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INTERVIEW 業界別起業家インタビュー

株式会社AIBOT 代表取締役 伊吹 哉太

ITの力を駆使して「人の絆」を育み、温もりと創造性で社会を満たす

株式会社AIBOT 代表取締役 伊吹 哉太

近年、SNSマーケティングが活発化する一方、LINE公式アカウントの運用に課題を抱える企業は少なくない(※)。そんななか、LINEの友だち登録機能を拡張して販促効果を高める『LIBOT』が、リリースから4年で1,400以上の企業・店舗のアカウントに導入され、注目を集めている。こうした急成長の背景には、提供元であるAIBOT代表・伊吹氏の「ITで人と人との絆を強めたい」という信念がある。その想いと会社の未来像について話を聞いた。

※株式会社クウゼン「マーケティング担当者のLINE公式アカウント活用の実態調査」(2022年10月)。「課題がある」と回答した割合は約9割におよぶ
※下記はベンチャー通信93号(2025年9月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

「人のつながり」を可視化し、友だち数が2日で3万増

―事業内容を教えてください。

 当社は「デジタルとアナログの融合」を掲げ、システムやAIソリューションの開発、SESなどIT関連事業を幅広く展開しています。なかでも主力となっているのが、自社開発のLINE公式アカウント拡張システム『LIBOT』です。このサービスは、LINE上で口コミマーケティングの効果を高める仕組みを備えています。この仕組みが評価され、現在、企業・店舗に導入されているアカウントは全国で1,400以上にも拡大しています。

―どのような特徴が、多くの企業・店舗に評価されているのでしょうか。

 最大の特徴は、「誰が誰に公式アカウントを紹介したのか」という「人のつながり」を樹形図として可視化できる点です。LINEは親しい間柄での利用が多く、そこで交わされる紹介は信頼性が高いため、新規顧客の来店や利用につながりやすいのが特徴です。しかし、LINEに標準搭載されている友だち紹介機能だけでは、こうした「人のつながり」を企業・店舗側が把握できずに、販促にうまく活用できていませんでした。そこで、『LIBOT』で信頼性の高い紹介経路を把握することで、顧客への効果的なアプローチを可能にしました。

―具体的には、どのようなアプローチができますか。

 『LIBOT』は、「人のつながり」を可視化することで紹介者を特定したうえで、紹介した人・された人の双方に特典やポイントを付与できます。この仕組みを用いて、企業・店舗は、顧客の既存・新規を問わず、正確に特典やサービスを届けられるため、満足度がさらに高まります。これにより、新規顧客の獲得とリピート化を同時に促進しつつ、友だち登録者数を一気に増やすことも可能です。実際に、『LIBOT』上の紹介ポイントを「PayPay」のポイントに交換できるキャンペーンを実施した企業では、わずか2日間で0人から3万人まで友だち数を増やすことに成功しました。当社では、こうした効果的な活用方法やキャンペーンの設計も含め、企業・店舗の集客力向上を包括的に支援しています。
LINE公式アカウントによるマーケティングに革新を起こした『LIBOT』

「絆」でつながる社会でこそ、人は創造性を発揮できる

―なぜ、このサービスを提供しようと考えたのでしょうか。

 きっかけは、コロナ禍でした。飲食店や美容サロンなど顧客との接触が欠かせない業態は大きな打撃を受けましたが、経営を支えていたのは、店とのつながりが深く、リピートしてくれる「常連」でした。そのため、経営者からは「常連客をもっと大切にしたい」「常連からお客様を広げたい」という声が多く寄せられました。そこで、私は常連の声を活かす方法を探り、親しい人同士がつながるLINEに注目しました。この親密なネットワークで、常連の紹介行動を後押しする仕組みとして『LIBOT』を開発したのです。このサービスは、まさに「デジタルとアナログの融合」を体現する事業だと自負しています。

―そのミッションを通じて、なにを実現したいと考えていますか。

 人と人との絆が育む「温もりある社会」の実現です。私は幼少期から家族や友人に囲まれた温かい環境で育ちました。その支えがあったからこそ、失敗を恐れず多様なアイデアに挑戦でき、いまの成長があります。この経験から、絆には創造性を引き出す力があると、私は強く確信しています。そして、絆を重んじる価値観から生まれるアイデアこそ、人間中心のアナログ社会に大きな価値を提供できると信じています。この理念は経営方針そのものであり、社員にも温もりある環境で創造性を伸ばしてほしいと願っています。
韓国での社員旅行。普段はリモートがメインだが、「絆」は強い

―そうした環境で、社員にはどのような成長を期待していますか。

 社員には「一人ひとりが社長」という意識を持つよう伝えています。当社では働く時間や場所を自由に選べる「スーパーフレックス制」を導入し、裁量を最大限に尊重しています。また、事業企画は常時提案可能で、これまでにも私にはない発想を提案してくれた社員もいます。そこに事業性を確信できれば提案者に全権を委ね、ときには子会社の社長を任せています。こうして社員一人ひとりが経営者として活躍し、当社との絆を基盤にしたグループを築きたいと考えています。各社の事業が成功すれば、2030年までに年商100億円の達成も視野に入ります。今後もLINE拡張システムの開発やAI応用に注力し、ITの力で温もりと創造性あふれる社会を実現していきたいですね。
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