INTERVIEW 業界別起業家インタビュー
高級時計の買取事業で独自のビジネスモデルを構築した若手起業家の信念
顧客本位の姿勢を貫いてこそ「喜ばれるサービス」は提供できる
株式会社ピーワン 代表取締役 松岡 奎佑
Sponsored 株式会社ピーワン
高級時計の買取事業で飛躍的な成長を遂げている会社がある。名古屋市(愛知県)に本社を置くピーワンだ。同社にはいま、多くの買取査定依頼が舞い込んでおり、その数は2023年4月時点で月間約1,500件にのぼる。この時計の買取事業で年間約30億円の売上を見込める状況だという。高い反響が寄せられている要因について、同社代表の松岡氏は、「どこよりも高い価格で買い取ることを目指した、独自のビジネスモデルを構築できているからだ」と語る。同氏に、ビジネスモデルの詳細や、今後の成長ビジョンなどについて聞いた。
「売れ残りリスク」がないので、高価買取を実現できる
―事業内容を教えてください。
個人顧客から1本数百万~数千万円クラスの高級時計を買い取り、国内外のバイヤーに再販する事業を手がけています。「どこよりも高く買い取ること」をモットーに会社を立ち上げました。おかげさまで多くの個人顧客から高い支持を集めており、買取査定依頼は月間約1,500件まで伸びています。そのうち3割ほどの時計を買い取ったうえで再販しており、年間約30億円の売上を見込んでいます。
―なぜ、高く買い取ることができるのですか。
当社は、国内外約50社のバイヤーと独自のネットワークを構築しており、そのなかから、もっとも高い価格で買い取ってくれる事業者を探し出せるからです。一般的に、私たちのような買取事業者は、「売れ残りリスク」を考慮しなければなりませんので、どうしても個人顧客から買い取る価格を低く抑えることを考えてしまいます。それに対して当社の場合、独自に構築したネットワークのもと、先に再販先を決めてから買い取るビジネスモデルです。そのため、「売れ残りリスク」を考える必要がなく、高く買い取れるのです。実際、ほかの買取事業者が100万円の買取価格をつけていた時計について、当社は180万円で買い取るケースも起きています。当社のようなビジネスモデルで展開している買取事業者は少ないため、高値で買い取れるという優位性を保てているのですが、このビジネスモデルには、私のある信念が貫かれています。
―どのような信念でしょう。
商売の基本とも言える「顧客本位」の信念です。私は幼いころからの車好きなのですが、同じ趣味をもつ友人には時計好きも多くいました。そんな彼・彼女らは「時計を買い取ってもらう際に、価格がどうしてこんなに下がるのだろう」という不満をよく口にしていたものです。もちろん、「売れ残りリスク」を考えれば、価格を下げて買い取るのは仕方ないのだろうとは思っていましたが、「もっと高く買い取ることはできないものだろうか」という疑問はもっていましたね。私の父親が経営者で、その背中を見て育ったということも影響していると思いますが、商売の基本は「顧客のために最大限の努力をすること」だと考えていますし、私は学生時代から、いつかこの考えを体現したビジネスを自分で展開しようと決めていました。
―それが、このビジネスモデルだと。
その通りです。時計を売りたいと考えている個人顧客に、少しでも高く買取価格を提示できる最善の方法だと考えています。実際、試しにこの方法で友人から時計を買い取ってみたところ、瞬く間に評判になりました。ただし、このビジネスモデルには、時計を高く売れる再販先の確保という課題があります。そのため、当社では新たなバイヤーを探し続けるとともに、その信頼を獲得するためにも、買い取る時計の品質には大きなこだわりをもっています。たとえば、コピー品の流入を防ぎ、良質な時計のみを取り扱うために、高級時計に精通した鑑定士と、時計修理技能士による「二重チェック」を実施しています。チェック体制の整備には手間もコストもかかりますが、「信頼こそが、商売の基本」と考えており、妥協は一切していません。そうやってバイヤーと真摯に向き合ってきたからこそ、再販先のネットワークを多数構築できました。そのことが結果的には、「時計を高く買い取ることができる」という、個人顧客の利益にもつながっているのです。
