INTERVIEW 業界別起業家インタビュー
ネット黎明期に創業し、売上高1,000億円グループに成長させた起業家
大きな夢を描いて仲間を集め多くの笑顔を求めて走り続ける
GMOインターネット株式会社 代表取締役会長兼社長 グループ代表 熊谷 正寿
※下記はベンチャー通信58号(2014年12月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
同じ夢に向かっている仲間を見下すような言葉は使わない
―グループ会社を増やす方式で新規事業を次々に立ち上げ、すでに7社を上場に導いています。グループをまとめていく要諦を教えてください。
ひとつには、「子会社」とか「従業員」といった言葉を使わないことです。同じ夢に向かって進む仲間のことを、どこか上下関係を匂わせる言葉で呼びたくない。対外的な公式文書などには便宜上、使わざるを得ないこともありますが、社内では一切使っていません。
たとえば、ほかの企業なら「社員」「従業員」と呼びますが、私たちの場合は「仲間」。「M&A」とか「企業買収」ならば「仲間づくり」です。
どれだけ規模が大きくなっても、みんなグループのスピリットを共有する仲間。その考え方を貫き、言葉づかいひとつにまで気を配っている。それによって求心力を高めているのです。
たとえば、ほかの企業なら「社員」「従業員」と呼びますが、私たちの場合は「仲間」。「M&A」とか「企業買収」ならば「仲間づくり」です。
どれだけ規模が大きくなっても、みんなグループのスピリットを共有する仲間。その考え方を貫き、言葉づかいひとつにまで気を配っている。それによって求心力を高めているのです。
―ベンチャー企業がGMOインターネットグループのように成長するために、起業家にはどんな資質が求められますか。
ひとつ共通していえることは、大きな夢を描くことです。私の場合は「すべての人にインターネット」という夢がありました。そのために、インターネット産業で圧倒的"いちばん"になろう、と決めた。
とてつもなく高い目標ですが、それを実現するために、お客さまが喜ぶ"いちばん"のサービスの提供に努め、お客さまから評価され、仲間もみな笑顔になり、その結果として利益も得られ、株主も笑顔にできるのです。社会全体の幸せにつながる大きな夢を描いて、それに向かって必死に努力してきました。
とてつもなく高い目標ですが、それを実現するために、お客さまが喜ぶ"いちばん"のサービスの提供に努め、お客さまから評価され、仲間もみな笑顔になり、その結果として利益も得られ、株主も笑顔にできるのです。社会全体の幸せにつながる大きな夢を描いて、それに向かって必死に努力してきました。
―具体的に、どのような努力をしたのですか。
ひたすら仕事をした。それにつきる。私は、人の笑顔を見るのが好きなんです。仕事が趣味だから働いたというより、人に喜んでもらえるのがなによりもうれしいから働いた。多くの人の笑顔に資する人生を歩みたいと願っています。そのひとつの手段が仕事なのです。
テクノロジーオリエンテッドでNo.1の価値を提供せよ
―今年は私たち『ベンチャー通信』と組み、新プロジェクト「GMO TODOROKI」でスタートアップ企業の支援にも力を入れています。このプロジェクトにかける想いを聞かせてください。
革新的な商品・サービスを社会に提供するベンチャーを支援することで、人の笑顔を増やすことに貢献したい、という想いがあります。
私自身が経営者と面談し、さまざまな経営課題について経験に基づいた解決法をアドバイスするほか、私たちのグループがもつインターネット関連のインフラやサービスを通常よりも安い価格で提供します。おおいに活用してもらって、飛躍してほしいですね。
私自身が経営者と面談し、さまざまな経営課題について経験に基づいた解決法をアドバイスするほか、私たちのグループがもつインターネット関連のインフラやサービスを通常よりも安い価格で提供します。おおいに活用してもらって、飛躍してほしいですね。
―インターネット関連事業で飛躍していくために重要なポイントはなんでしょう。
まずはNo.1であること。情報があふれているいま、なにがホンモノかは一発でユーザーに見きわめられてしまいます。だからサービスの価格もスペックも、いちばんのものを提供できなくてはいけない。
そして、テクノロジーオリエンテッドであること。No.1のサービスをつくりだすには、できるだけ外注に頼らず、自らつくれることが望ましい。いちいち外注していたら時間もコストもかかる。だから、どんなにすばらしいアイデアでも、それを実現できるかどうかは技術力にかかっています。私たちのグループでも、そうした時代の到来にあわせ、ものづくりに関与するエンジニアやクリエイターの全メンバーに対する比率を、現在の3割半ばから5割にまで引き上げていきます。
3つめに継続性。ユーザーにNo.1のサービスを提供し続けられる会社であること。それが、次代を牽引する企業の条件でしょうね。
そして、テクノロジーオリエンテッドであること。No.1のサービスをつくりだすには、できるだけ外注に頼らず、自らつくれることが望ましい。いちいち外注していたら時間もコストもかかる。だから、どんなにすばらしいアイデアでも、それを実現できるかどうかは技術力にかかっています。私たちのグループでも、そうした時代の到来にあわせ、ものづくりに関与するエンジニアやクリエイターの全メンバーに対する比率を、現在の3割半ばから5割にまで引き上げていきます。
3つめに継続性。ユーザーにNo.1のサービスを提供し続けられる会社であること。それが、次代を牽引する企業の条件でしょうね。
PROFILE
プロフィール
熊谷 正寿(くまがい まさとし)プロフィール
1963年、長野県生まれ。東証一部上場のGMOインターネット株式会社を中心に上場7社を含むグループ81社、スタッフ4,072名を率いる。「すべての人にインターネット」を合言葉に日本を代表する総合インターネットグループをめざし、インターネットインフラ事業、インターネット広告・メディア事業、インターネット証券事業、モバイルエンターテインメント事業を展開。おもな受賞歴に、2000年日経ベンチャー「99年ベンチャーオブザイヤー」(新規公開部門2位)、2005年米国ニューズウィーク社「Super CEOs(世界の革新的な経営者10人)」、2013年第38回経済界大賞「優秀経営者賞」などがある。著書に『一冊の手帳で夢は必ずかなう』(かんき出版)、『20代で始める「夢設計図」』(大和書房)など。
企業情報
設立 | 1991年5月 |
---|---|
資本金 | 88億円(2014年6月末日現在。資本剰余金含む) |
売上高 | 937億400万円(2013年12月期:連結) |
従業員数 | 4,072名(2014年9月時点) |
事業内容 | インターネットインフラ事業、インターネット広告・メディア事業、インターネット証券事業、モバイルエンターテインメント事業 |
URL | http://www.gmo.jp/ |
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