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INTERVIEW 業界別起業家インタビュー

株式会社TECPOTATO 代表取締役 CEO 長谷川 慶明

データドリブンによる経営支援で企業成長を支えるテックベンチャーの実力

「経営コンサル×BPR」の独自支援で、あらゆる企業の成長障壁を取り除く

株式会社TECPOTATO 代表取締役 CEO 長谷川 慶明

組織構造や業務フロー、情報システムなどを再構築するBPRは、企業の業務プロセスを最適化する経営改善手法として注目されている。しかし、具体的にはどのように進めればいいのかわからない企業も多いようだ。そうした企業への支援に注力しているTECPOTATO代表の長谷川氏は、「経営コンサルティングの視点を加えたBPR支援が当社の強み」と語る。さらにそこでは、データに基づく的確な支援を提供しているという。「当社のBPR支援を、データドリブン経営の土台にしてほしい」と語る同氏に、詳細な支援内容を聞いた。

経営に入り込みながら、BPRが必要な業務を特定

―事業内容を教えてください。

 『Beyond Data Driven』という、データドリブンのアプローチによるBPRを実施するコンサルティングサービスを提供しています。特徴は、社員を派遣してクライアント企業内にラボ型の「データドリブンチーム」をつくり、経営課題の洗い出しからBPRの実施までを一貫して支援する点です。具体的には、まず経営コンサルタントとして経営課題を洗い出したうえで、その課題に紐づく業務を特定し、BPRを実施していくのです。一般的なBPR支援では指定された業務についての改善を支援しますが、BPRの対象とするべき業務をクライアントが適切に特定できるとは限りません。そもそも、自社の経営課題がどこにあるのかが曖昧な企業も少なくないでしょう。一方、当社では経営全体を診断してBPRを実施するべき業務を洗い出すところからサポートを行うため、クライアントはより高い経営改善効果を期待できるのです。『Beyond Data Driven』をリリースしてからまだ1年ほどですが、利用企業では着々と成果があがってきています。

―どういった成果があがっているのでしょうか。

 たとえば、ある大手エネルギー企業に対してはまず、中期経営計画の策定支援に加わりながら経営における課題感をヒアリング。経営のネックとなっていると思われる業務をピックアップし、実際に経営へ与えている影響度合いなどを分析しながらBPRを行う優先順位を決めていきました。そして、最初の一手として取扱商品の需給予測業務の改善に着手することにしたのです。同社では、専任の社員が過去の取引データをはじめとするさまざまなデータを参考にしながら1年がかりで需給を予測しており、業務が完全に属人化していました。そこで我々は、その担当者が予測の参考にしていたデータを分析し、自動で需給予測ができるシステムを開発。需給予測に必要な工程を大幅に削減するとともに、予測精度の向上によってキャッシュアウトを圧縮することにも成功しました。今後は、需給予測のさらなる精度向上を図るとともに、ほかに浮上している課題の解決にも取り組む予定です。

 こうした形で当社がBPRを行う際、データドリブンのアプローチを用いていることは大きな強みになると考えています。

データを用いた業務改善には、中小企業と大企業に格差なし

―なぜ、それが強みになるのでしょう。

 客観的なデータを用いることであらゆる業種のあらゆる業務のBPRに対応できるからです。経験やノウハウに基づいてBPRを行う場合は、当然ながら対象となる業務に関する知見が必要なので、対応できる業種や業務は限られます。けれども、データドリブンのアプローチでは、BPRを行う業務に関するデータに基づき的確な判断を行えばいいため、業種・業務を問わず対応が可能になるのです。加えて、いまは世の中に多種多様な事柄についてのサードパーティーデータがあり、それを活用できるので、自社内にデータが存在する必要はありません。つまり、データドリブンのアプローチを用いれば、ニッチな業界でも中小企業であっても、データが豊富な大企業と同様のBPRの成果を期待できるのです。実際、地方のプロレス団体において、SNSなどを活用したマーケティング支援で成果をあげた例もあります。また、独自に開発したシステムで、従来は従業員が手間と時間をかけて考えていた介護施設の人員配置を半自動化するなど、当社がBPR可能な業務は多岐にわたります。

 こうしたデータドリブンのアプローチによるBPRと経営コンサルティングをかけ合わせたサービスを始めた背景には、ある「想い」があります。

―どのような想いでしょうか。

 あらゆる企業が成長やビジョンの実現を阻害する障壁を乗り越え、先のステージへ進む手助けをしたいという想いです。私は前職の大手コンサルティングファーム時代に、ビジョンはしっかりしていながらも、情報発信力の弱さなどから伸び悩んでいる中小企業を目にしてきました。そういった会社にこそコンサルティングの力で支援するべきだと考えるようになったものの、当時勤めていた会社のクライアントは大企業ばかり。そこで、自らコンサルティング会社を立ち上げ、自社の課題をうまく絞り切れないあらゆる企業のために、経営課題の洗い出しからBPRの実施までを一貫して支援するサービスを始めるに至ったのです。

データドリブン経営を、誰もが手軽に行える世界に

―今後のビジョンについて聞かせてください。

 より多くの企業を支援するためにも、冒頭お伝えしたデータドリブンチームの強化に向けた人材の採用と育成に、より一層の力を入れていきます。また、これまでに手がけた支援を通して、汎用的な「勝ちパターン」が見えてきました。その「勝ちパターン」をサービスに落とし込み、最終的にはWebアプリなどを通じて、誰もが手軽にデータドリブンのアプローチによるBPRを行えるようにしていく計画です。我々のパーパスは、「BEYOND THE WALL. (やりたいことの障壁を越えていく)」です。あらゆる企業が当社のBPR支援をデータドリブン経営の土台にすることで、「やりたいことの障壁」を越えていく。そんな世界を実現していきたいですね。
PROFILE プロフィール
長谷川 慶明(はせがわ よしあき)プロフィール
1991年、千葉県生まれ。慶應義塾大学を卒業後、テレビ局、大手ECベンチャーを経て、大手コンサルティングファームへ入社。おもにデジタルマーケティングの上流設計に携わる。2022年に株式会社TECPOTATOを設立し、代表取締役CEOに就任。
企業情報
設立 2022年3月
事業内容 データドリブンのアプローチによるBPRコンサルティング
URL https://tecpotato.jp/
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