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INTERVIEW 業界別起業家インタビュー

監査法人FRIQ 統括代表パートナー 公認会計士 外山 千加良 / 代表パートナー 公認会計士 佐藤 稔幸

IPO支援の精鋭たちが結集した新興監査法人の想い

「監査難民」問題に悩む地方企業を救える、新たな選択肢でありたい

監査法人FRIQ 統括代表パートナー 公認会計士 外山 千加良 / 代表パートナー 公認会計士 佐藤 稔幸

「日本中のチャレンジする企業をサポートしたい」―。この想いのもと、大手の第一線で活躍してきた企業監査の精鋭たちが集い、深刻化する「監査難民」問題の解消を目指すべく誕生した新興監査法人が注目されている。2021年に発足した監査法人FRIQだ。統括代表パートナーの外山氏は「IPOを目指す地方企業に、新たな選択肢を提示したい」と同法人の使命を語る。ここでは、代表パートナーの佐藤氏とともに、発足の経緯や事業にかける想いなどを聞いた。
※下記はベンチャー通信84号(2022年4月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

「監査難民」問題を解決できる、「新しい力」が必要と痛感

―発足の経緯を聞かせてください。

外山:近年、IPO社数が高水準で推移していますが、それに伴い、顕在化しているのが、いわゆる「IPO監査難民」問題です。特にこの問題は、地方で深刻化しています。地方企業にとっては、全国規模でサービス展開する大手監査法人以外の選択肢が限られており、大手監査法人に受けてもらえなければ、事実上IPOへの道が閉ざされてしまいます。我々はかつて、大手監査法人でIPO監査を手がけてきた際、地方の有望な企業が、IPO監査難民となってしまった例をいくつも見てきました。そうした事態から、監査業界にはこの問題を解決できる「新しい力」が必要だと痛感したことが、FRIQ発足の動機になっています。

佐藤:「日本中のチャレンジする企業の成長を、新しい力でサポートする」という経営理念を掲げているのは、そのためです。当法人のパートナーは全員が大手監査法人の管理職経験者ですが、この理念に共感し参加してくれた人材ばかりです。年齢は30代後半から40代前半と、第一線でキャリアを重ねながらも、この分野では比較的若い会計士であることも、当法人が「新しい力」を標榜している理由です。培った知見をもとに、これまでにない新しい価値を提供すること。それが我々の目指すところです。

―新しい価値とはどういうものですか。

佐藤:まずは、地方の成長企業にとって、大手監査法人に代わる新たな選択肢となり、地方でのIPO監査難民の解消に資すること。そのために、当法人の拠点がある仙台をはじめ、全国各地の成長ベンチャーの支援に注力しています。当法人には、長らく地方のベンチャー企業の支援やスタートアップエコシステムの構築にかかわってきた人材もおり、地方のベンチャー企業を取り巻く事情や地域が抱える課題に対する豊富な知見が評価されています。

外山:さらに、それぞれのパートナーが専門領域で優れた知見をもち、クライアントの特性に合わせて最高のチーム構成を組める点も我々が提供できる価値です。たとえば、近年IPO市場で注目されるヘルスケア産業を筆頭に、ITや不動産など各業界のビジネス事情に精通した人材が多数在籍。いずれも過去にこれらの分野でIPOを実現してきた精鋭たちです。さらに、あらゆる業種に共通する販売管理システムや会計ソフトといったITシステムを熟知した「IT監査」の専門家も控えており、クライアントのビジネスを理解した的確なリスク評価で課題を早期に洗い出すことで、クライアントをIPOへと導いていきます。

チャレンジする企業を、同じ目線でサポートできる

―IPO支援を手がけるなかで、大切にしていることはありますか。

外山:先ほどの経営理念のもと、当法人では4つのミッションを掲げています。「多様性を認め合い、プロフェッショナルとして切磋琢磨し続ける組織文化を醸成する」「信頼の基盤となるサービス品質の向上に常に挑戦し続ける」「品位とスキルの向上に努め、最も信頼されるIPO監査を目指す」「高品質な地域密着型のサービスで日本中に新たな選択肢を提供する」。これらのミッションを実現していくためには、「熱い想い」や「知見の深さ」だけでは十分ではなく、最終的にはクライアントに対する「高いサービス品質」が基礎になければいけません。その部分は当法人としてもつねにチャレンジする姿勢を大切にしています。

佐藤:クライアントはIPOを目指す過程では、さまざまなステークホルダーとかかわりをもちますが、IPO後も変わらず、もっとも長期的な関係を築いていくべき相手が監査法人だと思うのです。その意味では、クイックレスポンスやきめ細かなコミュニケーションといったクライアントとの信頼醸成は、もっとも大切にしています。

―IPOを目指す経営者にメッセージをお願いします。

外山:昨年発足した当法人は、文字通り自分たちを「ベンチャー企業」だと思っており、我々自身もチャレンジする姿勢を忘れません。だからこそ、日本全国のチャレンジする企業を同じ目線でサポートできると確信しています。「IPO監査難民」問題の解消や地方経済の活性化に貢献するという同じ理想を共有するパートナーたちとともに、我々は「最も信頼されるIPO監査」を目指していきます。
PROFILE プロフィール
外山 千加良(とやま ちから)プロフィール
1983年、新潟県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。2007年、PwCアドバイザリー株式会社(現:PwCアドバイザリー合同会社)入社。トランザクションサービス部にて、財務デューデリジェンス、valuation業務に従事。そのほか、事業再生支援、決算早期化支援にも携わる。2012年、有限責任監査法人トーマツ入所。トータルサービス事業部に所属し、上場会社および上場準備会社の会計監査、内部管理体制支援業務、J-SOX対応支援、IPO課題調査に従事。2021年1月、監査法人FRIQを設立、統括代表パートナーに就任。
佐藤 稔幸(さとう としゆき)プロフィール
1982年、山形県生まれ。東北大学経済学部卒業。2006年、監査法人トーマツ(現:有限責任監査法人トーマツ)入所。東北地区の上場企業の監査業務、上場支援業務のほか、J-SOX対応支援、組織体制構築支援、業務改善支援、財務デューデリジェンス、再生支援業務など、幅広い業務に従事。2012年よりデロイト トーマツ ベンチャーサポート株式会社を兼務し、東北のベンチャー企業の成長支援に従事。2016年から2018年までトータルサービス事業部に所属し、IPO課題調査および改善支援、上場準備会社の監査業務に従事し、複数の東証マザーズ上場に関与。2021年10月、監査法人FRIQ代表パートナーに就任。
監査法人FRIQ 企業情報
設立 2021年1月
従業員数 20名〈外部協力者含む〉・パートナー9名(2022年2月現在)
事業内容 監査・保証業務、IPO支援業務、財務報告支援業務、FAS業務、IT関連業務
URL https://friq.co.jp/
お問い合わせ電話番号 03-6820-2715(受付時間 平日9:00~18:00)
お問い合わせメールアドレス info@friq.co.jp
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