INTERVIEW 業界別起業家インタビュー
4年連続新規上場が増加中!
2014年IPO市場最前線
株式会社日本取引所グループ 執行役員 上場推進担当 村田 雅幸
※下記はベンチャー通信特別号/2014年 IPO市場 最前線号(2014年1月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
不況が深刻化した3年前にスタートした活動が花開いた
2011年。リーマン・ショック後の不況下、国内のIPO件数は激減していた。ベンチャー企業の経営者から、めったに「上場をめざしています」という言葉が聞かれなくなった。そんななか、「なんとかこの状況を変えたい」という強い想いから、東京証券取引所に上場推進部が発足した。社内公募で手を挙げた各分野のエキスパートが結集、経営者向けセミナー開催やIPO候補企業への個別訪問などを通して、IPOにかんする知識の普及やIPOへの意欲増進をはかるのが目的だ。
さらに「IPOセンター」という相談窓口を設置。上場にかんして経営者が抱く細かな疑問について、メールや電話を通して回答してくれる。「IPOするには大変な苦労をともなう」とか「ウチのような小さな企業にはとうていムリ」といった、ばく然とした不安や先入観から、上場を検討しない経営者も少なくない。正確な知識を伝えることで、そんな不安などを払しょく。IPOへの意欲を高めることをねらっている。
日本取引所グループは世界の証券取引所のなかで、上場企業の時価総額で世界第3位、アジアトップ(右上図参照)。巨大さを誇る一方で、企業規模の大小を問わず上場できる(右中図参照)。ベンチャー企業がIPOしやすい市場なのだ。その要因のひとつに、不況のまっただなかで始まった、親身なサポートがある。取引所による地道な活動がアベノミクスによる株価上昇のなかで花開いたといえる。
さらに「IPOセンター」という相談窓口を設置。上場にかんして経営者が抱く細かな疑問について、メールや電話を通して回答してくれる。「IPOするには大変な苦労をともなう」とか「ウチのような小さな企業にはとうていムリ」といった、ばく然とした不安や先入観から、上場を検討しない経営者も少なくない。正確な知識を伝えることで、そんな不安などを払しょく。IPOへの意欲を高めることをねらっている。
日本取引所グループは世界の証券取引所のなかで、上場企業の時価総額で世界第3位、アジアトップ(右上図参照)。巨大さを誇る一方で、企業規模の大小を問わず上場できる(右中図参照)。ベンチャー企業がIPOしやすい市場なのだ。その要因のひとつに、不況のまっただなかで始まった、親身なサポートがある。取引所による地道な活動がアベノミクスによる株価上昇のなかで花開いたといえる。
上場後も変わらず企業をサポートし続ける
2013年1月の東証・大証の統合後は、両取引所のノウハウをあわせることで、IPO推進活動もパワーアップしている。上場までのサポートだけでなく、市場第一部へのステップアップなど上場後のサポートにも力を入れているのが大きな特徴のひとつになっている。
東京証券取引所執行役員として上場推進を担当する村田氏は、次のように語る。「上場を果たした経営者は、上場後に経験のないさまざまな場面に直面するなか、IPOをともに実現したベンチャーキャピタルや証券会社の公開引受部門との関係はしだいに薄れてしまうことが多い。上場企業の成長が株式市場の発展につながることから、上場後にずっとお付き合いする取引所が、本則市場(市場第一部および市場第二部)へのステップアップ支援など、上場後の成長サポートにも力を入れています」。 経営者にとっては、IR戦略やさらなる成長計画の立案をはじめ、上場を果たした後も課題が山積している。だが、IPOを果たすまでアドバイスしてくれたプロたちは、上場をさかいにいなくなることが多い。その点、取引所が上場前から一貫してサポートしてくれることは心強い。また、東証・大証の統合によってIPO推進活動を全国展開することが可能になった。そのため、東京や大阪以外の地域の企業のIPO推進に力を入れている。
東京証券取引所上場推進部長の三宅氏は、自ら先頭に立って日本全国を走り回っている。「同じ地域でIPOを果たす会社が出てくると、『あそこが上場したんなら、ウチも』と刺激を受け、上場意欲をかきたてられるという経営者の方が多いんです。ですから地域単位でセミナーを開催して上場した地元企業の経営者に経験談を語ってもらうことも積極的に行っています」(同氏)。
