INTERVIEW 業界別起業家インタビュー
難病に屈せず飲食業の革命に挑む起業家
人を楽しませるために熱狂的に働けば必ず成功するんです
株式会社ダイヤモンドダイニング 代表取締役社長 松村 厚久
※下記はベンチャー通信63号(2016年4月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
IPO実務のリーダーを28 歳の若手に任せた
―管理部門のスタッフにも大きな裁量権を与えているそうですね。
はい。たとえば当社が2007年にIPOを果たしたとき。その実務を任せたのは当時28歳の若手スタッフでした。とくにその領域の知識・経験があったわけではない。でも、やる気は非常にあった。プレゼン資料をつくるためのソフトの使い方から勉強して、なんとかやりとげてくれました。
―2015年7月には東証一部に上場しました。改めて上場を目指した理由を聞かせてください。
いくつかあります。おもなものを2つあげるとするなら、社員のモチベーションアップと、業界の地位向上です。
勤務先が上場企業なら、たとえば有利なローンが組めていい家に住める。社員にとって、会社が上場することは大きなステイタスをもつことにつながります。
そして、飲食業である当社が上場することで、メーカーや金融機関などと並ぶ業種として飲食の地位をひきあげたい。飲食はお客さまに大きな喜びを与えられる最高のエンターテインメント産業。私は学生時代、イタリアンレストランチェーンのサイゼリヤでアルバイトをしていたときから、そう思っていました。飲食業の地位が低くていいはずはない。
いま私は飲食業の多くの経営者たちと交流をもち、パーティーやイベントを盛んに開いています。みんなで課題を共有し、ともに解決の努力をしていくことで、業界全体の活性化につなげたいからです。
勤務先が上場企業なら、たとえば有利なローンが組めていい家に住める。社員にとって、会社が上場することは大きなステイタスをもつことにつながります。
そして、飲食業である当社が上場することで、メーカーや金融機関などと並ぶ業種として飲食の地位をひきあげたい。飲食はお客さまに大きな喜びを与えられる最高のエンターテインメント産業。私は学生時代、イタリアンレストランチェーンのサイゼリヤでアルバイトをしていたときから、そう思っていました。飲食業の地位が低くていいはずはない。
いま私は飲食業の多くの経営者たちと交流をもち、パーティーやイベントを盛んに開いています。みんなで課題を共有し、ともに解決の努力をしていくことで、業界全体の活性化につなげたいからです。
ハワイに重点投資して海外での成功事例をつくる
―今後、どんなビジョンを描いていますか。
既存の主力事業である飲食とアミューズメントでは、安定的に業績が推移している国内を基盤として、業容と利益をともに拡大していきます。具体的には既存の高収益ブランドを中心とした積極的な出店を予定しています。
一方、海外展開については、経営資源の選択と集中により、ハワイに投資して、まずはそこで成功事例をつくりたい。そのうえで当社グループの強みを活かしたブランド店舗を世界に発信していくため、ビジネスモデルの再検討・再構築を進めます。
さらに、新規事業にも力を入れていきます。その代表例が2014年末からスタートしたウェディング事業です。ハワイで挙式するコンセプトで、この1年間にチャペルの改装をはじめとした投資を実施。現在、より魅力的な挙式プランを開発し、ブランド価値の向上に取り組んでいるところです。
そして、今年秋には関西で「大型パーティー会場&結婚式場」をコンセプトにした新店舗をオープン。今後ますます盛り上げていく予定です。
一方、海外展開については、経営資源の選択と集中により、ハワイに投資して、まずはそこで成功事例をつくりたい。そのうえで当社グループの強みを活かしたブランド店舗を世界に発信していくため、ビジネスモデルの再検討・再構築を進めます。
さらに、新規事業にも力を入れていきます。その代表例が2014年末からスタートしたウェディング事業です。ハワイで挙式するコンセプトで、この1年間にチャペルの改装をはじめとした投資を実施。現在、より魅力的な挙式プランを開発し、ブランド価値の向上に取り組んでいるところです。
そして、今年秋には関西で「大型パーティー会場&結婚式場」をコンセプトにした新店舗をオープン。今後ますます盛り上げていく予定です。
100人の経営者を輩出しそのなかから後継者を育成
―松村さんの後継者に関する考え方を聞かせてください。
