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著名起業家インタビュー
株式会社デジタルホールディングス 代表取締役会長 鉢嶺 登

著名起業家 社会の発展に資するものか、そう問い続けることで事業は成長する

株式会社デジタルホールディングス 代表取締役会長 鉢嶺 登

「いまを第3の創業期と位置づけています」―。代表の鉢嶺氏がこう語るインターネット広告大手のオプトホールディングはこの7月、デジタルホールディングスへと商号変更を行った。これに伴い、主力事業のシフトをはじめとする事業構造改革も打ち出している。いまや年商1,000億円に迫る企業グループを育て上げた同氏が、創業から26年が経過したこの時期に大きな決断を下した背景はなにか。今後の事業ビジョンとともに、同氏に聞いた。

※下記はベンチャー通信81号(2020年9月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

成長のなかで、長く持ち続けてきた課題感

―今年2月に商号変更を発表し、7月からデジタルホールディングスとして新たなスタートを切りました。大きな決断を下した背景をあらためて聞かせてください。

 これまで当社は、インターネット広告を主力事業に成長してきました。この業界は今後10年先も間違いなく成長し続けていくでしょうし、事業の展望は明るいと言えます。一方で、従来の広告代理事業というビジネスモデルの将来性や、この事業が生む社会的意義に対して、長く課題感を持ち続けていたのも事実です。世の中の新しいスタンダードを先取りし、社会の発展に貢献していく。それが我々の使命だとするなら、豊富なデジタル人材やeマーケティングの資産を今後どう活かしていくべきか。その結論が、「デジタルシフト事業」というカタチでした。インターネット広告事業を通じて広告やマーケティング手法のデジタルシフトを支援してきた当社ですが、今後はそれをさらに進めて、顧客のビジネスモデル自体のデジタルシフトを支援していく。それこそが、当社に課せられた社会的使命だと考え、その認識を鮮明にするため、社名にはもっとも端的な「デジタル」というワードを掲げたのです。

―その新体制は、「コロナショック」真っ只中でのスタートになりました。

 もちろん、商号変更を決めた昨年の段階では想定していない事態でしたが、図らずも今般のコロナショックは、リモートワークの普及や業務プロセスのIT化など、社会のデジタルシフトを否応なく推し進めています。21世紀に入り、「デジタル産業革命」というビジョンが語られてきましたが、「デジタルシフトに乗り遅れた企業は廃れていく」という未来を、今回の危機ほど鮮明に示したものはありません。

 実際、これまで、規模の大小を問わず企業に対しデジタルシフトを啓発し、提案してきましたが、ここにきてようやくその重要性に気づいていただき、真剣に受け止めてくださる経営者が増えてきました。この光景は、2000年前後に当社がいち早くインターネット広告を提示し、市場を開拓していった当時と非常に似ているんです。当時を「第2の創業」と振り返る当社では、いまをまさに「第3の創業」と位置づけています。

目標を「売上高1兆円」から「企業価値1兆円」へ変更

―昨年は創業から25年を迎えました。この間、会社が成長し続けることができた要因はなんだったのでしょう。

 ふたつあると考えています。ひとつは、成長市場に事業の軸足を置き続けたこと。いくら優秀な経営者や事業モデルがあっても、事業ドメインが伸びないことには会社の成長はありません。市場が伸びるということは、そこにニーズがあるということ。FAXによるダイレクトマーケティング事業で創業し、第2の創業でインターネット広告という市場に軸足を移し、今後はデジタルシフト事業を主戦場とする。世の中に先がけて、市場のニーズや新しいスタンダードを確立してきたのが、まさに当社の歴史です。

 もうひとつは、事業の社会貢献価値を大切にしてきたこと。自社のソリューションは、社会の発展や国力の向上に資する事業かどうか。事業を展開していくうえでは、このことをつねに問い続けてきました。

