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INTERVIEW 業界別起業家インタビュー

株式会社カカオジャパン 代表取締役社長 朴 且鎭

世界3500万人のユーザーに、日本の企業や文化を紹介していきたい

新しい時代の集客ツールとして大きな可能性を切り開く「Plusカカとも」

株式会社カカオジャパン 代表取締役社長 朴 且鎭

2010年3月にスタートした韓国発のスマートフォン向けチャットアプリ「カカオトーク」。サービス開始から2年あまりで、ユーザー数は世界3500万人(2012年1月現在)を突破。いまや216ヵ国、12種の言語でサービスを提供し、爆発的な成長を続けている。そのカカオトークでは先頃、個人ユーザーに対し、企業や店舗の「友だちとして」数々の有益な情報やクーポンなどを届けるサービス、「Plusカカとも」を開始した。Plusカカともは、企業にとってどんなメリットがあるのか。また、どのような使い方ができるのか。今後の展開を含め、代表の朴(パク)氏に話を聞いた。
※下記はベンチャー通信46号(2012年3月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

―最初に、「カカオトーク」のサービスについて教えてください。

朴:無料モバイルメッセンジャーや無料SNSと呼ばれるものであり、中でも家族やごく親しい友人など、頻繁に電話で連絡を取り合うような仲間うちのチャットアプリです。携帯電話番号で認証しているため、1人でいくつものアドレスを作れるメールと違い、すべてのユーザーがユニークユーザー。全ユーザーの月間アクティブ率は8割にまで達しています。また、ユーザーは1日10億件、60秒間で70万件のメッセージを送信しており、1人当たりでは、1日約37件のメッセージを書いていることになります。さらに、韓国での利用者50万人の調査では、「カカオトーク」を1人あたり1日平均35回起動しているという結果も出ています。まさに、朝起きての「おはよう」から、夜寝る前の「おやすみ」まで、あらゆることを「カカオトーク」でやり取りしているわけですね。

―「カカオトーク」は、どのようなサービスを目指しているのですか。

朴:2012年中に、全世界でのユーザー数1億人を誇るサービスにしたいと考えています。そこで私たちは、「カカオトーク」を「より使われるアプリ」、「より選ばれるアプリ」として成長させるために、「新たなサービスを提供する」ことを考案しました。「カカオトーク」の強みは、その起動回数からもわかるとおり、毎日使われているということ。ですから、今後も多くの人に「より使われるアプリ」にするために、まずは使い勝手をより簡単でシンプルなものにし、よりつながりやすく、より安定したサービスにするための努力を続けていきます。また、「より選ばれるアプリ」として、さらに魅力的なものにするために、より楽しく、よりお得なアプリにすることを考えました。 その1つが、「動く絵文字」。現在、K-POPアーティストの「KARA」の各メンバーの顔写真や韓国の人気キャラクター「PUCCA」などのほか、日本ではサンリオのマイメロディーやゲゲゲの鬼太郎などのキャラクターがあり、今後さらにその種類を増やしていく予定です。「動く絵文字」を世界各国のユーザーに楽しんで使ってもらうことで、日本のイラストや「マンガ」を海外に紹介。そこから、企業のキャラクタービジネスの展開につなげることも可能だと考えています。また、「カカオトーク」では、無料電話機能も開始予定。「カカオトーク」のユーザー同士なら、国内でも海外でも無料で通話が可能です。

―「カカオトーク」が新たなサービスとして提供するものは何ですか。

朴:「Plusカカとも」というサービスです。私たちは「カカオトーク」でつながっている友だちを「カカとも」と呼んでいます。「カカとも」とは顔も知らないネットだけの知り合いではなく、電話番号をベースにつながっている家族、学校の友だち、サークルの仲間、会社の同僚といったリアルな友だちのこと。そして、この「カカとも」とはまた別に、つながることでプラスになる、役に立つ新たな友だちのことを「Plusカカとも」と呼んでいます。現在、「カカオトーク」は「人と人」とをつなげており、カカオトークでつながった人たちは、共に生活し、食事や遊びに行ったりする中で「カカオトーク」を利用しています。しかし、「カカオトーク」がつなげられるのは、「人と人」だけではありません。人と企業、ブランド、店舗、芸能人、アーティストをつなげることもできるのです。また、人とTV番組、イベント、サッカーの試合。さらに、人と時間、空間、人の気持ち、人の想いともつなげられる。それが「Plusカカとも」というサービスなのです。

―現在、どのような人や企業が、どのようなカタチで「Plusカカとも」に参加しているのですか。

朴:店舗系では、韓国のロッテ免税店やGmarketというインターネット通販サイトを運営する企業が、店舗や商品情報のほか、クーポンなどを提供。「Plusカカとも」の利用者がクーポンを持って空港に行けば、ロッテ免税店で割引が受けられるなどの特典を付けています。また、Gmarketでは、「Plusカカとも」で限定品のタイムセール情報などを提供。これにより、通常はページビューの低い限定品の掲載ページが、一挙に、ページアクセスランキングのトップ10にランクインするという現象が起こります。このように、売りたいものを絞り込み、限定ユーザーを相手に情報を届けられるのが、「Plusカカとも」の大きな特徴ですね。 また、「韓国語の先生」や「英語の先生」といった「Plusカカとも」では、毎日、生活に役立つ韓国語や英語のフレーズを配信。さらに、ミュージシャンやタレントの「Plusカカとも」では、「YOSHIKI」さんや「藤原紀香」さんが、ファンに向けてリアルな情報を発信。「SMTOWN」では、K-POPのアーティスト情報を届けています。  もちろん、今後こうした企業やブランドは、さらに増やしていく予定。ちなみに、韓国では「Plusカカとも」の人気は非常に高く、すでに60社の企業が参加し、現在3,000社以上が参加待ちの状態です。
PROFILE プロフィール
朴 且鎭(ChaJin Park)プロフィール
1969年、韓国生まれ。成均館大学を卒業後、東京大学大学院で研究生として環境経済を学ぶ。在学中にSAMSUNGグループのインターネット関連新規事業の立ち上げに携わり、ネットベンチャーを設立。オンラインゲーム会社の経営を経て、CJインターネットジャパン代表に就任。2011年7月に株式会社カカオジャパンを設立し、代表取締役社長に就任。
企業情報
設立 2011年7月
資本金 2億705万円
従業員数 5名
事業内容 インターネットサービス、コンピュータプログラム、マルチメディアプログラム開発及び販売、コンテンツ制作及び開発、電子商取引関連サービス及び流通業
URL http://www.kakao.com/
お問い合わせメールアドレス feedbackjapan@kakao.com
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