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INTERVIEW 業界別起業家インタビュー

公益財団法人東京都中小企業振興公社 企画管理部 設備支援課

東京の「稼ぐ力」を後押しする「東京都中小企業振興公社」

「競争力強化」に資する助成金で、中小・ベンチャー企業の成長を支える

公益財団法人東京都中小企業振興公社 企画管理部 設備支援課

中小・ベンチャー企業の資金調達手段の1つに、「助成金制度」がある。全国の自治体で各種制度が用意されているなか、「助成額の大きさ」と「申請条件の間口の広さ」が特徴の助成金制度が注目を集めている。東京都の「躍進的な事業推進のための設備投資支援事業」だ。同事業の実施機関である東京都中小企業振興公社の設備支援課では、「特に多くの中小・ベンチャー企業に活用していただくことで、東京の『稼ぐ力』を後押ししたい」と語る。同課に、事業の詳細を聞いた。
※下記はベンチャー通信91号(2024年9月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

予算枠を年々拡充し、東京全体の産業力強化へ

―「躍進的な事業推進のための設備投資支援事業」とは、どのような事業ですか。

 東京都内の中小企業を対象に、「製品・サービスの質的向上」による競争力強化や、「生産能力の拡大」のための生産性向上を進める際に必要となる機械設備等の導入経費の一部を助成するものです。事業目的は、時代の要請に合わせて、「競争力強化」「DX推進」「イノベーション」「後継者チャレンジ」の4つの区分を設けています。それぞれの目的に合わせて、業歴50年以上の企業から成長著しいベンチャー企業まで、さまざまな業種の企業からの申請が可能です。令和3年度から事業を開始しており、年に2回申請を受け付けています。

 私たちは、都内中小企業の総合的・中核的な支援機関として、助成金制度をはじめ各種支援事業を実施していますが、なかでもこの事業は大きな特徴を持つ事業だと捉えています。

―具体的に教えてください。

 まずは、「助成額の大きさ」です。同事業の助成限度額は最大1億円、助成率は最大4分の3以内としており、当公社内でも給付する額が大きな助成金となっています。さらに、「申請条件の間口が広い」という特徴もあります。業種による制限がなく、都内に登記簿上の本店または支店があり、2年以上事業を継続している中小企業・個人事業主であればどなたでも申請が可能です。加えて、「設備投資」と言っても、法人税法上の固定資産とされる機械装置・器具備品以外に、ソフトウェアの導入も対象となるため、さまざまな角度からの取り組みに活用できます。たとえば、飲食店舗で配膳ロボットを導入し、生産性を高めるといった取り組みも対象になっています。

―これまでの事業実績を教えてください。

 初年度の令和3年度は、申請件数564件のうち、採択件数は106件でした。同年度の「第1回」募集では申請件数が想定を大きく上回ったため、「第2回」募集にて予算を増額し、より多くの申請者の設備投資ニーズに対応しました。令和4年度「第3回」「第4回」募集では、都内中小企業のDX推進強化を目的に予算をさらに増額し、採択件数は232件に増えました。予算増額の理由は、社会全体でデジタル化に向けた取り組みが浸透していることに加え、コロナ禍で苦闘する中小企業にとっては、DX推進が労働生産性の向上や製品・サービスの高付加価値化への活路となっているためです。さらに、「賃上げの実施」「ゼロエミッションに資する取り組み」を行う企業に対する助成率の拡充要件も追加するなど、高水準の予算枠を維持しています。個々の企業への支援が、東京全体の産業力強化および都内経済の持続的発展につながることを期待しています。

「第8回」募集にも、多くの企業からの申請を期待

―都内の中小・ベンチャー企業の経営者にメッセージをお願いします。

 私たちは、同事業を通じて、都内中小・ベンチャー企業の中長期的な成長を支え、東京の「稼ぐ力」を高める一端を担いたいと考えています。令和6年10月から11月にかけて令和6年度「第8回」募集が開始となりますので、多くの企業に同事業の申請をご検討いただけますと幸いです。また、当公社には「総合相談窓口」も個別に設けていますので、事業について不明点などがありましたら、お気軽にお問い合わせください。
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