累計経営者579人に取材、掲載社数323ニッポンを創るビジョナリーベンチャーを紹介

金融業界の起業家インタビュー

リスクモンスター株式会社 代表取締役社長 藤本 太一

金融商取引に潜むリスクを最小限に抑え日本経済の活性化に貢献する

リスクモンスター株式会社 代表取締役社長 藤本 太一

「取引先が倒産して債権が回収できなくなった…」。このような企業リスクをコントロールするのが「与信管理」であり、そのリスクを数値化してリスクヘッジするという点において、保険とも密接に関連している。その与信管理業務支援をメインに事業展開しているのが、リスクモンスターだ。2000年の創業以来、グループ全体で1万2,000超の法人会員を獲得しているという。代表の藤本氏に、事業の詳細などを聞いた。

※下記はベンチャー通信76号(2019年7月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

今後1年間の倒産確率を6段階評価で格付

―どのようにして企業の与信管理を支援しているのですか。

 独自のデータベースを活用して企業の信用格付を算出し、会員企業に提供するのがメイン事業です。この信用格付を当社では、「RM格付」と呼んでいます。

 RM格付では、企業をA格からF格までの6段階で評価しています。F格の評価になれば、もっとも倒産する可能性が高いというわけです。「わざわざリスクを段階分けしなくても、そもそも倒産する可能性のある会社と取引しないほうがいいのでは」と思う人がいるかもしれません。ただ、どんな企業も倒産するリスクはゼロではないし、ほぼ倒産する可能性がない企業のみを対象としていては取引先の拡大は望めません。そこで当社では、「あの企業はC格です」という企業信用力と、「格付と御社の企業体力から導き出した推奨取引限度額はこの金額です」といった、ふたつの与信判断指標を提供しているのです。希望取引額と推奨取引限度額に差異がある場合は、取引信用保険や債権保証サービスなどを付帯して、リスクヘッジを支援しています。

―どのように格付しているのでしょう。

 当社のデータベースは、国内最大規模を誇っており、30社以上の情報機関から毎日提供されるデータと月次で行われるデータの入れ替えにより、つねに更新しています。また、累計65万件にのぼる倒産企業データの分析を行っています。

 さらに、景気変動などの外部要因に注目し、それらによる倒産トレンドの変化にもすぐ対応しています。そうした取り組みにもとづいた倒産判別力の高さが、会員企業やパートナーとなる保険会社などからの信頼につながっているのです。

事業展開のポイントは自社の強みが活かせること

―創業のきっかけはなんだったのですか。

 私はもともと商社で与信管理と債権回収業務を行っていたのですが、「統計学にもとづいて会社を分析し、格付すれば、もっと効率的かつ柔軟な与信管理が実現できるはず」と考えていたのです。いまでこそ「格付」という言葉は世間に浸透していますが、当時の日本ではそういう発想があまりなかった。与信管理においては、経験や直感による主観的な判断に依存していたうえに、結論も「取引するのは○か×か」程度のあいまいな基準だったのです。

 そこで当時の上司と先輩に、自分が考えていたビジネスモデルと格付ロジックを話すと「おもしろいな」という話になり、3人で会社を立ち上げたのです。

―藤本さんが経営を行っていくうえで重視していることはなんでしょう。

 「プロフェッショナリズムを利益の源泉にしよう」ということですね。いいかえると、自社の強みである与信管理のノウハウがきちんと活かせる分野で積極的に勝負をしていこう、と。そのため、関連のない分野に手を出したり、関連のないM&Aなどで事業拡大を図ったりはしません。

与信管理の支援領域をもっと広げていきたい

―今後のビジョンを教えてください。

 2020年に、当社は創業20周年を迎えます。それに向けて、全社一丸となってギアを上げているところです。そのようななかでも、やはり与信管理の支援をもっと強化していきたいと考えています。

 当社は与信管理分野において、判断指標だけでなく、与信管理規程のコンサルティングやシステム構築、リスクヘッジ、人材の教育やセミナーなどワンストップでサービスを提供しており、それがいちばんの強みです。ですから、その領域をもっと広げていきたいですね。

 また、ベンチャー企業のIPO支援を積極的に行っていきます。ベンチャー企業はコア業務に集中するため、与信管理や反社チェック(※)体制にまで手が回っていないケースが多いのです。ちなみに昨年は、IPOを果たした企業のうち、約3割を当社がコンサルティングさせていただきました。

※反社チェック:反社会的勢力(暴力団などとなんらかの関係が疑われ、企業として関係をもつべきでないと判断する勢力)を企業が見極め、契約の前に排除していく活動のこと

―学生にメッセージをお願いします。

 私は学生と会う機会も多いのですが、「早く起業家になりたい」という人が本当に多いです。それはとてもいいことなのですが、一方で急いで起業する必要はないとも考えています。私自身、オールドエコノミーの会社で学び、小さな気づきから会社を立ち上げた経験がありますから。そういう選択肢もあることを、伝えたいですね。

藤本 太一(ふじもと たいち)プロフィール

1971年、兵庫県生まれ。1995年に大阪大学工学部を卒業後、日商岩井株式会社(現:双日株式会社)に入社。審査部にて、与信管理や債権回収業務などを担当する。2000年に上司と先輩と3名でリスクモンスター株式会社を設立し、取締役に就任。ビジネスモデル及び格付ロジックの考案者。2011年に代表取締役社長に就任する。

企業情報

設立 2000年9月
資本金 11億5,599万3,391円(2019年3月末現在)
従業員数 127名(連結子会社5社)
事業内容 法人会員向け与信管理ASP・クラウドサービス事業および関連コンサルティング事業、ビジネスポータルサイト、デジタルデータ化サービスなどの各種BPO事業、教育関連事業を含むその他サービス事業
URL https://www.riskmonster.co.jp/

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