政府が重点施策として進める「働き方改革」。これを先取りするかたちで先進的なカルチャーを築き、優秀な人材を惹きつけることでめざましい成長を遂げているベンチャー企業がある。ワークスアプリケーションズだ。働き方をめぐる環境が大きく変わろうとしている時代に、人や企業が成長を追い求めるにはどのような戦略をもつべきか。CEOの牧野氏に「働き方改革」に対する見解や独自のキャリア論について聞いた。
※下記はベンチャー通信68号(2017年6月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
人工知能型の登場「働き方」が大きく変わる
―前期は連結売上高400億円を突破するなど、近年めざましい成長を続けています。
2011年のMBO(※)を機に、「目先の利益」ではなく「将来の成長」を重視する経営に舵を切った成果がここにきて出始めているのでしょう。当社の競合は売上規模が当社の数倍から数十倍を誇る北米、欧州の大手です。そのなかで、顧客に真の価値をもたらす革新を起こし、グローバル競争を勝ち抜くには、長期的視野で一定規模の研究開発費を確保し続けなければなりません。たいがいの経営者は、ある程度成長を遂げたら、足踏みしてしまうもの。しかし、そこからさらにメガベンチャーへと飛躍するためには、なんども踊り場を突破しなければなりません。そのために短期の成長、目先の利益を一部犠牲にしてでも、長期的な成長を追い求めるための投資を続けてきたのです。
同時に、創造的なプロダクトをつくるためには、圧倒的に優秀な人材を抱えることが絶対条件です。そうした人材がつねに興奮できるフィールドを用意し続けるためにも、成長を追い求める必要がありました。
※MBO:マネジメント・バイアウト。経営陣が株主から自社株式を譲り受け、オーナー経営者として独立すること
―その成長投資の成果が人工知能搭載型ビジネスアプリケーション『HUE』ですね。
そのとおりです。『HUE』は、この数十年、進化が止まっていたエンタープライズITの世界に革新をもたらすものです。これまでは、経営判断の材料を得ようとすれば、同じような内容であっても膨大で煩雑な「情報収集」「入力」「資料作成」などのオペレーションを繰り返さなければなりませんでした。しかも、そうした入力作業は分析が緻密になるほど飛躍的に増加していきます。
これに対し『HUE』は、生産性の最大の阻害要因となっている繰り返し作業や定型化できるオペレーションを人工知能が肩代わりすることで、ヒトがコンピュータと格闘する時間を劇的に減らしてくれるものです。「コンピュータならこれくらいやってよ」という作業から解放されれば、たとえば営業部門なら営業戦略の策定に、人事部門なら人事戦略の策定という具合に、本来なすべき業務に労力を振り向けられます。その結果、労働生産性は飛躍的に上がり、人々の「働き方」は大きく変わっていくことになるのです。
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