INTERVIEW 業界別起業家インタビュー
時代を変えられるほどインパクトある企業にしたい
株式会社ディー・エヌ・エー 創業者 南場 智子
ディー・エヌ・エーの快進撃が止まらない。2008年3月期の売上高は297億円、経常利益128億円と3期連続で2倍以上の成長率を達成。さらに2007年末には東証一部への上場も果たした。そんな同社の歴史は新規事業立ち上げの歴史でもある。2004年の「モバオク」や「ポケットアフィリエイト」、2006年の「モバゲータウン(以下、モバゲー)」や「ネッシー」、2007年の「趣味人倶楽部」など、同社は斬新な新規事業を立ち上げ続けている。これら新規事業の成功が、同社の成長を強烈に牽引してきた。今回、10ページにわたり特集を組み、ディー・エヌ・エーの“新規事業の創造力”を徹底取材した。まずはトップバッターとして社長の南場に話を聞いた。
※下記はベンチャー通信35号(2008年11月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
―ディー・エヌ・エーと言えば「モバゲー」が有名ですが、御社では他にも多くの新規事業を立ち上げています。もともと「モバゲー」も数ある新規事業の一つだったそうですね。
南場:はい。「モバゲー」は現場の社員が立ち上げた新規事業です。「モバゲー」は立ち上げから2年半が経った現在も進化を続けています。たとえば最初「モバゲー」は無料ゲームと※SNSによる広告ビジネスしか行っていませんでした。しかし現在は「モバゲー」からケータイ小説が出版されたり、高品質ゲームによるアイテム課金など、新しいビジネスモデルが生まれています。当社では既存事業も新規事業の一つと捉えています。ですから「モバゲー」の中でも絶えず創造と破壊が繰り返されているわけです。
―なるほど。御社ではどんな事業も新規事業だと捉えているんですね。ちなみに御社では現場から新規事業が生まれているそうですが、それを実現できている理由は何ですか?
南場:当社が個人の才能を最大限に発揮できる組織をつくっているからだと思います。よく会社はピラミッド型組織に例えられますが、私は当社を"球体"のように捉えています。イメージとしては、上下のヒエラルキーのない完全な球体。
当社では社員一人ひとりがその球体の表面積を担って、陰に隠れる人は一人もいません。まだ仕事を覚えていない新米社員にも表面積を担ってもらいます。非常に小さな面積かもしれませんが、まずは信じて任せることが大事だと思っています。
そして当社では社員の年齢や社歴に関係なく、実力に応じて際限なく仕事を任せています。当社では「これをやったらダメ」という制限は一切ありません。実際、他社との業務提携なども現場の社員が主導して行っています。当社の社員はまるでプロデューサーのように、当社にある「ヒト・モノ・カネ・情報」の経営リソースを最大限に活用しています。社長の私自身も「ヒト」のリソースとして、しょっちゅう現場社員に駆り出されていますよ(笑)。「このシンポジウムに来て、こういうことを話してください」とか「この打ち合わせに同席してください」とか。
当社では社員一人ひとりがその球体の表面積を担って、陰に隠れる人は一人もいません。まだ仕事を覚えていない新米社員にも表面積を担ってもらいます。非常に小さな面積かもしれませんが、まずは信じて任せることが大事だと思っています。
そして当社では社員の年齢や社歴に関係なく、実力に応じて際限なく仕事を任せています。当社では「これをやったらダメ」という制限は一切ありません。実際、他社との業務提携なども現場の社員が主導して行っています。当社の社員はまるでプロデューサーのように、当社にある「ヒト・モノ・カネ・情報」の経営リソースを最大限に活用しています。社長の私自身も「ヒト」のリソースとして、しょっちゅう現場社員に駆り出されていますよ(笑)。「このシンポジウムに来て、こういうことを話してください」とか「この打ち合わせに同席してください」とか。
※SNS:Social Networking Serviceの略。人と人のつながりを促進・サポートするコミュニティ型の会員制サービスのこと。
―御社では昨年度も多くの新規事業を立ち上げたと聞きました。新規事業を立ち上げる際の基準は何ですか?
南場:大きく分けて3つ。1つ目は、「事業規模のポテンシャルの大きさ」。当然、事業規模が大きくなるほど、社会に与えるインパクトも大きくなります。また利益も大事で、利益の額はどれだけ世の中に役立ったかという「通信簿」だと私は考えています。
2つ目は、「その市場でNo.1になれるか」。No.1になれば、戦略的自由度も高まると同時に収益性も高まります。逆にNo.2以下だと、非常に苦しい戦いを強いられる。かつて当社もオークションサイト「ビッダーズ」が、ヤフーさんと楽天さんに阻まれてNo.1をとれずに苦労しました。そしてNo.1になるために重要なのが、まだ強力な企業がいない未開拓の市場に参入することです。
最後の3つ目は、「その事業をやりたくてたまらない人が社内にいるか」。3つの中で、これが最も重要だと私は思います。新規事業がいったん実行段階に入ると、想像もしていなかったような壁が次々と現れます。もうそれこそ、1日に1000回くらい。さすがにやめたくなる(笑)。この壁を乗り越えるには、本気でこの事業をやりたいという強い想いが必要です。
2つ目は、「その市場でNo.1になれるか」。No.1になれば、戦略的自由度も高まると同時に収益性も高まります。逆にNo.2以下だと、非常に苦しい戦いを強いられる。かつて当社もオークションサイト「ビッダーズ」が、ヤフーさんと楽天さんに阻まれてNo.1をとれずに苦労しました。そしてNo.1になるために重要なのが、まだ強力な企業がいない未開拓の市場に参入することです。
最後の3つ目は、「その事業をやりたくてたまらない人が社内にいるか」。3つの中で、これが最も重要だと私は思います。新規事業がいったん実行段階に入ると、想像もしていなかったような壁が次々と現れます。もうそれこそ、1日に1000回くらい。さすがにやめたくなる(笑)。この壁を乗り越えるには、本気でこの事業をやりたいという強い想いが必要です。
―御社で新規事業を立ち上げる人は、どんなタイプの人材ですか?
南場:まず突出して優秀な人。もちろん優秀さにも多種多様の優秀さがあります。クリエイティブ能力に優れている人や、事業戦略に優れている人。言い換えれば、何か一芸に秀でた才能を持っている人のことです。また、ベースの部分にチャレンジ精神のある人。既存の常識に支配されずに、常に自分の頭で考え、果敢にチャレンジしていく。当社に評論家はいりません。自ら行動できる人でなければ、どれだけ素晴らしい能力を持っていても、宝の持ち腐れになってしまいます。
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