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著名起業家インタビュー

GMOインターネット株式会社 代表取締役会長兼社長・グループ代表 熊谷 正寿

著名起業家「なくてはならない事業でNo.1になる」これこそ会社が長く発展できる道

GMOインターネット株式会社 代表取締役会長兼社長・グループ代表 熊谷 正寿

上場企業9社を擁し、グループ売上高は1,900億円を超える。いまや押しも押されもせぬ日本を代表するメガベンチャーといえるGMOインターネット。先ごろ発表された2019年12月期決算では、11期連続で過去最高益を更新し、その勢いは止まらない。しかし、代表の熊谷氏に笑顔はない。厳しい視線のその先に描く、会社の将来像とは。企業成長にかける想いや、将来ビジョンなどについて同氏に聞いた。

※下記はベンチャー通信79号(2020年4月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

「今までよりも10センチ深く頭を下げろ」

―2019年は上場20周年を迎えたほか、グループ第2本社がオープンするなど、グループにとって節目の年になりました。

 すべては、すばらしいパートナーに恵まれ、多くのお客さまや株主のみなさまに支えられた結果です。創業から25年が経ちましたが、産業界全体で見れば、当社などまだまだ小さな存在。グループ第2本社ができたことで、勢いを感じるのは結構なことですが、それにともなって頭が高くなるようでは、徳がない。グループ第2本社ができて、取締役会や幹部会などで私が伝えたのは、「今までよりも10センチ深く頭を下げるように」ということ。勘違いは厳に戒め、慢心せず、淡々と世の中の役に立つ会社であり続けたいと願っています。

―足元の業績(2019年12月インタビュー実施時点)をどのように評価していますか。

 決して満足はしていません。我々が社内で掲げている高い成長目標を念頭に置くならば、まだまだ改善の余地があると感じています。

 一方で、インターネットインフラをはじめとする我々の「岩盤事業」において、1,240万(2019年12月発表時点)を上回るお客さまにご利用いただいている事実については、感謝とともに高く評価しています。日々、経営にまつわるあらゆる数字が私のもとにあがってきます。そのなかで、新規契約数はつねに注目しています。なぜなら、それはお客さまの間での当社の人気度にほかならないからです。

100年存続させるために、今なにをすべきか

―従来の主力事業にくわえ、金融や仮想通貨といった「新規事業」も顧客数の伸びをけん引しているようですね。

 まだまだ、緒に就いたばかりです。金融事業は新規事業といっても、30年近く前から構想していたもの。日本の旧財閥系企業をはじめ、国内外で長く続く事業体を研究するなかで、インフラ系事業と金融事業とを組み合わせる事業モデルに、企業成長への示唆を得てきました。そういった事業体にならい、現在のIT時代に置き換えた場合、どのようなカタチになるべきかを研究した末に推進しているのが、現在のインターネット金融事業です。たまたま実行フェーズに入ったのが今というだけで、私のなかで新規事業に乗り出している意識はないんです。

―ならば、熊谷さんが現在もっとも力を入れている経営テーマとはなんですか。

 「会社を50年、100年存続させるために、今なにをすべきか」。それに尽きます。統計学的に見ても、会社というものは元来長くは続かないもの。起業してから、10年後も存続しているのは、100社中わずか2~3社というのが統計的に見た現実です。そのなかで会社を長く発展させるにはどうしたらいいのか。それだけが私の追い求める経営テーマと言っていいですね。

