ベンチャー通信Online > 起業家インタビュー > 著名起業家 > 株式会社ドリームインキュベータ 代表取締役会長 堀 紘一

INTERVIEW 業界別起業家インタビュー

株式会社ドリームインキュベータ 代表取締役会長 堀 紘一

未来のホンダやソニーを100社創出させる

日本のベンチャーに”知恵”を提供

株式会社ドリームインキュベータ 代表取締役会長 堀 紘一

※下記はベンチャー通信27号(2007年9月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

―アメリカなどでは優秀な人ほど起業すると聞いたことがあります。

堀:そうですね。例えばハーバード大学のビジネススクールで最も優秀な学生は起業を選びます。その次に優秀な学生が大企業に就職することを選び、そして最後が役人になる。日本では全く逆ですね。優秀な人ほど、役所や大企業に入ろうとする。そこに入れない人が、ベンチャーに就職するわけです。もちろん最近は優秀な人でもベンチャーに就職するケースも出てきているそうですが、その数はまだまだ少数です。

―どのようにしてベンチャー支援をしているのですか?

堀:事業の成功の可否は、お金ではなく“知恵”で決まります。ビジネスの原料はお金ではなく、実は“知恵”なんです。この知恵の部分を提供するのが当社の役割です。また今の世の中、お金は余っているんですよ。事業を始めたいと思えば、ある程度まともなベンチャーならお金を集めることは簡単です。
 ホンダやソニー、日本電産の創業期の頃なんかは金策の話ばかりだったので、それに比べると今はすごく恵まれていると思いますね。  最近※IPOするベンチャーを見ていて思うのが、経営に“知恵”が不足しているなということ。IPOした時点では華やかですが、その後に寝たきり法人になってしまう。つまり成長が止まって、人々の記憶にも残らなくなってしまう。そんな企業が本当に多い。これではIPOした意味も全くない。そうならないために、経営に“知恵”が必要なんです。当社では、筋のいいベンチャーがあれば、未上場の頃から“知恵”の部分をトータルでサポートし、その会社が東証一部に上場するまで継続的にお付き合いしていくモデルをとっています。そして、当社自身も人に教えるだけでなく手本を見せるということで、2000年6月に設立した後、その1年11ヵ月後に東証マザーズにIPOして、その後3年で東証一部にあがりました。自分たち自身も実践しないと、説得力もないですからね(笑)。
※IPO(株式上場):Initial(最初の)Public(公開の)Offering(売り物)の略で、未上場企業が新規に自社の株式を証券取引所に上場する直前に、投資家に株式を取得させることを言う。これまで特定の個人や法人しか株式を保有していなかった未上場企業が、不特定多数の投資家から資金調達を行うにあたり、一般の投資家に株式を取得させることを目的とする。

―堀さんがベンチャーを見極める時、どこの部分を見るんですか?

堀:いくつかありますが、まずビジネスモデルを見ます。差別化できているビジネスモデルかどうか。決定的な差別化要因がないと、競争になった時に規模の大きな企業が勝つので、規模の小さなベンチャーは生き残れません。また、たとえ差別化されていても他社が真似しにくいかどうかも重要な要因です。儲かるビジネスは、必ず真似する会社が現れますから。そして、ビジネスモデルに付け加えて、資金の回収エンジンがあるかどうかも大事です。どんなにそのビジネスモデルが画期的でもお金を回収する仕組みがなければうまくいきません。
※このサイトは取材先の企業から提供されているコンテンツを忠実に掲載しております。ユーザーは提供情報の真実性、合法性、安全性、適切性、有用性について弊社(イシン株式会社)は何ら保証しないことをご了承ください。自己の責任において就職、転職、投資、業務提携、受発注などを行ってください。くれぐれも慎重にご判断ください。