INTERVIEW 業界別起業家インタビュー
eマーケティングの旗手からデジタル革命の担い手たちへの伝言
50年後のこの国の繁栄を生み出す気概をもて
株式会社オプトホールディング 代表取締役社長グループCEO 鉢嶺 登
「当グループは2030年に売上高1兆円の達成をめざします」―。eマーケティング事業を主軸に成長を続けるオプトホールディング代表の鉢嶺氏が、グループ初の全社員総会でこう高らかに宣言したのは、2017年初めのことだった。「事業創造プラットフォーム」という理念を掲げ、社内外で新事業の創出を支援している同社。「デジタル革命」の真っただ中にあって、「周囲には、可能性に満ちた投資先があふれています」と自信をのぞかせる鉢嶺氏に、そのビジョンを聞いた。
※下記はベンチャー通信70号(2018年1月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
すべての会社は業態が変わると思った方がいい
―年初に「2030年の売上高1兆円達成」を宣言し、周囲を驚かせました。ねらいはなんだったんですか。
「自分たちがやっている事業には、想像以上の可能性があるんだ」という❝事実❞を示したかったんです。ですから、「1兆円」という数字自体に特別な意味があるわけではなく、ここで伝えたかったのは、一見とても手が届かなそうに見える未来でした。
社会にはいま、「デジタル革命」という大きな波が来ていて、すべての産業がデジタルシフトによって大きな変革が迫られている状況です。日本のトップ企業であるトヨタ自動車でさえ、例外ではない。かつてフォードやGMだと考えていた競合相手には、自動運転技術の登場によってグーグルが浮上してきた。また、シェアリングエコノミーの台頭によってライドシェアが普及すれば、それはUber(ウーバー)やLyft(リフト)になるかもしれない。こうした変化があらゆる業界で起こる。いま存在するすべての事業会社は業態が変わると思った方がいい。オプトグループの「資源」を考えると、そうした社会の変革を先導する立場にあると考えました。1兆円くらいの大きな目標を立てないと、バチが当たると思ったんです。
社会にはいま、「デジタル革命」という大きな波が来ていて、すべての産業がデジタルシフトによって大きな変革が迫られている状況です。日本のトップ企業であるトヨタ自動車でさえ、例外ではない。かつてフォードやGMだと考えていた競合相手には、自動運転技術の登場によってグーグルが浮上してきた。また、シェアリングエコノミーの台頭によってライドシェアが普及すれば、それはUber(ウーバー)やLyft(リフト)になるかもしれない。こうした変化があらゆる業界で起こる。いま存在するすべての事業会社は業態が変わると思った方がいい。オプトグループの「資源」を考えると、そうした社会の変革を先導する立場にあると考えました。1兆円くらいの大きな目標を立てないと、バチが当たると思ったんです。
―オプトグループがもつ「資源」とはなんでしょう。
それは豊富なデジタル人材であり、大きな顧客基盤、そして最新のネット情報が入手できる環境です。当グループでは、最先端のデジタル技術に精通した1600人もの人材を抱えています。また、いま企業が競って導入を急いでいるAI技術をめぐっては、当グループには、日本では最大規模になる6000人ものデータサイエンティストとネットワークを組んでいます。こうした人材がeマーケティングのノウハウを駆使してデジタルシフトをサポートしている顧客は、じつに数千社にのぼります。こうした経営基盤にベンチャー投資の最前線から常に最新のビジネスモデル情報が入ってくる。これらを掛け合わせて、新しいビジネスの可能性が次々と生まれているのが現状です。当社が手がける投資育成事業もそれを示しており、台頭するシェアリングエコノミーの時流をとらえ、印刷会社の「ラクスル」や、地元の無料広告掲示板「ジモティー」など有力ベンチャー企業がどんどん育っています。顧客のデジタルシフト支援事業で7000億円、自らの投資や立ち上げによるデジタル事業で3000億円、合計1兆円をめざします。
人類史上例のない成長モデルをつくる転換点
―売上高1兆円も決して夢物語なんかではないと。
もちろんです。いまは大きなチャンスなんです。18世紀の産業革命を上回るチャンスかもしれませんよ。とくに、少子高齢化と人口減少で経済の縮小が懸念されている日本は、ITやAI、ロボティクスなどを活用し、経済を効率化する必要性にもっとも迫られている。デジタル化の波にうまく乗れれば、一躍世界経済のトップランナーに返り咲くことができる。それは、「人口減少下での経済成長」という、人類史上例のない経済成長モデルをつくりあげることを意味します。
「人口が増加しなければ、経済が成長しない」なんて常識が本当に普遍的なものならば、いつかは地球が破綻してしまいます。そんな人類史の転換点で、新たな成長モデルの可能性を試されているのが、いまの日本なんです。「30年後、50年後の日本の繁栄は、われわれがつくる」。そんな気概を、デジタル産業にかかわる人材はもたなければいけません。
「人口が増加しなければ、経済が成長しない」なんて常識が本当に普遍的なものならば、いつかは地球が破綻してしまいます。そんな人類史の転換点で、新たな成長モデルの可能性を試されているのが、いまの日本なんです。「30年後、50年後の日本の繁栄は、われわれがつくる」。そんな気概を、デジタル産業にかかわる人材はもたなければいけません。
―夢のある話ですね。そうしたパラダイムシフトに直面するなかで、チャンスをつかむために必要なことはなんでしょう。
明確で大きな目標を常にもち、それを公言することです。勇気がいることですが、そうすることで、周囲から気づきが得られ、目標はブラッシュアップされていく。頭で思っているだけでは進化がない。人生で壁にぶつからない人はいません。そんなとき、目標をもっている人間は強い。当社で事業を育てたり、上場を果たすなど、成功を手にした人材を見ると、それは共通した素養といえます。
―だから鉢嶺さんも壮大な目標を掲げたと。
そうです。現状の延長線上だけでは絶対に達成できない目標を掲げると、人は「どうすれば実現できるか」とマインドが変わり、行動が変わるもの。いわば、目標が現状を動かしていく原動力になる。過去に日本経済の繁栄を築いた先人たちも、きっとそうして成功をつかんでいったはずです。当社ではいま、「デジタル革命」の担い手たちが壮大な目標を前に、喧々諤々の議論を続ける毎日を送っていますよ。
PROFILE
プロフィール
鉢嶺 登(はちみね のぼる)プロフィール
1967年、千葉県生まれ。1991年に早稲田大学商学部を卒業後、森ビル株式会社に入社。1994年に米国で発展していたダイレクトマーケティング事業を日本で展開するため有限会社デカレッグス(株式会社オプトを経て現在は株式会社オプトホールディング)を設立、代表取締役社長に就任。2000年に広告効果測定システム「ADPLAN」(アドプラン)を開発、販売開始。顧客から高い支持を得た。2004年にジャスダック上場。2013年に東証一部上場。2015年に持ち株会社体制へ移行し、株式会社オプトホールディングの代表取締役社長グループCEOに就任。
企業情報
設立 | 1994年3月 |
---|---|
資本金 | 76億8,400万円(2016年12月末現在) |
売上高 | 698億円(2016年12月期実績:連結) |
従業員数 | 1,488名(2016年12月末現在:連結) |
事業内容 | マーケティング事業、投資育成事業、海外事業など |
URL | http://www.opt.ne.jp/holding/ |
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