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INTERVIEW 業界別起業家インタビュー

シナリオ・プランニング株式会社 代表取締役社長 大塚 教平

17年間、「採用コンサル」に携わってきたトップが目指す業界の在り方

採用単価を半分にするプロダクトで、人材業界の現状を根本から変えたい

シナリオ・プランニング株式会社 代表取締役社長 大塚 教平

大手企業と比べて知名度や資金、人的リソースが限られる中小・ベンチャー企業は採用に苦慮している。そうした企業に対し、採用コンサルティングを提供しているのが、シナリオ・プランニングだ。同社は独自の手法で、各企業に適した支援サービスを提供しており、支援企業数は500社を超える。代表の大塚氏は、「今後は独自のプロダクトをリリースし、企業の採用単価を半分にしたい」と意気込む。同氏に、取り組みの詳細を聞いた。
※下記はベンチャー通信93号(2025年9月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

採用コンサルティングを、一気通貫で提供

―事業内容を教えてください。

 中小・ベンチャー企業に対して、新卒・中途の人材採用の支援をしています。採用を支援する企業は数多くありますが、当社は予算編成からターゲティング、ブランディング、広報媒体の選定および打ち出し方、選考フローの設計、説明会資料の作成、面接・クロージング・内定者のフォローといった採用戦略全般のコンサルティングを一気通貫で提供しています。クライアントとなる企業は業種・規模ともにさまざまですが、当社の支援で、それまで以上の成果につながるケースが非常に多いです。採用数もさることながら、クライアント平均でいうと、母集団形成は270%アップ、採用単価は41%の削減に成功しています。

―実際に、採用支援に成功した事例を聞かせてください。

 営業代行を手がけるベンチャー企業を支援した事例をお話ししましょう。その企業は、新卒で営業職を募集していたのですが、営業職は不人気ということもあり、自社にて広告媒体で募集すると、年間で約500名の母集団を形成できても、そこから1名の採用にとどまっていました。そこで当社が「営業職の一般的な側面」ではなく、20代全体に刺さるようなコンセプト設計と採用ストーリー構築を行うなど、トータルで支援しました。結果、1年目で8倍となる4,000エントリーを獲得し、36名の採用を達成し、2年目は8,000エントリーで62名を採用できました。その新卒生のなかから、同社の営業レコードを塗り替える人材が7名現れたことで、質もしっかり担保できていたのが裏づけられました。

自社の「集客データ」をもとに、採用戦略をカスタマイズ

―なぜ、そのような採用支援を提供できるのでしょう。

 私自身、17年間にわたって採用支援にかかわってきた経験やノウハウに加え、自社の採用にて、就活生・転職希望者あわせて年間約4万人を集めた実績をもとにしたデータを活用しているからです。当社がこれだけ集められたのは、「160個以上の福利厚生や制度から個々人が自由に選択して活用できる」など、入社後のメリットなどを訴求したからです。4万人から集めたアンケートや面談でのヒアリングを分析すれば、これらの属性の価値観や選択基準、優先順位などが見えてきます。それをもとに、各企業に適した採用戦略をカスタマイズして提供しているのです。「160個以上の福利厚生や制度」は自社の採用戦略で策定しましたが、対象企業により打ち手やアプローチ方法はいくらでもあります。

 さらに今後は、新たなプロダクトの開発も行っていきます。

―具体的に教えてください。

 まだ開発段階ですが、就職活動を控えた学生の価値変容と行動変容を促すことで、自身のキャリア観を形成しやすくするとともに、企業に対しても戦力になりえる人材を輩出するプロダクトです。たとえば、「あなたがこの大手企業に入社したいなら、こうした能力や考えが必要です」というタスクがプロダクトから示され、学生はゲーム感覚でそれを身につけるために行動し、達成すればポイントが与えられ、自然とビジネスに必要な能力とキャリア観が磨かれる、という具合です。その能力が活かせる企業をほかにも提示する仕組みで、学生がそれらの企業を能動的に選べるようになります。そもそも採用活動は、優秀な学生の取り合いになりがちなうえ、中小・ベンチャー企業は大手企業に埋もれてしまいます。そこで、優秀かつ多様なキャリア観を持った学生の母集団を意図的に増やすことで、この状況を打破したいと考えているのです。

誰かが行動しないと、積年の課題は解決できない

―そうしたプロダクトを開発した先に、なにを見据えていますか。

 現在、企業の平均的な1人あたりの採用単価は100万円といわれていますが、私はこのプロダクトでそれを半分にしたいと考えています。私は長年、企業の採用支援にかかわってきましたが、中小・ベンチャー企業がこの状況に苦労しているのを目の当たりにしてきました。将来的には、100万円かけても1人も採用できない未来が見えています。当社の主軸事業の採用コンサルティングはカスタマイズ要素が強く、全国の企業に提供できるわけではありません。そこで私は、このプロダクトで人材業界の現状を根本から変えたいと思っているのです。採用単価が半分になれば、業界の売上も減ります。しかし、誰かが行動しないと業界の積年の課題は解決できません。この想いに共感してくれる中小・ベンチャー企業の経営者は、ぜひ問い合わせてほしいですね。
PROFILE プロフィール
大塚 教平(おおつか きょうへい)プロフィール
1982年、千葉県生まれ。2007年に日本大学を卒業後、就職人気ランキング上位の採用支援ベンチャーに入社。採用コンサルティング業務に従事する。2009年にシナリオ・プランニング株式会社を設立し、代表取締役社長に就任する。計500社以上の採用支援を手がけている。
企業情報
設立 2009年4月
資本金 2,000万円
従業員数 21名
事業内容 採用コンサルティング、ブランディング事業、就活プラットフォーム事業
URL https://scenario-p.co.jp/
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