いま、当社は「100社100人の経営者の輩出」をめざしています。その100人の経営者のなかから後継者として適任の人材が誕生するはずです。
当社は今後の戦略として「Google化」を構想しています。これは、次々と技術革新を生み出し、継続的に成長しているGoogleにならい、飲食業の領域にとどまらず継続的にイノベーションを起こせる組織や事業のあり方を追求していこうという構想です。
その構想の重要な要素のひとつが、「100社100人の経営者を輩出し、それが集まってシナジーを生むグループ体制」です。かつて「100店舗100業態」を追求していくなかで、店舗に大きな裁量を与え、それぞれの判断で動くことで、新たなコンセプトが生まれてきた。その経験を活かし、今度は100のグループ会社をつくり、それぞれのトップに意思決定を任せることで、イノベーションが生まれる環境をつくり出します。
そして、100社が有機的に連携することで、経営環境の変化に柔軟に対応できる機動的な組織ができるはずです。
当社は今後の戦略として「Google化」を構想しています。これは、次々と技術革新を生み出し、継続的に成長しているGoogleにならい、飲食業の領域にとどまらず継続的にイノベーションを起こせる組織や事業のあり方を追求していこうという構想です。
その構想の重要な要素のひとつが、「100社100人の経営者を輩出し、それが集まってシナジーを生むグループ体制」です。かつて「100店舗100業態」を追求していくなかで、店舗に大きな裁量を与え、それぞれの判断で動くことで、新たなコンセプトが生まれてきた。その経験を活かし、今度は100のグループ会社をつくり、それぞれのトップに意思決定を任せることで、イノベーションが生まれる環境をつくり出します。
そして、100社が有機的に連携することで、経営環境の変化に柔軟に対応できる機動的な組織ができるはずです。
がむしゃらに働いて5年間で50店舗を達成
―ベンチャーや飲食業への就職を志す学生にメッセージをお願いします。
創業当時、私は「5年後には3店舗にしよう」と宣言していました。しかし、そう宣言したものの、当時は本当に5年後に3店舗になっているのかどうか、じつはまったくイメージできていませんでした。
しかし、私は仲間と一緒に、がむしゃらに働き続けました。その結果、5年後にどうなったか。50店舗になっていたのです。
この経験からも断言できます。人間の可能性は無限大です。自分の限界を決めて、簡単にあきらめてしまい、未来の可能性を閉じてしまうのは、いつも弱い自分自身です。それを克服するために、みなさんには次の言葉を贈ります。「夢は大きく、有言実行」。
しかし、私は仲間と一緒に、がむしゃらに働き続けました。その結果、5年後にどうなったか。50店舗になっていたのです。
この経験からも断言できます。人間の可能性は無限大です。自分の限界を決めて、簡単にあきらめてしまい、未来の可能性を閉じてしまうのは、いつも弱い自分自身です。それを克服するために、みなさんには次の言葉を贈ります。「夢は大きく、有言実行」。
PROFILE
プロフィール
代表取締役社長(まつむら あつひさ)プロフィール
1967年、高知市出身。1989年に日本大学理工学部卒業後、日拓エンタープライズ株式会社に入社。1995年に独立して日焼けサロンを開業。1996年に有限会社A&Yビューティサプライ(現:株式会社ダイヤモンドダイニング)を設立。2001年に飲食業へ進出、東京・銀座にレストラン1号店を開店。その後、「100店舗100業態」という業界常識を覆す出店戦略で会社を急成長させ、2007年に大証ヘラクレス(現:JASDAQ)に株式上場を果たす。2014年に東証2部、2015年に東証1部上場。同年に自身の人生のノンフィクション『熱狂宣言』(幻冬舎)を出版。そのなかで若年性パーキンソン病であることを告白した。
企業情報
設立 | 1996年3月 |
---|---|
資本金 | 5億2,643万円(2015年8月末時点) |
売上高 | 260億7,924万円(2015年2月期:連結) |
従業員数 | 3,690名(2015年2月末時点:連結) |
事業内容 | 飲食事業(居酒屋・レストランなど)の経営・企画・運営、アミューズメント事業(ビリヤード・ダーツ・複合カフェなど)の経営・企画・運営、ウェディング事業 |
URL | http://www.diamond-dining.com/ |
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