このような「顧客本位」の姿勢は、買取価格の高さ以外の部分でも体現しています。
このような「顧客本位」の姿勢は、買取価格の高さ以外の部分でも体現しています。
信頼獲得の結果、リピート率は95%
―どのようなところに、現れているのでしょう。
たとえば、個人顧客が大事な時計を我々に安心して売ることができるように、信頼獲得に心を砕いている点です。たとえば、初回取引の際には、必ず対面で査定を行い、成約した場合にはその場で決済しています。査定と支払いが目の前で行われることほど、個人顧客にとって安心なことはありませんから。また、一度提示した査定価格から実際の買取価格を下げることは絶対にしません。商品の傷などを理由に買取価格を引き下げる事業者は少なくありませんが、そうした行為は個人顧客の信頼を大きく損なうからです。
このようにして、信頼獲得に向けた取り組みを一つひとつ重ねてきた結果、個人顧客のリピート率は95%にのぼり、高い顧客満足度を実現できていると考えています。そうやって取引を繰り返しながら信頼関係を築いていくなかで、個人顧客から時計以外の相談を持ちかけられるようになり、それをきっかけにした新たなビジネスも始めています。
このようにして、信頼獲得に向けた取り組みを一つひとつ重ねてきた結果、個人顧客のリピート率は95%にのぼり、高い顧客満足度を実現できていると考えています。そうやって取引を繰り返しながら信頼関係を築いていくなかで、個人顧客から時計以外の相談を持ちかけられるようになり、それをきっかけにした新たなビジネスも始めています。
―どのようなビジネスを始めたのでしょうか。
1つは介護支援事業です。具体的には、病院や役所への付き添いなどの生活支援から、緊急時の駆けつけ、介護施設などへの入所支援といった幅広い支援を提供しています。現在は質の高いサービスを提供するためのスタッフの確保に苦戦しており、利用会員数は80人にとどまっています。しかし、1ヵ月で入会希望者が112人集まるなど需要は多く、将来性が非常に高いと期待しています。
また、フリーポート事業も始めました。これは、各国に設けられた「フリーポート」で、資産保全や商品の売買を行うビジネスです。フリーポートでの売買は非課税となるため、富裕層が高額商品を売買する際に利用します。審査が厳しく、参入障壁が非常に高いビジネスですが、時計の買取事業で信頼を獲得した顧客の伝手をきっかけに参入することができました。
今後は、時計事業を主軸としながら、まずは3年後に年商100億円を目指します。顧客本位を貫きながら事業領域を広げ、あらゆる資産管理のお手伝いができる企業へと成長していきたいですね。
また、フリーポート事業も始めました。これは、各国に設けられた「フリーポート」で、資産保全や商品の売買を行うビジネスです。フリーポートでの売買は非課税となるため、富裕層が高額商品を売買する際に利用します。審査が厳しく、参入障壁が非常に高いビジネスですが、時計の買取事業で信頼を獲得した顧客の伝手をきっかけに参入することができました。
今後は、時計事業を主軸としながら、まずは3年後に年商100億円を目指します。顧客本位を貫きながら事業領域を広げ、あらゆる資産管理のお手伝いができる企業へと成長していきたいですね。
PROFILE
プロフィール
松岡 奎佑(まつおか けいすけ)プロフィール
1994年、愛知県生まれ。2017年にSydney University を卒業後、株式会社デンソーに入社。プログラマーとして空飛ぶ自動車の開発や自動運転システム開発に携わった後、2023年に株式会社ピーワンを立ち上げ、代表取締役に就任する。
企業情報
設立 | 2023年1月 |
---|---|
資本金 | 1,000万円 |
売上高 | 62億円(2023年12月期見込) |
事業内容 | 高級時計、ブランド品の買取販売事業、介護支援事業、フリーポート事業、不動産事業、飲食事業 |
URL | https://p1-group.co.jp/ |
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