こうした地道な活動の効果もあって、東京以外に本社を置く企業のIPOが増えている。2011年には7社と、年間件数の3分の1程度だった地方企業のIPO。それが2013年には26社に増え、年間件数の半分近くにまで達している(右下図参照)。
全国に広がりつつあるIPOブーム。より現実的に上場を検討するようになったベンチャー企業の経営者も多いはずだ。そんなとき、取引所が頼もしい相談相手になってくれる。日本取引所グループでは、2014年も引き続き、IPO推進に力を入れていく方針だ。
東京証券取引所執行役員として上場推進を担当する村田氏は、次のように語る。「上場を果たした経営者は、上場後に経験のないさまざまな場面に直面するなか、IPOをともに実現したベンチャーキャピタルや証券会社の公開引受部門との関係はしだいに薄れてしまうことが多い。上場企業の成長が株式市場の発展につながることから、上場後にずっとお付き合いする取引所が、本則市場(市場第一部および市場第二部)へのステップアップ支援など、上場後の成長サポートにも力を入れています」。 経営者にとっては、IR戦略やさらなる成長計画の立案をはじめ、上場を果たした後も課題が山積している。だが、IPOを果たすまでアドバイスしてくれたプロたちは、上場をさかいにいなくなることが多い。その点、取引所が上場前から一貫してサポートしてくれることは心強い。また、東証・大証の統合によってIPO推進活動を全国展開することが可能になった。そのため、東京や大阪以外の地域の企業のIPO推進に力を入れている。
東京証券取引所上場推進部長の三宅氏は、自ら先頭に立って日本全国を走り回っている。「同じ地域でIPOを果たす会社が出てくると、『あそこが上場したんなら、ウチも』と刺激を受け、上場意欲をかきたてられるという経営者の方が多いんです。ですから地域単位でセミナーを開催して上場した地元企業の経営者に経験談を語ってもらうことも積極的に行っています」(同氏)。
こうした地道な活動の効果もあって、東京以外に本社を置く企業のIPOが増えている。2011年には7社と、年間件数の3分の1程度だった地方企業のIPO。それが2013年には26社に増え、年間件数の半分近くにまで達している(右下図参照)。
全国に広がりつつあるIPOブーム。より現実的に上場を検討するようになったベンチャー企業の経営者も多いはずだ。そんなとき、取引所が頼もしい相談相手になってくれる。日本取引所グループでは、2014年も引き続き、IPO推進に力を入れていく方針だ。
PROFILE
プロフィール
村田 雅幸(むらた まさゆき)プロフィール
1961年、奈良県生まれ。1991年に関西学院大学を卒業後、大阪証券取引所に入所。デリバティブ部門、上場審査部門を経た後、東京支社長兼執行役員に就任。東証・大証の統合後、2013年6月から株式会社東京証券取引所の執行役員に就任。上場推進担当として、全国のベンチャー企業経営者にIPOへの意欲をもってもらうために奔走している。中小企業診断士。
上場推進部長 三宅 綾(みやけ あや)プロフィール
1968年、神奈川県生まれ。1991年に学習院大学を卒業後、日本アセアン投資株式会社(現:日本アジア投資株式会社)に入社。国内ベンチャー企業への投資、資本政策立案、株式公開支援に携わる。2002年に株式会社ジャスダック証券取引所(現在は株式会社東京証券取引所に統合)に入社。ジャスダック市場のプロモーション活動に従事。大証とジャスダックの組織統合、さらに東証・大証の統合を経て、2013年に株式会社東京証券取引所の上場推進部長に就任。おもに地方のベンチャー企業経営者向けにIPOの啓蒙活動に取り組んでいる。
企業情報
設立 | 1949年4月 |
---|---|
資本金 | 115億円 |
売上高 | 717億800万円(2013年3月期:連結) |
従業員数 | 1,157名(2013年3月31日現在:連結) |
事業内容 | 金融商品取引所の経営管理及びこれに附帯する業務 |
URL | http://www.jpx.co.jp/ |
お問い合わせ電話番号 | 050-3377-8014(東京) 06-4706-0868(大阪) |
お問い合わせメールアドレス | ipo@jpx.co.jp |
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