No.1しか生き残れない時代

―現時点で、どのような答えが見つかっていますか。

 「世の中になくてはならない事業を手がけること」です。極論すれば、事業というものは、「世の中になくてはならないもの」と、「あってもなくてもいいもの」の2つに分けることができます。長く存続する企業体に共通しているのは、前者の事業を手がけていること。私も、基本的に「思いつきの事業」はしないようにしています。本気で手がける事業は、あくまで仕組みとしてなければ世の中が困る事業。たとえば、ドメインがそうです。これがなくては、インターネットは動かない。なくてはならないものだから、提供させていただいているんです。ただし、そうした事業はなにも当社が提供しなくても、必ず代わりにほかの事業者が提供するもの。だから、その市場で選ばれ、生き残るには、No.1になるしかありません。ネット銀行だって同じです。なくてはならない事業だが、私がやらなくても誰も困らない。だから、GMOにしかできないサービスを提供しないと生き残れないし、やる意味がない。

―だから、GMOは「圧倒的No.1」を信条にしていると。実際、インフラ事業では多くの分野でシェア1位を獲得しています。

 ええ。とてもシンプルな話なんです。我々が普及に貢献したインターネットは、モノやコトの比較を格段に容易にしました。距離や環境といった制約を乗り越え、時間やお金などの比較を瞬時にできるようにした。それこそがIT革命の本質です。自分が買ったモノ、受けたサービスが世の中でどれだけの価値があるか、何番目の価値なのかが、場合によっては手にする前からわかってしまう時代です。そこで生き残るには、お客さまに喜んでもらえるNo.1のサービスを提供し続けるしかないんです。

想像できることはすべてかなう

―「第四次産業革命」とも呼ばれ、多くのベンチャー企業が登場している現在を、熊谷さんはどう見ていますか。

 私は、インターネットの登場は間違いなく「産業革命」だと認識しています。産業革命でチャンスが生まれるので、多くのベンチャー企業が誕生し、市場に参入してくるのは自然なことであり、世の中を良くするうえでは、とても喜ばしいことです。

 過去の歴史を研究するなかで、「産業革命は55年続く」というのが、私の持論です。インターネットによる産業革命の起点は間違いなく1995年であり、25年目を迎えた現在はようやく中間点。1日の生活にたとえると、まだランチタイムに過ぎない。最高のディナーはこれからです。私自身、どんなディナーが食べられるのか、ワクワクしていますよ。

―これからの時代に、起業家や事業家を目指す若者にメッセージをお願いします。

 起業家や事業家を目指す人ならば、真剣になりたいと思い、それに打ち込んで努力してください。人は、自分の思った通りの人になれます。何事も深く考え、ゴールを決め、覚悟をもってのぞめば、できないことなんてありません。誰もが「空なんて飛べるはずがない」と思っていた時代に、「必ず飛べる」と信じたライト兄弟が飛行機を生み出しました。高校中退の私が上場企業9社をつくり、1,200万人を超えるお客さまをもつサービスを生み出すこともできました。大事なのは、限られた時間をいかに有効に使うか。1日は誰にでも平等に24時間しかありません。自分を強く律し、その時間をいかに使うかで人生は大きく変わってくる。「できない」のではなく、自分が「やらない」だけ。クチで言うほど簡単なことではないですが、結局は自分次第。想像できることは、すべてかなうのですから。

熊谷 正寿(くまがい まさとし)プロフィール

1963年、長野県生まれ。東証一部上場のGMOインターネット株式会社を中心に、上場企業9社を含むグループ全112社、パートナー(従業員)6,058名(2019年9月末時点)を率いる。1991年、株式会社ボイスメディア(現:GMOインターネット株式会社)を設立、代表取締役就任。1995年、インターネット事業を開始。1999年に「独立系インターネットベンチャー」として国内初の株式上場。「すべての人にインターネット」を合言葉に、インターネットインフラ事業、インターネット広告・メディア事業、インターネット金融事業、仮想通貨事業を展開。2018年7月には、「No.1テクノロジーバンク」を標榜する新しいネット銀行事業を開始。

企業情報

設立 1991年5月
資本金 50億円
売上高 1,961億7,100万円(2019年12月期)
従業員数 6,058名
事業内容 インターネットインフラ事業、インターネット広告・メディア事業、インターネット金融事業、仮想通貨事業
URL https://www.gmo.jp/

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