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INTERVIEW 業界別起業家インタビュー

株式会社Doggys 代表取締役CEO 松本 裕斗 / 取締役CTO 加藤 清二

高い技術力と「必ずやり抜く」姿勢で信頼を積み重ねるITベンチャーの志

顧客の困りごとに徹底的に寄り添い、低コスト・高品質でシステムを開発

株式会社Doggys 代表取締役CEO 松本 裕斗 / 取締役CTO 加藤 清二

DX推進のため、企業によるシステム開発ニーズは非常に高まっている一方で、ITエンジニアの人手不足は深刻。開発案件が途中でストップするなど、“炎上”するケースも多い。そのなかで、顧客のどんな困りごとにも向き合い、高度な技術力によって課題を解決することで開発元から絶大な信頼を寄せられているのがDoggysだ。同社CEOの松本氏は「お客さまに徹底して寄り添う」と話す。なぜそうした開発姿勢を貫けるのか。同社CTOの加藤氏を交えて、話を聞いた。

開発コストを抑制するため、海外の新ツール活用を提案

―事業内容を教えてください。

松本:おもにWebサービスの受託開発を手がけています。たとえば、古物商向けのオークションサービス。腕時計やブランドバッグ、宝石などの高級商品の売買をWeb上で行えるシステムの構築・保守・改修に携わりました。BtoB向けサービスだけでなく、BtoC向けのサービスも手がけています。たとえばイベントの出欠確認や日程調整が手軽にできる、幹事さん向けのWebサービスを開発しました。また、AIを活用して作成したバーチャルアイドルとチャットを楽しめるサービスなど、エンタメ分野も含めて幅広く手がけています。

―Doggysの強みはなんでしょう。

松本:企画段階から開発プロジェクトに参画して、要件定義から設計、デザイン、保守まで一気通貫で携われる点です。大型案件に関しても、外部委託者の力を借りることもありますが、当社が全責任を持って、オールインワンで開発を担います。大型案件では、複数の開発会社が工程ごとに受託するのが一般的です。しかし、当社のようにオールインワンで請け負うことで、開発速度を高めることができます。

加藤:オールインワン体制をとることで、コスト抑制に寄与できる点について、特にお客さまから高い評価をいただいています。また、お客さまの困りごとを直接、Doggysがヒアリングして、それに対する解決策を提案できるのも強みです。そうした提案により、さらに開発コストを低減できた事例もあります。ライブ配信で商品を販売する「ライブコマース」の開発案件で、お客さまは定番のクラウド型動画配信サービスの導入を検討。しかし、お客さまの事情で、「さらに開発費用・運用費用を抑える方法はないか」と私たちに相談があったのです。そこでDoggysが提案したのが、別の海外ベンダーが提供する動画配信SDK(※)を利用することでした。まだ、日本ではほとんど知られていないものです。そのサービスを活用すれば、開発費用はさらに半減できます。お客さまからは「大幅なコスト削減が実現し、大変ありがたかった」と感謝されました。このように、私たちはお客さまの困りごとを解決できるだけのテクノロジーの知識とエンジニアリングのスキルを持っています。それがお客さまからの信頼獲得につながっているのでしょうね。
※SDK : ソフトウェア開発キットの略称。ソフトウェアの開発に必要なプログラムやドキュメントなどをパッケージ化したものをいう

