アイツ、バカなことやってんな」くらいでいい。他人から笑われようがなにをしようが、自分のやりたいことを実現させる。そのために、会社を“道具”として使ってほしい。「ひとりではできないけれど、会社という道具を使えばできる」ということが、たくさんあるはずですから。

角川 祐司(すみかわ ゆうじ)プロフィール

1977年、愛媛県生まれ。埼玉工業大学工学部を卒業後、広告代理店、東証一部上場ネット企業勤務を経て、「Web業界でお客さまに寄りそう名医のような存在になりたい」と独立。2009年、Web開発を手がける株式会社cloverを設立、代表取締役社長に就任。栄枯盛衰の激しいIT業界にあって、10年以上の長きにわたり、大手企業を含む顧客の信頼を積み重ねている。

企業情報

設立 2009年9月
事業内容 Web制作、SNS、SEO・リスティング広告、顧客管理システムの開発など
URL http://www.clover-inc.jp/

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