INTERVIEW 業界別起業家インタビュー
複数の業界から注目を集める連続起業家の経営哲学
仲間とともに「新しい景色」を創りたい。この想いこそが創業の原動力
株式会社ロボカル 代表取締役 芦川 泰彰
Sponsored 株式会社ロボカル
前ページでは、連続起業家の芦川氏に、メンバーとともに新たな事業や会社を立ち上げる魅力について聞いた。ここでは、同氏が2021年に立ち上げ、急速な成長を遂げているロボカルの幹部を取材。主力のファクトリーオートメーション事業を統括する岩本氏に、会社の強みや今後の事業展望などについて聞いた。
製造業で常態化した「諦めムード」
―改めて、ロボカルの事業内容を教えてください。
おもに、ファクトリーオートメーション(以下、FA)を専門とするフリーランスのエンジニアと業務委託契約を交わして製造業の企業に紹介する、外注委託先人材マッチングサービスを手がけています。この事業を展開する「エージェント事業部」は、今年6月に正式に立ち上がったばかりの部署ですが、事業の月商はそれまでの100万円前後から、現在では1,500万円ほどまで増大しています。この急成長の背景には、当社が創業時に主力事業として掲げていた「ロボットの導入コンサルティング」において、現場に足を運ぶ中で「エンジニアの人手不足」が一番のペインであると気づいたこと。そして、「人材マッチングサービス」へと主力事業を大きく変更し、市場のニーズを捉えてこれたことがあります。現在は、営業活動に時間や資金を投じれば投じるほど、企業側とエンジニア側のマッチングが成立し、売上が増えるような好調ぶりが続いています。
―それだけ市場のニーズが大きいと。
ええ。製造業で発生する人手不足に対しては、工場へ派遣社員を提供するビジネスが昔からありますが、FA領域に特化したフリーランスのエンジニアを紹介するサービスは存在していなかったようです。これまでメーカーは、FA化を進めるに当たってエンジニアが不足した場合、商社や知り合いなどの個人的なツテを通じて紹介を依頼していました。そうした企業にロボカルのサービスを案内すると、9割以上から「製造業にフリーランスのエンジニアがいるなんて、知らなかった」という反応をもらいます。
実態としては、フリーランスとして働くFA専門エンジニアは決して少なくはありません。しかし、そのエンジニアたちは基本的に、前職とのコネクションに頼って業務の発注元を探すのが一般的なので、人材の融通が進んでいないのです。こうしたFA専門エンジニアをめぐるニーズに着目し、事業方針を大きくピボットさせたところに、芦川の経営判断の鋭さを感じましたね。
実態としては、フリーランスとして働くFA専門エンジニアは決して少なくはありません。しかし、そのエンジニアたちは基本的に、前職とのコネクションに頼って業務の発注元を探すのが一般的なので、人材の融通が進んでいないのです。こうしたFA専門エンジニアをめぐるニーズに着目し、事業方針を大きくピボットさせたところに、芦川の経営判断の鋭さを感じましたね。
―この事業を成長させることで、製造業にどのようなインパクトを与えられると考えますか。
まず、「FA化は決してハードルの高いものではない」と、多くの企業に気づいてもらえるようになると思います。じつは、このマインドセットの変革こそが、とても重要だと私は考えます。「FA」という言葉自体は決して新しくはなく、人口減少が続く日本においてその必要性は長年、叫ばれてきました。しかし、実際の現場では「エンジニア不足だから仕方がない」という諦めムードが常態化し、特に中小メーカーにおいてFA化が進まない状況が続いています。ロボカルでは、人材サービスを通じてFA化を拡大させることで、そうした製造業のムードを一新させ、日本の製造業に再び元気を与えたいのです。
また、長期的に見れば、当社の事業はFA専門エンジニアの増加にも寄与できると考えています。
また、長期的に見れば、当社の事業はFA専門エンジニアの増加にも寄与できると考えています。
我々が挑戦できることは、まだまだある
―それはなぜでしょう。
人材マッチングが普及することで、製造業のエンジニアにも「フリーランス」という新しい働き方が定着し、それがFA専門エンジニアの増加につながると考えられるからです。フリーランスの場合、社員として働くよりも、自由に時間を使えるようになります。そこで捻出できた時間で新しいスキルを身につけていけば、収入アップにつなげることもできるでしょう。そのような働き方が一般化すれば、FA専門エンジニアを目指す人が世の中に増えていくはずです。それに伴い、製造業のFA化もより進みやすくなっていく。そんなプラスのサイクルが生まれてくると私たちは信じています。
―事業部長として、今後どのようなことを目指していきますか。
フリーランスのFAエンジニアが一般的になり、製造業における人材不足の解消、働き方の柔軟性や技術を持ったFAエンジニアの収入アップを実現するための「仕組みづくり」に挑戦していきたいです。たとえば、企業がFA専門エンジニアの手配に向けて発注する際は、見積書や発注書、請負書など、非常に多くの書類を取り交わす必要があります。そうした手間のかかる一連の手続きをデジタル化し、スマホ1台でエンジニアをアテンドできるようになれば、発注に伴う心理的なハードルは大きく下げられるでしょう。ほかにも、「製造業」という巨大なフィールドで当社が挑戦できることは、まだまだたくさんあります。そんな可能性を秘めたロボカルと一緒に挑戦を重ねたい人は、ぜひ私たちの仲間に加わってほしいですね。
PROFILE
プロフィール
芦川 泰彰(あしかわ やすあき)プロフィール
1987年、東京都生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。在学中にインターネット関連事業を手がける株式会社ミログの創業に参画。卒業後の2011年に株式会社ハッピーズを設立。全国の整形外科・接骨院に交通事故被害者を送客するプラットフォームを運営し、業界トップクラスのポジションを確立。2022年同社をファンドに2桁億円で売却。2021年、株式会社ロボカルを設立し、代表取締役に就任。
岩本 敏紀(いわもと としき)プロフィール
1989年、神奈川県生まれ。2010年に神奈川県立産業技術短期大学校を卒業後、森永製菓株式会社に入社。工場勤務でのオペレーター、生産技術担当を経て、2018年に本社の生産技術・開発部門に着任。新製品向けの生産ラインの検討や導入後の生産性管理、原価計算、投資回収性試算など幅広く生産技術業務に携わる。2023年4月、株式会社ロボカルに入社し、同年6月より現職。
企業情報
設立 | 2021年1月 |
---|---|
資本金 | 9,229万円 |
従業員数 | 10名 |
事業内容 | 工場エンジニア専門の人材マッチングサービス「ロボカル」 |
URL | https://corp.robokaru.jp/ |
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