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INTERVIEW 業界別起業家インタビュー

株式会社ネクサスホールディングス 代表取締役社長 狩峰 宏行 

「集団指導体制」を志向するベンチャー代表が描くM&A戦略

エンジニアだけでなく経営者も、次代のIT企業創りに参加してほしい

株式会社ネクサスホールディングス 代表取締役社長 狩峰 宏行 

自治体向けシステムの受託開発を手がけるビーフィットと、金融業界向けのエンジニア派遣に強みのあるNBS。両社はM&Aにより、ネクサスホールディングスのグループ会社となった。グループ入りの決め手はなんだったのか。ビーフィットの前代表で、現在は同社顧問を務める野原氏、NBS代表の三上氏、そしてグループの中核で、IT未経験者をエンジニアへ育成し顧客企業へ派遣する事業を手がけるネクサス代表の髙山氏を交えた座談会を通して、語ってもらった。
※下記はベンチャー通信92号(2024年3月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
株式会社ビーフィット
元代表取締役社長(現顧問)
野原 隆のはら たかし
1958年、静岡県生まれ。大学中退後、1980年に瀬川工業株式会社へ入社。株式会社アシストワンを経て、株式会社ジェイワンに入社。2008年、同社の倒産を受け、千葉・静岡拠点の従業員とともに独立し、株式会社ビーフィットを設立し、代表取締役社長に就任。2022年、株式会社ネクサスホールディングスのグループ入りに伴い、同社の社外取締役および株式会社ビーフィットの顧問に就任。
NBS株式会社
代表取締役
三上 尚克みかみ なおよし
1975年、青森県生まれ。1997年に東京理科大学を卒業後、株式会社スペースに入社。システム構築・プロジェクト管理業務に従事する。2009年、NBS株式会社の代表取締役に就任。2021年、株式会社ネクサスホールディングスにグループ入り。
株式会社ネクサス
代表取締役
髙山 敏夫たかやま としお
1975年、静岡県生まれ。1998年に千葉大学工学部卒業後、積水ハウス株式会社に入社。その後、2002年に株式会社ネクサスへ入社。2014年に代表取締役に就任し、経営をけん引。2015年1月に株式会社ネクサスホールディングス取締役に就任し、2023年には同社の代表取締役専務に就任。

後継者問題が目の前に迫り、「他社による承継」を考えた

―ネクサスホールディングスにグループインした経緯を教えてください。

野原:若い後継者を見つけることが喫緊の課題になっていたのが、きっかけです。当社はおもに大手ベンダーからの受託で、自治体が導入する税総合情報システムや電子調達システムなどの開発を手がけていますが、代表の私自身、還暦を過ぎて久しい。新しい体制を整え、エンジニアにこの先も安心して当社で働き続けてほしいと考えていました。実際、大手ベンダーから「会社を売却しないか」と持ち掛けられたことも。しかし、M&A後の構想を聞いてみると、大手が手がける案件に、当社のエンジニアが応援に行くイメージ。「自治体が導入するシステムの開発」という独自領域で実績を築き、黒字経営を続けてきた自負もあり、それが崩れてしまう心配がありました。買い手企業を慎重に見極め、エンジニアが得意分野を継続して追求できる環境を提供してくれるところを探そうと考えました。

 そのとき、M&A仲介会社から紹介されたのがネクサスホールディングスです。ベンチャー企業にジョインして、社員の働く環境が本当に守られるか心配でしたが、狩峰代表は「必ず守る」と約束してくれました。「人を大切にする想いがあるこの人のパートナーになろう」と決めました。約束通り、M&A後も、当社のエンジニアが引き続き、自治体向けシステムの受託開発業務に携わることができています。

三上:当社の場合、「私の身に何かあれば、会社の運営が止まってしまう」という懸念が大きかったです。社員十数名で、私を含めすべて顧客先常駐のエンジニア。社員やパートナーはおもに顧客先で基幹系システムのプロジェクト管理や構築・改修を行っており、私自身もエンジニアの応援のために現場に出てマネージャーとしてチームをまとめています。そのうえ営業や事務処理もすべて私ひとりが担当していました。そこで、より大きな企業グループに参画して、バックオフィス業務を任せられる体制を整え、私は経営の仕事に専念したいと考えたのです。

