INTERVIEW 業界別起業家インタビュー
デジタルマーケティングの雄が描く業界の未来像
創業以来積み重ねてきた「集合知」で、世の中のあらゆる課題を解決する
株式会社電通デジタル 代表取締役 社長執行役員 川上 宗一
デジタルマーケティングを駆使し、企業のビジネス拡大をグローバル規模でサポートしている電通デジタル。多くの企業から寄せられる支援ニーズにさらに応えようと、同社がいまもっとも注力している経営テーマが「人材育成」だという。国内最大級のデジタルマーケティング企業が地道な人材育成を重視する理由はなにか。また、その先に描く業界の未来像とは。同社代表の川上氏に詳しく聞いた。
※下記はベンチャー通信86号(2022年10月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
国内電通グループのなかで、No.1の成長率
―事業内容を教えてください。
当社は、電通グループのデジタルマーケティング専門会社として2016年に設立した会社です。この間、データとテクノロジーを駆使した次世代マーケティングの戦略策定、その基盤となるITプラットフォームの構築、クライアントの事業革新に向けたDXコンサルティングといったサービスを提供してきました。「コンサルティング」「開発・実装」「運用・実行支援」の統合型ソリューションを提供するデジタルマーケティングのリーディングカンパニーを目指し、約2,200名の社員のもと、これまでに1,100社を超えるクライアントの事業成長に貢献してきました。
―多くの企業を支援してきましたね。
2021年12月期の売上総利益は前期比41%増となり、国内電通グループのなかではNo.1の成長率でした。ただ、国内だけでも数百万社の企業が存在し、課題解決のニーズにはまだまだお応えしきれていないというのが実感です。スマートデバイスやSNSの普及で、一般消費者が積極的に情報収集することが当たり前のデジタル社会において、デジタルマーケティングはあらゆる企業に必須の経営施策と言えます。そのノウハウをもつ当社がより多くのクライアントをサポートするために、現在もっとも注力しているのが「人材育成」です。
―ITやデジタル技術の追求ではなく、「人材育成」が重要だと。
はい。私たちは、日々劇的なスピードで変化していくテクノロジーと共に、GoogleやLINEといった国内外のプラットフォーマー各社と連携してサービスを提供しています。もちろん、その最先端を追い続けるのは前提としても、結局のところ課題解決力のエンジンは「人」なんです。ですから、クライアントの課題を的確にとらえ、解決へと導ける人材が育っていく土壌、いわば成長環境をつくること。そこを磨き続けています。
人材が育つ循環を「全員参加型の勉強会」で生む
―どのように育成しているのですか。
たとえば当社には、創業間もない時期から毎週続けてきた「全員参加型の勉強会」があります。メディア領域やコマース領域に在籍する社員を中心に全員が一堂に会し、知見を共有するWeb勉強会を開いています。私は、社員たちが毎日の現場で培った経験やノウハウの一つひとつが当社の「強み」であり「財産」だと考えています。しかし、激しい変化のスピードに流されやすいものでもある。この勉強会は、それらの財産を全員が共有し、いわゆる「集合知」として積み重ねる営みなんです。まさに「人材を育て、育った人材が次の人材を育てる」という好循環を生む「土壌」にほかなりません。
当社が今年4月から3大学でデジタルマーケティングやDXをテーマに寄附講座を行っているのも、こうした「集合知」を言語化・体系化する試みの一環という側面もあります。そこでは、私や社員自ら「脳の筋トレ」をしながら、学生にデジタルマーケティングの「本質」を語っていますが、学生たちは真剣に聞き入ってくれています。今後必須となるデジタルの思考回路を備え、デジタルマーケティングという共通言語をもった若者たちの台頭が、この産業をさらに豊かにする。学生たちの姿を見て、集合知の体系化に手応えを感じながら、そんな業界の未来を描いています。
当社が今年4月から3大学でデジタルマーケティングやDXをテーマに寄附講座を行っているのも、こうした「集合知」を言語化・体系化する試みの一環という側面もあります。そこでは、私や社員自ら「脳の筋トレ」をしながら、学生にデジタルマーケティングの「本質」を語っていますが、学生たちは真剣に聞き入ってくれています。今後必須となるデジタルの思考回路を備え、デジタルマーケティングという共通言語をもった若者たちの台頭が、この産業をさらに豊かにする。学生たちの姿を見て、集合知の体系化に手応えを感じながら、そんな業界の未来を描いています。
どんな仕事でも必要なのは「JUST DO IT」
―今後のビジョンを教えてください。
デジタル技術の進展により、企業の課題を解決できる領域は確実に広がりました。一方でそれは、新たに浮かび上がる課題が増えていることも意味します。その課題を解決する手段として、デジタルマーケティングはさらなる成長が求められています。だからこそ、当社は社員数をさらに増やし、「世の中のあらゆる課題を解決できる企業」になることを目指します。
そのビジョンを支えるのは、これからの若手人材です。若者には、有名なブランドスローガンですが「JUST DO IT」という言葉にあるように、どんな仕事でも「まずはやってみる」姿勢をもってほしいです。「昨日の成功が、今日も成功するかはわからない」と言われるほど変化の激しいデジタルマーケティングの世界では、特にその精神が求められます。優れた集合知に囲まれ、主体的に行う試行錯誤の毎日は、とても刺激的ですよ。
そのビジョンを支えるのは、これからの若手人材です。若者には、有名なブランドスローガンですが「JUST DO IT」という言葉にあるように、どんな仕事でも「まずはやってみる」姿勢をもってほしいです。「昨日の成功が、今日も成功するかはわからない」と言われるほど変化の激しいデジタルマーケティングの世界では、特にその精神が求められます。優れた集合知に囲まれ、主体的に行う試行錯誤の毎日は、とても刺激的ですよ。
PROFILE
プロフィール
川上 宗一(かわかみ そういち)プロフィール
1998年、東京大学法学部卒業後、株式会社電通に入社。マーケティングプロモーション局、営業局に所属。2019年から株式会社電通デジタルに参画し、人を基点としたデータドリブンマーケティング「People Driven Marketing®」を推進する。役員兼アカウントプランニング部門長、アドバンストクリエーティブセンター長を経て、2020年より現職。
企業情報
設立 | 2016年7月 |
---|---|
資本金 | 4億4,250万円 |
従業員数 | 2,166名 (2022年4月現在) |
事業内容 | デジタルマーケティングのすべての領域に対するコンサルティング、開発・実装、運用・実行の提供 |
URL | https://www.dentsudigital.co.jp/ |
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