―デジタルシフト事業は、まさに社会的な要請が強い事業ですね。

 そう思います。まず果たすべき役割=大義があって、利益は後からついてくる。当社が大事にする「5BEATS」と名づけた5つのバリューの一番目にも「先義後利」を掲げていますが、今回のデジタルシフト事業もこの考え方からスタートしています。今後も当社はこの考え方を守り、事業を通じた社会貢献価値の極大化を追求していきます。そうなると我々が目指すべき会社の価値は、必ずしも売上高では表現できないのかもしれない。デジタルホールディングスへの商号変更に合わせ、2030年の経営目標を従来の「売上高1兆円」から「企業価値1兆円」へと変更したのには、そうした背景がありました。

顧客と同じ目線を、持てる人材を抜擢

―今後、社会のデジタルシフトをどのように後押ししていきますか。

 今年4月に、顧客のデジタルシフトを支援するコンサルティング会社「デジタルシフト社」を設立しており、ここを当社のデジタルシフト事業の中核のひとつに据えていきます。

 じつは、この設立をめぐり、私はひとつの挑戦をしました。発足メンバーとして、社内から30人の有志を募ったのですが、対象をあえて財務や人事、広報といった管理部門の人材に限定したのです。当社のなかでは、年齢層が比較的高く、それほどデジタルリテラシーが高くはない人材です。

―その理由はなんでしょう。

 顧客と同じ目線を持てることが、今後デジタルシフト事業を担う人材には必要だと考えたからです。彼ら彼女らをデジタル武装していくプロセスこそ、我々が提供していくノウハウそのものであり、彼ら彼女らの変化が大きな成功事例になるわけです。また、今回のコロナショックで事業環境は大きく変わり、研修の時間をいくらでも作れる状態になりました。研修をつぶさに見ていますが、短期間で見事なレポートを発表するようになった成長ぶりには、毎回感心させられるほどです。

 社内には当初、人選に反対意見もありましたが、難しい環境に自ら身を投じ、新しい知識をどん欲に吸収するひたむきな姿に、いつしか反対意見は消えていきましたね。いまや最先端のデジタル談義を繰り広げる彼ら彼女らの姿を見ると、とても良い決断をしたと思えます。同時に、人はいつまでも成長できるし、事業にとって大事なのは能力よりも熱意だという基本をあらためて教えられている気がしますね。いまは、デジタルシフト事業の今後にワクワクしています。

自己投資は裏切らない

―ベンチャー業界で成長を志す若者にメッセージをお願いします。

 世の中の変化が激しいということは、すなわちビジネスチャンスがたくさん生まれているということ。非常に恵まれた状況に身を置いているのです。そればかりか、デジタル産業革命の時代は、デジタルネイティブである若者に圧倒的なアドバンテージがある。そのことをぜひ認識してほしいですね。

 このチャンスを活かすためにも、自己投資は怠らないでください。自己投資は絶対に裏切りません。しかも、若い時に行うほど後々の効果が大きい。私が言う自己投資とは、自分の殻を破る新しい経験のこと。旅行でも勉強でも、人に会いに行くことでもいい。大事なのは、視線を外に向けること。そうした殻を破る経験は、いつか必ず自分の財産になるものです。

鉢嶺 登(はちみね のぼる)プロフィール

1967年、千葉県生まれ。1991年に早稲田大学商学部を卒業後、森ビル株式会社に入社。1994年に米国で発展していたダイレクトマーケティング事業を日本で展開するため有限会社デカレッグス(現:株式会社デジタルホールディングス)を設立、代表取締役社長に就任。2000年に広告効果測定システム『ADPLAN』(アドプラン)を開発、販売開始。顧客から高い支持を得た。2004年にJASDAQ上場。2013年に東証一部上場。2015年に持株会社体制へ移行し、代表取締役社長グループCEOに就任。2020年4月、代表取締役会長に就任。2020年7月、デジタルホールディングスに商号変更。

企業情報

設立 1994年3月
資本金 82億1,200万円(2019年12月末現在)
売上高 899億円(連結:2019年12月期)
従業員数 1,508名(連結:2019年12月末現在)
事業内容 グループの戦略立案と実行ならびに子会社の管理
URL https://digital-holdings.co.jp/

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