累計経営者579人に取材、掲載社数311ニッポンを創るビジョナリーベンチャーを紹介

ベンチャー通信編集部注目の起業家インタビュー

株式会社オークファン 代表取締役社長 武永 修一

注目世界中の人々があらゆるモノを売買できる時代を創る

株式会社オークファン 代表取締役社長 武永 修一

ネットオークションやショッピングに関する価格の統計・検索サイト「オークファン(Aucfan.com)」。同サイトは月間ユニークユーザー数800万人以上、国内ネットオークション利用者の40%近くが利用するオンリーワンメディアである。そんなオークファンの代表を務める武永修一氏は、学生時代からネットオークションで販売を開始。年間数億円以上を売り上げるなど、早くから起業家として頭角を現していた。しかし、会社を成長軌道に乗せるまでには、倒産危機やM&A、会社分割なども経験したという。今回は武永氏に起業の経緯や今後のビジョンなどを聞いた。

※下記はベンチャー通信43号(2011年3月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

―御社の事業内容を教えてください。

武永:ネットオークションやショッピングの価格統計・検索サイト「オークファン(Aucfan.com)」を運営しています。現在、「オークファン」をご利用いただいているユーザー数は月間800万人以上、PVは約1億、利用者が生み出す年間の売買金額は約2000億円に達しています。また、ここで収集した商品取引価格データを活用し、個人向けの有料会員、スクール事業や、法人向けのデータ提供事業などを行っています。

―「オークファン」はユーザーから高い支持を得ているというわけですね。御社の強みはどのような点ですか。

武永:一言で表現すれば、「競合が存在しない独自のビジネスモデルを構築してきた点」です。ネットオークション・ショッピングの取引価格データを横断的に収集・提供しているメディアは他にありません。

―なぜ御社のビジネスモデルは容易にマネできないのでしょうか。

武永:その理由は大きく分けて3つあると思います。

 1つ目の理由は、当社の保有しているデータの量と種類が圧倒的に多いからです。当社がこれまでに蓄積したネットオークション・ショッピングの取引価格データは累計で約10億件に達しています。その背景には、当社が中立的かつ横断的な立場で、早くから国内外の主要ショッピング・オークションサイトとWIN-WINの関係を構築してきたことがあります。国内のヤフー、楽天などのほか、米国のeBay、Amazon、中国のtaobao(タオバオ)など、主要なサイトと連携し、「いま買える商品」の掲載はもちろん、オークションについては「過去に取引された商品」の情報を収集します。

 2つ目の理由は、国内で最大規模のセラー(売り手)が集まるメディアだからです。個人、法人を含め当社ユーザーの約60%はネットや実店舗で商品を売っています。つまり400万人以上のユーザーが価格情報を得て、様々な販路で商品を売ります。その結果、各ショッピングやオークションサイト様の流通額と利益の増加に貢献しているのです。

 3つ目の理由は、当社は収集した膨大なデータを統計学的に解析できるノウハウを蓄積しているからです。たとえば、あるノートパソコンがオークションに出品されているとしましょう。出品者が個人の場合、ノートパソコンの型番が正確に記載されていないケースはよくあります。そういう場合、商品を特定するだけでも容易ではありません。これを解決するためには、投稿されている文章や写真、価格帯などの情報も含めて、商品を特定するノウハウが求められます。当社はこの※データマイニング分野で10年近い経験を積んでおり、提供できるデータの質と精度は日々向上しています。

※データマイニング:統計学、パターン認識、人工知能等のデータ解析法を大量のデータに適用することで知識を取り出す技術のこと。

―御社が提供するネットオークション・ショッピングの取引価格データは、どのように活用されているのでしょうか。

武永:日本はもとより世界で、特定の商品の相場を知ることに活用されています。取引価格データは、とても興味深いデータです。というのも、すべての商品において、取引が成立した時価(フェアバリュー)が分かるからです。いわゆるその時点での市場価格です。実店舗の場合、「売り切れました」と言われると、どれくらいの数の商品が売れたのか、あるいは本当に表示価格で販売されたのかは、販売主以外は確かめようがありません。しかし、オークションなら、どの商品がいつどんな価格で何個売れたのか、正確に分かるわけです。そして先ほどお話ししたように、当社は国内外のサイトと提携しているため、日本、アメリカ、中国の実勢価格が比較できます。

―今後は国内だけでなく、世界中の取引価格データが入手できるようになるのでしょうか。

武永:はい、まさに当社がその役割を果たしたいと考えています。実際、グローバル市場への展開を進めるために、2007年には米国eBay、ネットプライスと共に合弁会社を設立し現在順調に成長しています。また、当社自身でも2010年に、中国版サイト「拍迷網(パイメイモウ)」および英語版を開設しました。まずは日米中の市場でサービスを展開し、将来的にはBRICsなど他の市場の取り込みも視野に入れています。

―武永社長は子どものころから、将来は起業しようと考えていたのですか。

武永:全く考えていませんでした。起業のきっかけは、大学時代でした。買い替えのため自分のノートパソコンを中古パソコン店に持っていったら査定が安かったので、ネットオークションで売ってみたところ、何と査定価格の4倍以上の値で売れたんです。それで興味を持ち、数ヵ月後にはリサイクルショップや問屋などで商品を仕入れてネットオークションで販売するようになりました。そして事業開始から3年で、個人事業主として年商が1億円を突破。税理士さんから「そろそろ会社にしたほうがいい」と言われて、2004年に当社の前身である株式会社デファクトスタンダードを設立しました。

―個人で年商1億円とはすごいですね。その後は順調に会社を成長させてきたのでしょうか。

武永:ところが実際は逆でした(笑)。むしろ倒産の危機にさらされました。原因は経営や組織というものに素人であったことです。会社設立にあたってスタッフを増やしたのですが、全く組織になっていなかった。結果、有能なスタッフが何人も去っていきました。

 そして有能なスタッフが抜けると、一気に会社が回らなくなりました。商品を仕入れたのはいいけれど、人手不足で出品作業ができず在庫がオフィスに積まれたまま。夏に仕入れた冬物の衣料が、年明けになってもまだ出品できていないという状態でした。私の貯金も底をつき、「会社なんてつくらないで、個人事業で気楽にやっていればよかった」と何度も思いましたね。

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