ベンチャー通信Online > 起業家インタビュー > 著名起業家 > 株式会社パソナグループ 代表取締役グループ代表 南部 靖之

INTERVIEW 業界別起業家インタビュー

株式会社パソナグループ 代表取締役グループ代表 南部 靖之

迷ったら、やる!

株式会社パソナグループ 代表取締役グループ代表 南部 靖之

※下記はベンチャー通信5号(2002年7月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

―人と比べるのではなく、自分の中での絶対的な評価が重要だということですか。

南部:そうです。いまの教育は偏差値教育だから、人と比べてなんぼ。でもそんな教育で育つ子供には、真の創造性や主体性は身につきません。高校2年生のときには、こんなこともありました。ある時、数学のテストの出来が悪かった。そこで私はとても恥じたんですね。なんでこんな簡単な問題もできなかったんだろうと。でも、私の父は言いました。「なにを恥じることがあるか。恥じるのは、人に迷惑をかけた時だ。テストの出来が悪いのは、自分の問題だ。別に人に迷惑をかけたわけではないんだから、恥じる必要などない」。この父の言葉も非常に印象的でした。やはり教育の影響は大きいですよ。子供の創造性や主体性を伸ばすも殺すも教育次第です。私は絵が好きだから、小さい頃には絵を描きによく遠出しました。淡路島や姫路城、京都まで友達と出かけて、絵を描きに行きました。そして夜遅くに帰ってくるわけですよ。そしたら、一緒に行った友達はみんな親に怒られていましたからね。「こんなに遅くまでなにしているの。また南部くんでしょ。南部くんと遊ぶ暇があったら、勉強しなさい」ってね(笑)。でもうちの家は違いました。家に帰ると、私の家族は私が描いた絵をお金を出して買ってくれたんです。両親や祖母が自分の絵を買ってくれた。私はそれが非常に嬉しくて、そのお金で絵の具を買ったり、キャンバスを買ったりしました。だから、そんな家庭で育った私は非常に幸せだった。勉強だけが全てではない。ひとりひとりの個性が大切なんだ。自分の適性を見極めて、自立していかなけてはいけない。小さいながらも、私はそういうことを学んだんです。これは起業家にとって、とても大切な考え方だと思います。

―尊敬する起業家はいますか。

南部:それはウォルト・ディズニーです。ディズニーは、夢を与えるビジネスです。大人にも子供にも、素晴らしい夢を与えている。私もそんな起業家になりたい。

―最後に起業家を目指す学生になにかメッセージを下さい。

南部:私の好きな言葉に、「正々の旗。堂々の陣」というのがあります。これは、大義名分という正しい御旗があれば、堂々とした社員の陣容が組めるということです。大義名分とは、社会に対する使命感や志のことです。そういうものを、しっかりと持つことができれば、自然と人は集まってきます。「儲かりまっせ」とか、「自分が豪邸を建てたい」みたいなことしか考えてないと、誰も協力してくれません。反対に社長というのは、グッと我慢しなければいけない。豪邸を建てるのも悪いことではありませんが、それよりも大事なのは世の中のために頑張ろうという使命感です。みなさんも使命感を持って、正々堂々と挑戦してください。応援していますよ。しっかり頑張ってください!
PROFILE プロフィール
南部 靖之(なんぶ やすゆき)プロフィール
パソナグループ代表。1952年、3人兄弟の末っ子として神戸で生まれる。1971年関西大学工学部在学中、仲間と共に情操教育を目的とした塾「大阪YBS」を設立。76年大学卒業の1ヶ月前に人材派遣会社「テンポラリーセンター」を設立。オイルショック直後で各社とも経営縮小を余儀なくされ、派遣ビジネスは歓迎され、事業は急成長。87年からは家族と共に米国コネチカットに移住。93年1月にテンポラリーグループのCEO(最高経営責任者)に就任。同年6月、社名とグループ名を「パソナ」に変更。2000年6月1日付で事業再編を行い、新生パソナとして事業を展開。2001年12月18日には、ナスダック・ジャパン市場へ上場した。
企業情報
設立 1976年2月
資本金 83億5,800万円 (2007年5月末現在)
売上高 2312億3,100万円 (2007年5月期実績 ※連結)
従業員数 連結3,126名、単体2,608名 (2007年5月期末実績)
事業内容 人材派遣・請負事業、人材紹介事業、再就職支援事業、アウトソーシング事業、その他
URL http://www.pasona.co.jp
※このサイトは取材先の企業から提供されているコンテンツを忠実に掲載しております。ユーザーは提供情報の真実性、合法性、安全性、適切性、有用性について弊社(イシン株式会社)は何ら保証しないことをご了承ください。自己の責任において就職、転職、投資、業務提携、受発注などを行ってください。くれぐれも慎重にご判断ください。