ベンチャー通信Online > 起業家インタビュー > IT > 株式会社renue(リノイ) 代表取締役 山本 悠介

INTERVIEW 業界別起業家インタビュー

株式会社renue(リノイ) 代表取締役 山本 悠介

大手コンサルティングファーム出身のトップが提供する「常識やぶり」のサービスとは

成功報酬型の「ITコンサル」で、お客さまの成果にコミットする

株式会社renue(リノイ) 代表取締役 山本 悠介

さまざまな企業に対して、ITコンサルティングサービスを提供しているrenue。2021年の創業ながら、すでに売上1兆円規模の企業と取引するなど、着実に顧客を獲得している。同社代表の山本氏は、「お客さまの成果にコミットすることにこだわっている」と話す。そのこだわりは、大手コンサルファーム出身の同氏が起業にいたった想いに紐づいている。山本氏に、起業したきっかけや今後のビジョンなどを聞いた。

新規事業の立ち上げや、既存事業の抜本的改革を支援

―事業内容を教えてください。

 わかりやすく言いますと、ITコンサルティング業務をメインに行っています。近年は、新規事業の立ち上げや既存事業の抜本的な改革を支援することが多いですね。たとえば、「自社にITコンサルティング部門をつくりたい」というお客さまの要望に対して、当社のスタッフがPMO(※)のメンバーとしてお客さまの会社に入り込み、部門の立ち上げからプロジェクトチームの人材・環境の調整、必要なITツール選定などをトータルに行います。そして、お客さまがその部門を通じて、社内のDXを推進して業務効率化を図り、結果として業績の向上につながるまで伴走支援をするのです。そのほか、生成AIサービス構築やSaaSサービス開発・導入、EC環境の整備など幅広い領域でお客さまを支援しています。取引しているお客さまは、中小・ベンチャー企業のほかに、売上1兆円規模の大手企業などさまざまですね。
※PMO : Project Management Officeの略で、企業内でプロジェクトを円滑に進めるためにプロジェクトマネジメントを統括する部門や体制のこと

―ITコンサルティングサービスを手がける会社は多いですが、renueの強みはなんでしょう。

 大きく2つあると思っています。1つ目は、お客さまのビジネスの詳しい人材を必ずプロジェクトに加えること。たとえば金融系のお客さまが新しいアプリを開発したい場合、金融システムのトランザクション(※)の仕組みを把握したうえで、自分でコーディング(※)して「こんなアプリケーションはどうでしょうか」と提案できる人材です。当社には大手コンサルファームなどの経験者がそろっているほか、お客さまがニッチな業界の場合は、その業界に詳しい人材を、知り合いなどを使って探し出してプロジェクトに参加してもらうのです。2つ目は、成功報酬型であること。一般的なコンサルタントの多くは「時間フィー」(※)でお客さまと契約していますが、当社はお客さまの成果にコミットすることにこだわっています。こうした点が当社の強みであり、それが顧客の評価につながっているのだと自負しています。
※トランザクション : コンピュータシステムにおける、永続的なデータに対する不可分な一連の処理のこと
※コーディング : プログラミング言語を使ってソースコードを書く作業のこと
※時間フィー : 1時間あたりの報酬を事前に決めておくこと

現場で泥臭く手を動かすことを重視

―起業したきっかけを教えてください。

 日本のGDPを上げる仕事がしたいと考えたからです。私は、もともとコンサルティングファームで働いていました。そこでは完成されたビジネスモデルがあり、それ自体はお客さまに貢献できるものではありました。ただ、「時間フィー」という契約形態により、お客さまの成果に完全にコミットしているとは言い切れませんでした。結果として、「GDPを上げることに寄与しきれていない」と考えるようになったのです。そこでリスクをとってでも、成功報酬型でお客さまの成果にコミットしたいと考え、起業することにしたのです。

―経営を行っていくうえで重視していることはありますか。

 現場で泥臭く、手を動かすことです。極論、お客さまの成果につながるのであれば、IT領域にもこだわっていません。お客さまに代わって集客したり、対面営業したりもします。「手を動かし顧客とビジネスを共創する」をミッションに掲げているのもそのためです。うがった見方かもしれないですが、ITコンサルタントって聞くと、高級なスーツを着て、会議で見栄えのいいパワポをつくってプレゼンする、みたいなイメージってあると思うんですね。それでお客さまの成果につながれば否定はしませんが、そんなことはありませんから。伝わりやすいので「当社はITコンサルティングをやってます」と言っていますが、本当は言いたくないくらいです。それよりも、「お客さまと一緒に汗をかいて、新しい事業やサービスを生み出し、お客さまの成果にコミットする仕事です」というほうがしっくりきますね。

さまざまな業界に特化した経験をもつ人材を募集

―今後のビジョンを教えてください。

 より多くのお客さまに貢献するため、現在の20人規模を、今後は100名規模まで人員を拡大したいと考えています。また、国内だけでなく海外の企業の支援も行っていきたいですね。実際に海外からの引き合いはあるのですが、正直国内で手がいっぱいの状態なので、組織が整えばチャレンジしていきたいと思います。そのためにも、一緒に働いてもらえるメンバーを積極的に募集しています。

 ITコンサルティングの経験者はもちろん、さまざまな業界に特化した経験をもつ人材なら歓迎します。たとえばスーパーの品出しに詳しい人がいれば、スーパーの在庫を管理するシステムの導入を支援することも可能でしょう。ITに関する知識や技術、あとからいくらでも習得できます。

 正直、お客さまの成果にコミットしている当社の仕事は怖いです。「半年で新サービスをリリースします」「年商1億円にします」と言って契約するので、達成できなかったら全部当社の責任になりますから。そのぶん、実際に成果を出したときの気持ちよさはなにものにも代えられないものです。「お客さまの成果にこだわった仕事がしたい」という人は、ぜひ我々と「時間チャージ」が当たり前とされているコンサルティング業界の常識をひっくり返していきましょう。
PROFILE プロフィール
山本 悠介 (やまもと ゆうすけ)プロフィール
1989年、京都府生まれ。2010年に京都大学工学部を中退後、東京大学文学部に入学。2015年に卒業後、アクセンチュア株式会社に入社し、金融・ITのコンサルティング業務に従事する。その後、株式会社ジラフの執行役員CMOなどを経て、2021年に株式会社renue(リノイ)を設立し、代表取締役に就任する。
企業情報
設立 2021年3月
資本金 1,000万円
従業員数 約20名
事業内容 新規事業・海外進出・IT・経営DXコンサルティング、AI開発受託、組織内製化支援(教育・採用)
URL https://renue.co.jp/
※このサイトは取材先の企業から提供されているコンテンツを忠実に掲載しております。ユーザーは提供情報の真実性、合法性、安全性、適切性、有用性について弊社(イシン株式会社)は何ら保証しないことをご了承ください。自己の責任において就職、転職、投資、業務提携、受発注などを行ってください。くれぐれも慎重にご判断ください。