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飲食・食品業界の起業家インタビュー

株式会社大戸屋 代表取締役社長 三森 久実

飲食・食品定食屋ブームの火付け役

株式会社大戸屋 代表取締役社長 三森 久実

※下記はベンチャー通信7号(2003年2月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

―マクドナルドのような完全マニュアル主義はどう思われますか。

三森:私は、マニュアルは好きではありませんね。当然、大戸屋にもマニュアルはありますけど。もともと、マニュアルっていうのはアメリカで生まれたわけでしょ?アメリカっていう国は、宗教、学歴、人種、言語、そして価値観も違う。だから、一定の基準がないとまとめることができないんですよね。そこで必要となったのがマニュアルだったんです。ところが日本の場合は、ほとんどみんなが同じ言葉を話すし、民族も一緒じゃないですか。だから、マニュアルなんてある程度あればいいわけです。それよりも、「志」を同じくする人間を増やしていった方が人間を尊重していると思うんですよね。

―話は変わりますが、最近の学生をどう思われますか。

三森:そうですね、やはり勉強はあまりしていないですよね。それに比べて、アメリカの学生は勉強しているみたいですよ。その勉強量も、半端じゃない。朝9時に学校に行って、毎日12時間は勉強しているらしいです。そして、そのまま社会に出るわけですから、やっぱりアメリカが強くなりますよね。日本の場合は、大学に入るまではものすごく勉強しますけど、大学に入ったとたんに勉強しなくなっちゃう人が多いじゃないですか。それで、学生時代に遊び癖がついてしまうから、社会に出てからも遊んでしまうんですよね。

―起業家になるための資質は何でしょうか。

三森:やはり、いちばん大切なのは「志」ですね。志は高ければ高いほどいいんです。高い志を持っている人は、現実とのギャップに苦しむわけですよ。どうして理想どおりにいかないんだと、のた打ち回って苦しむんですよ。だからこそ、どうしたらうまくいくのだろうと毎日考える。それが大切なんです。ただ、理想と現実のギャップに直面した時に、言い訳をして諦めてしまう人は起業家にはなれません。そういう弱い人は苦しまなくて済む分、成功もできない。だから、事業に成功する人というのは真面目じゃないといけないんですね。あとは、人が好きな人じゃないとダメです。人が嫌いな人というのは、人のために何かをしようとは思わないじゃないですか。お客さんも、従業員も、全て人なんです。人が好きだったら、お客さんに喜んでもらえるよう頑張りますよ。従業員に働いていて良かったと思ってもらえるような会社を作りますよ。だから、人が好きということは起業家にとって大切な資質だと思います。

―最後に、起業家になりたいような若者にメッセージをお願いします。

三森:繰り返しになりますが、大切なのは「志」です。高い志を持ってください。そして、現実とのギャップに苦しんでください。その苦しみに耐え、「志」を目指して毎日必死になって頑張れば、きっとうまくいきますよ。 そもそも、人間が潜在的に持っている能力なんて、ほとんど同じ。それを顕在化させることができるかどうかの分かれ目は「努力」なんですよね。ひたむきに努力をすることは何事においても大切です。起業家になりたいんだったら、高い志を持って真面目に努力することを忘れずにいてほしいですね。甘い世界ではありませんが、頑張ってください。

三森 久実(みつもり ひさみ)プロフィール

1957年山梨県生まれ。15歳で伯父のところへ養子に入る。帝京高校時代、野球に没頭して甲子園を目指す。高校卒業後、洋食店フローラーフーズ(株)にコックとして入社。しかし、養父の他界により、79年に東京池袋の「大戸屋食堂」を引き継ぐこととなる。83年、株式会社大戸屋を設立、代表取締役社長に就任。94年、吉祥寺店の火災を機に、「女性が気軽に入れる定食屋」という型破りコンセプトを打ち出す。そして、女性からの絶大な支持を得て、2001年ジャスダック市場に上場を果たす。

企業情報

設立 1983年
資本金 4億6720万円
売上高 87億円(2002年3月期)
従業員数 255名、アルバイト・パート2452名(2002年9月30日現在)
事業内容 家庭的な和定食を中心とした定食専門店「大戸屋ごはん処」のチェーン展開
店舗数/直営94店舗、FC1店舗(2002年9月30日現在)
URL http://www.ootoya.com/

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