前職の案件で技術者が離脱。それでもひとりでやり抜いた

―Doggysが経営で大事にしている考えを教えてください。

松本:お客さまの困りごとに徹底して寄り添うということです。そして、どれだけ困難な案件でもあきらめず、開発を最後までやり抜くことを信条にしています。そうした姿勢は、私のこれまでのエンジニアとしての経験で培われました。たとえばベンチャー企業に勤務していたとき、若手でもいろいろな案件にかかわるチャンスがあり、地方の活性化を支援する公的事業をPRするポータルサイトの開発プロジェクトに参画したことがあります。少人数のチームでエンジニアは私ひとり。徹夜でコーディングに取り組むなど、大変でしたが、無事、納品できたときは大きな自信になりました。また、次に勤めたライブ動画配信会社では、ライブコマースの開発プロジェクトに配属。配信中に利用者が商品を購入できるようにする機能開発を手がけました。チームには私を含めて3名のエンジニアが参画しましたが、激務のため、私以外は早々に退職。プロジェクト自体が頓挫しかけましたが、ひとりで開発をやりきってリリースにこぎ着けました。これらの仕事では、企画段階からかかわり、要件定義や設計、開発、テスト、実装まですべての開発工程を経験。プロジェクト全般で業務を担うスキルとノウハウを身につけることができました。

加藤:私は、「お客さまにとって無駄のない効率的な開発を行う」ことを大切にしています。たとえば、フリーランスの時代、オンライン会計システムの開発案件で、エンジニアの統括リーダーを務めたことがあります。お客さまからのご要望をヒアリングするところから、要件定義、画面デザインまで手がけました。その際、お客さまから大まかなニーズを聞いたうえで、すぐにプロトタイプを制作。お客さまにプロトタイプを見せながら、必要な機能を決めていき、同時に要件定義を進めるというやり方で開発スピードを上げることができました。こうしたやり方で開発効率を向上させ、不必要な機能を省いて、コスト削減にもつながったため、お客さまに非常に喜ばれましたね。

―起業の経緯を教えてください。

松本:「自分が開発したサービスを通じて、困っている人に寄り添いたい」という想いが起業の原点です。そうした「人に寄り添う」という企業理念の根底には、私の生い立ちがあります。私は北海道の過疎地で生まれ育ちました。生活は楽ではなく、少年期は、明るい将来像を描けなかった。そうしたなかで、私を救ってくれたのがインターネットです。SNSやゲーム実況配信を通じて友人や恋人ができ、世界が広がったように感じました。そこで、「人に寄り添うようなWebサービスをつくり、自分も誰かの支えになりたい」と思うようになったのです。こうした考えに加藤も共感してくれて、2人で起業しました。

―今後のビジョンを教えてください。

加藤:お客さまの困りごとを解決して、「Doggysに依頼してよかった」と言ってもらえるケースを、さらに増やすことです。おかげさまで、リピートやリファラルを中心にお客さまに恵まれ、売上高も設立から2年で倍増しました。これからもつねにお客さまに寄り添う姿勢で開発に携わりたいですね。

松本:ゆくゆくは「孤独を抱える人々に寄り添うWebサービス」を自社で開発したいと考えています。たとえば、人と人を結びつけるSNSのようなWebサービスをつくりたいですね。そして、今後はそうした新規サービス開発や既存の受託開発を担う若手エンジニアを育成したいと思っています。私たちには、「効率的なコーディングの仕方」など、受託開発で培ったノウハウがあります。これらを活かして、多くの若手エンジニアを教育・育成したいです。当社の理念に共感する人と、ぜひ一緒に働きたいですね。
PROFILE プロフィール
松本 裕斗(まつもと ゆうと)プロフィール
1991年、北海道生まれ。2012年にゲーム系の専門学校を卒業後、Web制作会社に入社。2014年に交通事故に遭ったのを機に退職して上京し、Webサービス開発会社に入社。その後、2017年、ライブ動画配信会社に入社し、ライブコマースのサービス開発に従事する。2022年に株式会社Doggysを設立し、代表取締役CEOに就任。
加藤 清二(かとう せいじ)プロフィール
1989年、北海道生まれ。2008年に工業系の高等学校を卒業後、Webシステム開発会社に入社。おもにバックエンド開発に従事する。フリーランスを経て、2022年に株式会社Doggysの設立に参画し、取締役CTOに就任。
企業情報
設立 2022年 5月
資本金 50万円
従業員数 3名
事業内容 IT・Webサービスの企画、開発、制作、運営、販売、管理および保守、それらに関するコンサルティング業務
URL https://doggys.tech/
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