INTERVIEW 業界別起業家インタビュー
つねに新しいサービスを生み出し続けるIT起業家
世界で勝てるチームの一員になろう
株式会社ディー・エヌ・エー 取締役ファウンダー 南場 智子
※下記はベンチャー通信57号(2014年7月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
―周囲にあわせることをよしとする企業が多いと思います。
南場:私たちは違います。チームリーダーの考えにみなが従うだけなら、メンバーの存在意義がない。反対を受けて考えを見直す機会がないから、間違えるリスクも高くなります。なぜチームを組むのかといえば、リーダーとは違う強みがあったり、違う見方ができるメンバーを集めることで、意見を戦わせられるからです。その話しあいのプロセスがあるから、最終的な結論にみんなが納得し、心から力をあわせることができます。
―年齢や役職は関係ないという風土なんですね。
南場:若い人にしか見えないものを、大人はもっとリスペクトすべきです。いま、私は内定者と一緒に新卒採用プロジェクトの企画を練っています。ターゲットとなる学生にいちばん近い感覚をもっているのが、内定者なのは明らかですから。また、DeNAでは経営会議の承認がなくても、現場のアイデアをカタチにして市場に出すことを認めています。それでユーザーに支持されたら、応援部隊の投入や追加の投資をする。若いメンバーがどんどんアイデアを市場で試しています。
―経験のない若手に仕事をまかせると、失敗するリスクが高いのではありませんか。
南場:ええ。でも、仮に失敗しても、仕事をまかせれば確実にその人は成長します。失敗のリスクはとってもいいが、「人が成長しない」というリスクは絶対に避けなければいけない。どんどん仕事をまかせて、どんどん成長してもらうことで、企業が成長していくと考えています。
―今後、世界的メガベンチャーへと成長していくための戦略を聞かせてください。
南場:グローバルでの人材採用を進めます。世界中から優秀な人材を集めて"ドリームチーム"を結成しなければ、世界では勝てません。今後は採用対象をグローバル規模に広げていきます。そんな"ドリームチーム"がお互いに意見を戦わせ、市場にアイデアをどんどん出していく。そのなかから、世界中のユーザーが喜び、世界中にインパクトを与えられるサービスを生み出せる。そう確信しています。
―進路に悩む若者にアドバイスをお願いします。
南場:「○○社の社員です」なんていう肩書きがなくなっても、個として生きていける人材になってほしい。そのためにも職場選びは大事です。大きな組織にありがちなのが、その組織のなかでだけ通用する知識を身につけるのにエネルギーをついやしてしまうこと。社内のだれに声をかければ稟議が通りやすいとか。そんなもの、一歩外に出ればまったく通用しません。
―組織の論理が優先される企業は避けたほうがいいのですね。
南場:ええ。DeNAではよく「コトに向かう」といいます。組織の論理に関係なく、純粋に事業の目標を達成するために、全員が全力でがんばるという意味です。つまらないしがらみにエネルギーを消費しない。資金力もブランド力もある大企業にベンチャーが勝てる理由はそこにあると思います。だからみなさんも、純粋に仕事に集中できる環境を選ぶべきです。たくさん挑戦して、失敗もして、きたえられていく職場を見つけてください。そして、自分が情熱をもってなにかやろうと立ち上がったとき、それを実現できる力を磨いてほしいですね。
※このサイトは取材先の企業から提供されているコンテンツを忠実に掲載しております。ユーザーは提供情報の真実性、合法性、安全性、適切性、有用性について弊社(イシン株式会社)は何ら保証しないことをご了承ください。自己の責任において就職、転職、投資、業務提携、受発注などを行ってください。くれぐれも慎重にご判断ください。