 M&A仲介会社に相談すると、複数社が当社に興味を示してくれましたが、その多くは「貴社を吸収合併して、ノウハウや人的資産をすべて取り込みたい」という意向。当社は、現場のエンジニアが誠実に仕事に取り組み、大手も含めたお客さまのエンジニアと“人と人”との信頼関係を築いてきました。ですから、同じお客さまには、同じエンジニアが継続して担当する体制を崩したくなかった。しかし、吸収合併では体制が維持される保証はない。そのなかで、ネクサスホールディングスと出会い、吸収合併ではなく、「グループ会社として参画して、三上さんにも経営者として残ってほしい」と提案されたのです。狩峰さんは「エンジニアをコマのように扱いたくない」と明言。社員を大事にするその姿勢に心打たれ、グループインを決めました。

―髙山さんは、ネクサスホールディングスグループにおける中核として、両社とタッグを組む意義をどう考えましたか。

髙山:若手エンジニアの成長を加速させられる点に、一番の魅力を感じています。当社は、IT未経験者を採用して育成し、エンジニアとして顧客先で活躍できるまで支援しています。中堅やベテランが少なく、設計などの上流工程を担える人材の強化が課題でした。その点、NBSは開発経験が豊富な熟練エンジニアが多く、当社が参入できなかった金融業界の案件を多く手がけてきました。

 また、ビーフィットが得意な受託開発も、何度も挑戦しながらネクサスが手がけられなかった分野です。両社に参画してもらい、当社にないハイスキルを若手エンジニアが学べるのは大きなメリットです。

既存顧客からの信用を、次の世代に引き継ぎたい

―ネクサスホールディングスグループの一員として、これから会社をどのように発展させていきますか。

野原:受託開発という当社の強みを活かしつつ、ネクサスのエンジニアにも応援してもらうことで、これまで当社単体では手がけられなかった大きなプロジェクトにも参画できるようになりました。今後は、新しい人材を多く育てて、報酬単価の高い案件をもっと獲得していきたいですね。

三上:グループで人材の採用・育成を担うネクサスから若手をアサインしてもらい、お客さまのプロジェクトにどんどん参画してもらいます。今まで、当社のエンジニアはベテランが中心で、自社に採用や育成のノウハウがなく、社員の新陳代謝が必要と感じていました。若手がベテランと同じレベルにまでお客さまとの信頼関係を築くことで、当社の資産である「お客さまからの信用」を次世代に引き継ぎたいです。

髙山:当社の採用チームを率いるのは、以前、ITに特化した転職エージェントでコーディネーターを務めた人材です。今後、さらに採用に注力し、有望なエンジニアの卵を発掘したいです。ビーフィット、NBSと協業する質の高いエンジニアを育成し、両社の事業に貢献したいですね。当社の若手も経験豊富な両社のエンジニアから学ぶことは多いはず。若手の成長でグループが請け負う案件の幅も広がり、さらに発展できると期待しています。
株式会社ビーフィット 企業情報
設立2008年12月
資本金1,000万円
売上高4億7,358万円(2024年9月期)
従業員数27名(2025年3月現在)
事業内容自治体向けシステム開発
URLhttps://www.befit.co.jp/

NBS株式会社 企業情報
設立2009年9月
資本金2,000万円
売上高3億1,925万円(2024年9月期)
従業員数15名(2025年3月現在)
事業内容コンピュータソフトの受託開発・販売業務、インターネットを利用した情報提供サービス、それらに関するコンサルティング業務
URLhttps://www.nb-sol.jp/

株式会社ネクサス 企業情報
設立1996年4月
資本金1,500万円
売上高11億5,576万円(2024年9月期)
従業員数211名(2025年3月現在)
事業内容ソフトウェア開発、機械設計、電気・電子設計、IT領域における人材派遣、そのほかIT関連事業
URLhttps://nexus-nt.co.jp/
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