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INTERVIEW 業界別起業家インタビュー

株式会社MissionTime 代表取締役 栂本 勇介

ゼロから「ライバーマネジメント事業」を立ち上げたベンチャー企業トップの想い

「ライブ配信」という新市場で、会社とともに大きく成長してほしい

株式会社MissionTime 代表取締役 栂本 勇介

2023年度のライブ配信アプリの市場規模は、推計で前年度比112.5%の720億円(出所:株式会社矢野研究所「2024 動画コンテンツビジネス市場動向」)。ライブ配信を行う「ライバー」が増加するなか、そのマネジメント事業を展開しているのがMissionTimeだ。同社代表の栂本氏は、「急成長市場に立脚し、事業を飛躍的に伸ばしていきたい」と話す。同氏に、事業の詳細や起業した経緯、今後のビジョンなどを聞いた。

コロナ禍を経て形成された、新たなコミュニティに着目

―事業内容を教えてください。

 ライバーマネジメント事業とアウトソーシング事業、採用コンサルティング事業の3事業を展開しており、なかでも一番、注力しているのがライバーマネジメント事業です。「ライバー」とは、動画配信プラットフォームやアプリを使ってライブ配信を行う人。そのなかでも当社は、配信者本人の顔を出さず、キャラクターのイラストなどを通してライブを行う「Vライバー(※1)」のマネジメントに特化しています。視聴者がVライバーに送る「投げ銭(※2)」やグッズ販売、メンバーシップ(※3)などによって収益を得ており、それをVライバーと分け合うことで事業化しているのです。

 近年はコロナ禍によって、家で動画配信を視聴する人が増えました。それに加え、配信者と視聴者がリアルタイムに双方向のコミュニケーションが図れるライブ配信は、「新たなコミュニティ」として若年層を中心に支持されています。配信者の増加により、我々のような配信者をマネジメントする事業者も右肩上がりに増えており、今後さらに成長が期待できるビジネスと言えるでしょう。
※1 Vライバー : 「Virtual Liver(バーチャルライバー)」の略称で、顔出しを行わずにイラストや2D/3Dアバターを使用して、配信活動を行う人を指す
※2 投げ銭 : 視聴者がライブ配信者に対して、オンライン上で金銭的な支援を行うことを指す
※3 メンバーシップ : ここでは、視聴者が月額料金を支払ってライブ配信者の会員になることで、メンバー限定の特典を得られる制度を指す

―配信者をマネジメントする事業者が増えるなか、MissionTimeの強みはなんでしょう。

 Vライバーのキャラクターを制作するイラストレーターやデザイナー、BGMの作曲家などを社内に抱えている点ですね。スポットで外注する会社が多いなか、当社は社内で制作する体制を整えることで、ビジュアルや音楽など細部までこだわった独自の「Vライバーチャンネル」を提供でき、視聴者の関心を惹くことができるのです。

 また、Vライバーと円滑なコミュニケーションを図ることにもこだわっています。たとえば、Vライバーから連絡が来た場合、なるべく早いレスポンスを心がけることを社内で共有しています。また、「Vライバーからどのような問い合わせが多いか」をデータ化し、それへの回答をマニュアル化。結果、よりスピーディなレスポンスを実現しているのです。その結果、現在は約440名のVライバーが所属しています。しかも、「Vライバーになりたい」と、SNSやHPの問い合わせフォームなどを通じて毎月200~300名の希望者から、問い合わせが当社に届いている状況です。まだまだこれからではありますが、ライバーマネジメント事業における直近の決算期の売上は、前期比で約3倍を計上しました。

前職の経験やスキルを活かし、起業することを決意

―起業した経緯を教えてください。

 前職の人材系のベンチャー企業で新しい事業の立ち上げを模索していたなか、着目したのがライブ配信でした。コロナ禍で、私自身が自宅でゲームをプレイしたり動画を観たりして過ごすことが多くなり、Vライバーの存在を初めて知ったのです。それで、「なかなかおもしろいな」と。テレビ離れが進むなか、こうしたコンテンツはもっと伸びていくでしょうし、「これを自社ブランドでやれば会社の新しい収入源になる」と考えたのです。それで前職時代の社長に提案し、了承を得たうえで具体的に事業化を進めていきました。そして、「Vライバーのマネジメント事業をやろう」と、ある程度の方向性が固まった段階で、「独立してやってもいいのでは」と社長に背中を押してもらったのです。それまで起業は考えていなかったのですが、「どうせ新しいことにチャレンジするなら、これまでの経験やスキルを活かし、自分でリスクをとってやってみよう」と、起業を決意しました。

自分の「得意」を見つけて、理想的なキャリア形成を

―今後のビジョンを教えてください。

 当社は、私を除いて全社員が20代のベンチャー企業ですが、2027年度には社員の平均年収700万円を目指しています。がんばった人は、経済的にも報われてほしいからです。また、同年度において現在の売上の10倍を目指します。そしてゆくゆくは、「Mission Timeと言えば誰でも知っている」くらいの有名な会社にしていきたいと、本気で考えています。そのためには、まだまだ社内に人材が足りていません。そこで、20代の新卒者および中途採用者を積極的に募集しています。

 新卒者は、ある程度仕事を覚えてもらったうえで、Vライバーのマネジメントを、中途採用者はVライバーに加えて、社内メンバーのマネジメントもお願いしたいと考えています。一人あたり、15~20名のVライバーを担当してもらう予定です。マネジメント業務で重要なのは、Vライバーと密なコミュニケーションを図るのはもちろん、いかにVライバーのファンを増やしていくかです。そのため、集客を図るためのSNSマーケティング力や、視聴者に楽しんでもらえる企画立案力が求められます。こうした能力は、Vライバーに限らず、ネットビジネス全般で求められます。当社は、ビジネスパーソンとして、そうした能力を身につけられる環境です。

―ベンチャー企業に興味を持っている若者に、メッセージをお願いします。

 20代における時間の使い方は、非常に大事だと私は考えています。仕事を優先するのか、あるいはプライベートを充実させるのか。ビジネスパーソンとして成長したいのであれば、あえて私は「将来への投資」として仕事に没頭してほしいと言いたいです。実際に私自身、20代は無我夢中で営業に没頭していました。そのおかげでビジネススキルが身につき、今は経営者として会社を動かせる立場になれたと言えます。

 ベンチャー企業である当社としても、早く成長できるよう、仕事の裁量を若いうちから与えます。しかし、長時間、働いてほしいわけではありません。仕事を覚えていくなかで、短時間で大きな成果を生み出せるように工夫をしてください。実際に当社では、今は一部の職種だけですが、通常は平日週5日出勤のところ、フルリモートや平日週4.5日勤務を試験導入しているところです。ゆくゆくは、これを全社員に導入していこうと考えています。また当社では、一人ひとりの個性を重視しています。人には、誰でも得意・不得意な仕事があるでしょう。ぜひ当社でさまざまなことにチャレンジし、自分の得意分野を見つけて理想的なキャリアを形成してほしいと思います。ライブ配信という新しい市場で、「会社と一緒に成長したい」という人は、ぜひ一緒に働いてほしいですね。
PROFILE プロフィール
栂本 勇介(とがもと ゆうすけ)プロフィール
1989年、大阪府生まれ。大手IT商社に入社し、営業を6年担当する。その後、人材派遣のベンチャー企業にて、営業および人事の統括業務を担当。2022年に株式会社MissionTimeを設立し、代表取締役に就任する。
企業情報
設立 2022年10月
従業員数 62名
事業内容 ライバーマネジメント事業、アウトソーシング事業、採用コンサルティング事業
URL https://missiontime.jp/
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